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【DEEP】岡野の挑戦受ける北岡悟 「力量? やってみないと分からない。相当強いはずです」

Satoru Kitaoka【写真】試合の4日前、減量の3日前に取材に応じてくれた北岡選手に感謝したい (C)MMAPLANET

20日(月・祝)に東京都大田区・大田区総合体育館で開催されるDEEP CAGE IMPACT2015でDEEPライト級王座防衛戦に臨む北岡悟。

挑戦者の岡野裕城はウェルター級から階級を落としきてフィジカルに秀でたファイターだ。その岡野戦でキャリア60戦を迎えようとかという北岡に、最後の調整期間の過ごし方、そしてチャレンジャー、無限ループに関して尋ねた。

──試合の4日前という状況で取材に応じていただきありがとうございます。

「とんでもないです。MMAPLANETさんでないと断ります」

──恐縮です……。もうクールダウンに入り、練習は行っていない状況ですか。

「今日はタップリと寝て、整体を受けて必要な買い物をしただけです。僕はアクティブ・レストと呼ばれるモノは行わない気質なので昨日の夜に、最後に激しく動いて終わりました。月曜日にラウンドを絞って組み技のスパーリングをして、昨日の夜にキックミットを八隅会長に持ってもらう。その前後に走ったり、プールで泳いだりぐらいですね」

──ここから水抜き前までの体重に合わせていくという段階ですね。

「少しだけ落として、水抜きです。体調はボチボチです。もう試合数が多すぎて、どの試合の時の体調が良くて、どれが悪かったかも覚えていないですし(笑)。負けた時は体調が悪かった時もあるけど、良かった時もありますしね」

──次で60戦目という資料もありますが、もう終盤の調整もお手の物で自然にこなせるのでしょうか。

「微差はありますけど、そこに近いです。ただ、今回は試合が祝日の月曜日なので感覚が狂ったりはします。だいたい、土曜日か日曜日に試合をしてきたので、週が明けてからの試合というのは──、感覚の人間なのでアレって思うことはありますね。

こんなこと言って、失敗したら笑いものになってしまいますが、体重も勝手に70.3キロになるんです。導かれるようにその数字に行き着くので、体重計もマメに乗るわけじゃなくて。この時期は75キロを切っているなとか、そういうことが感覚として、自分のなかにあるので。だからもう、ここまでくればいつも通りの行程をこなしていけば、そこに至るという感じです。微妙に落とし方を変えていったりとかはありますけどね。

だから感覚なので、〇日に試合だから〇日はこうしようっていうんじゃなくて、なんとなく日曜日が試合だから、木曜日はこうで、金曜日はこうだっていうのがあって。月曜日で1日遅いことが抜けて、『今日は水曜日だから、こうだな』って思ってしまうことはあります」

──あぁ、分かります。人間って日にちでなくて、曜日で体内時計を刻むような感じがありますからね。

「凄く単純なアナログ人間なので(笑)。今回の計量は日曜日に行われるのですが、いつもは日曜日から完全休養にしています。でも、次は月曜日が試合だから、1週間のスタート時点が違ってきてしまうんです。そういう感覚のズレは少しありますね(笑)。でも、火曜日にしてもミットをやっただけでオフみたいなモノでしたし、体自体は休めています。

塩抜きやカフェイン抜きも過敏になっていなくて、2日とか3日間ほど実施しているぐらいです。これだけ蒸し暑くて汗が出ると、塩分だって必要ですからね」

──10日ほど前ですかね、ジュカオン・カルネイロが青木真也選手とロールしたいということで、ロータスにお邪魔させてもらったのですが、あの時の北岡選手は体が重そうでした。

「疲れていましたね……。まぁ、こんな話はあんまりしたくないですけど、疲れる練習をたくさんやってきましたよ(苦笑)」

──ハハハ。大晦日の次が3月15日、実質2カ月と2週間のインターバルで戦い心身ともに疲弊しているようでした。今回は4カ月のインターバルがありました。この辺りで変化は見られましたか。

「リセットしなおしてきたつもりだったんですけど、結局のところ楽にできたってことはなかったです。そういうモノではなかったです。ハハハハハ。1カ月半ほどの差は、大した差ではなかったです。それは確かです」

