【DEEP】北岡悟に挑戦する岡野裕城 「ウェルター級の身体でライト級で戦うことが出来る」
【写真】階級を下げて、その階級の体になっては意味はないと断言する──夏の日差しが似合う男、岡野。確かにその通りだ (C)TAKUMI NAKAMURA
20日(月・祝)に東京都大田区・大田区総合体育館で開催されるDEEP CAGE IMPACT2015でDEEPライト級王者・北岡悟に挑む岡野裕城。
ケージ化が進む国内MMAで無限ループというスタイルを構築させ、事実上ライト級の頂点に立っている北岡に対し、岡野はライト級離れした長身とロングリーチ、そして強靭なフィジカルという他の選手にはない武器を持っている。真夏の大田区決戦、「今までの選手は北岡選手のことを大きく見過ぎていた。僕は自分がやってきたことに自信を持って戦う」という思いを胸に、岡野が国内MMAライト級の頂点に挑む。
――北岡選手とのDEEPライト級選手権試合が迫ってきた岡野選手です。試合まで一週間を切りましたが、調整は順調ですか。(取材日は7月14日)
「最高に仕上がっているんで、早く試合がしたいですね」
――それだけ仕上がっている理由は何でしょう?
「何か新しいことをやっているわけではないのですが、今までの試合でもずっと自分を出し切る練習をしてきたから、特別にそれ以上を求めなくても、いつも通りにやれば、それで最高に仕上がっているという感じですね。もちろん北岡選手対策はしっかりと練っていますけど」
――今日はパラエストラ松戸での練習後に取材ですが、今の練習環境について教えてもらえますか。
「マッハ道場がメインで、週2回T-BLOOD、週1回パラエストラ松戸で練習させてもらっています。今回はマッハさんがすごく気合いが入っていて、道場ではマッハさんに追い込んでもらっています。T-BLOODでは茨城の選手たちと、松戸では70キロの強い選手たちと練習が出来て、すごくいい環境でやらせてもらっています」
――岡野選手は出身も茨城なんですか。
「はい。マッハさんの隣の中学出身で、高校まではバスケ部だったんですよ。でも格闘技はずっと好きだったし、昔から力も強かったから、いずれは格闘技をやりたいなと思っていて。それで同郷のマッハさんの存在を知って、マッハ道場に入門しました」
――バスケットボールでの成績は?
「県でベスト8くらいですかね。でももともと弱小校だったのが、僕が入ってから強くなったんですよ。スラムダンクのゴリみたいな感じで、一人だけデカくてゴツイみたいな(笑)。試合でも結構ガツガツ行くタイプで退場も多くて…同世代の別の高校のやつらからは『あそこの岡野はやばい』みたいに言われていたと思います(笑)」
――ちなみにご家族の皆さんも体格が良いのですか。
「そうですね。親父も180センチ以上あって、弟は195センチくらいあります」
――岡野選手の体格の良さは遺伝もあるんですね。そんな岡野選手は今年2月からライト級に階級を落として、ここまで2連勝です。以前よりも動きが良くなっているという実感はありますか。
「周りからはスピードとスタミナが上がっていると言われるんですけど、自分としてはライト級に“落とした”という感覚はなくて、ウェルター級のままライト級で戦っているつもりなんですよ。だからウェルター級時代と比べると相手が一回り小さくなって、力も弱くなっている。そういう部分では今までよりもやりやすくなりました」
――最初に岡野選手がライト級にするという話を聞いた時『本当に落とせるのか?』と思ったのが正直なところです。岡野選手自身はライト級に落とすことをどう捉えていましたか。
「実は3年前くらいからライト級に落とすことは考えていて、ウェルター級時代は頑張って身体を大きくしてウェルター級の体格を維持していたんです。それでマッハさんにライト級に落とそうと思うと相談したら、『ウェルター級で結果が出ている間はそのままでいいんじゃない?』と。そういう理由でウェルター級で試合を続けていたから、僕にとってはライト級の方が自然な階級なんですよね」
――なるほど。岡野選手のブログやSNSを見ていると、フィジカル的な部分への知識が深いと思うのですが、もともと身体作りが好きなのですか。
「好きですね(笑)。それも普段から節制して、がっちりやるのが好きなんですよ。ウェルター時代は2週間~10日前から『体重を落とすか!』と言って減量していたのが、今はしっかり期間を設けて計画的に体重を落としています。そうやって段々と身体が仕上がっていくのが好きです」
――川尻達也選手もデニス・シバー戦に向けて岡野選手から新しい減量方法を教わったと話していました。岡野選手は減量のための有酸素運動はほとんどやらないんですよね?
「はい。なるべく走らずに体重を落とす方法があるんで、それで減量しています。だからさっきの話に戻ると、ウェルター級の身体を維持したままライトで戦うことを意識しているから、ライト級に落として強くなったように見えるのかもしれないですね。
みんな階級を下げると、その階級の選手になっちゃうじゃないですか。それって意味がないと思うんですよね。僕の場合、ウェルター級の身体でライト級で戦うことが出来るから、アドバンテージもあって階級を落とす意味があった。ただ体重を落とせるだけとか、試合の時に弱くなってしまったら、わざわざ階級を落としてもしょうがないですからね」
■ DEEP CAGE IMPACT 2015 対戦カード
<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[王者]北岡悟(日本)
[挑戦者]岡野裕城(日本)
<DEEPウェルター級選手権試合/5分3R>
[王者]悠太(日本)
[挑戦者]中村K太郎(日本)
<ライト級/5分3R>
岸本泰昭(日本)
宮崎直人(日本)
<ミドル級/5分3R>
水野竜也(日本)
RYO(日本)
<バンタム級>
釜屋真(日本)
石司晃一(日本)
<フェザー級>
小見川道大(日本)
梅田恒介(日本)
<フライ級>
小島壮太(日本)
越智晴雄(日本)
<フライ級>
赤尾セイジ(日本)
中山ハルキ(日本)
<フライ級>
小林聖人(日本)
鮎田直人(日本)
<バンタム級>
堀友彦(日本)
ROY(日本)
<ライト級>
伊藤有起(日本)
藤澤優作(日本)
<バンタム級>
小林博幸(日本)
恒村俊範(日本)
<バンタム級>
咲間“不良先輩”ヒロト(日本)
阿部路人(日本)
<フライ級>
ソ・ドンス(韓国)
秋葉尉頼(日本)