──では7月20日の大田区での試合というのは、いつ頃から頭にあったことですか。

「正直、3月の試合が終わった時点でやるつもりでした。大田区があるっていうのは、その前から聞いていたので」

──これで昨年10月のパンクラスから、大晦日、3月と4試合連続でケージでの試合になります。

「たまたまですけど、ケージは戦い易いです。まだ、3試合しかやっていないですけどね」

──無限ループが今や代名詞となりました。

「ありがとうございます」

──ここまで浸透すると、無限が有限になるときもあるので、プレッシャーにはならないですか。ある意味、KOや一本を期待されるように相手をコントロールし続けることを期待されると。

「まぁ練習ではいくらでも無限ループされることもあるので、別に気にはしないです。相手の力量によりますから。強い人間と戦うと、止まる場面だってでてきます。ホントはこういう話こそしたくないんですけどね」

──つまりは上手くいかないことを想定しているということですね。

「もちろんです。体の力が強い相手でもそうですし、技術がある人間と対してもそういうことですから。そうでない人と戦うと、詰めて潰していけますけど」

──チャレンジャーの岡野選手はそのフィジカルで秀でている選手の一人です。

「恵まれた──というか、努力しているでしょうし、良いんじゃないでしょうか。身長も180センチを超えています。でも、吉田(善行)さんも180オーバーの選手ですから」

─岡野選手の力量はどれ程だと捉えていますか。

「分からないです。やってみないと。強いとは思っています。どれくらい強いかは分からないです。相当強いはずですが……」

──どういう部分が強いと?

「体が強い。格闘技もまぁまぁのキャリアがあります。戦績は決して綺麗なモノではないです。だからこそ、色々な想いがあり、色々な経験をしてきているだろうし」

──かつて北岡選手もウェルター級、それ以上の体重で戦っていました。その時に身長やリーチのある相手と戦っているので、間合いなどは掴み易いのかと想像しているのですが。

「いや、あの頃あの体重で戦っていた選手も減量をしていないから、今では皆ウェルター級やライト級に落としていますよ。石川英司と戦ったのは82キロでしたけど、今では彼も70キロまで落としていますし。ネオブラッドの決勝では門馬(秀貴)さんと当たりましたが、門馬さんもあのあと70キロまで落としましたからね。

あんまり変わらないですよ。あの頃、僕自身も通常体重で82キロとかあったんですけど、脂肪が多くて、今の方が中身も詰まっています。別に格闘技とは関係ない部分ですが、重いモノをどっちが持ち挙げられるかといえば、今の方が挙げられますからね。でも、関係ないことです──それは。

だからこそ最近では77キロの選手の試合も、いつ戦うことになるかっていう気持ちで見ていました。岡野に関しても、その可能性があるとは思っていましたが、DEEPジムが閉められる少し前にジムにきた時に、90キロとか越えていたので組まなかった記憶があります」

<この項、続く>

■ DEEP CAGE IMPACT 2015 対戦カード

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[王者]北岡悟(日本)
[挑戦者]岡野裕城(日本)

<DEEPウェルター級選手権試合/5分3R>
[王者]悠太(日本)
[挑戦者]中村K太郎(日本)

<ミドル級/5分3R>
水野竜也(日本)
RYO(日本)

<ライト級/5分3R>
岸本泰昭(日本)
宮崎直人(日本)

<フェザー級>
小見川道大(日本)
梅田恒介(日本)

<バンタム級>
釜屋真(日本)
石司晃一(日本)

<フライ級>
小島壮太(日本)
越智晴雄(日本)

<フライ級>
赤尾セイジ(日本)
中山ハルキ(日本)

<バンタム級>
堀友彦(日本)
ROY(日本)

<ライト級>
伊藤有起(日本)
藤澤優作(日本)

<バンタム級>
小林博幸(日本)
恒村俊範(日本)

<フライ級>
小林聖人(日本)
鮎田直人(日本)

<バンタム級>
咲間“不良先輩”ヒロト(日本)
阿部路人(日本)

<フライ級>
ソ・ドンス(韓国)
秋葉尉頼(日本)

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