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【HEAT35】加藤久輝、前ミドル級王者スギモトの挑戦を受け再起戦

Kato vs Sugimoto【写真】殴り合いの距離を制するのは加藤かスギモトか。あるいは、その間合いを取らずに勝てる術を身に着けているのはどちらか(C)MMAPLANET

22日(日)、愛知県名古屋市熱田区の名古屋国際会議場イベントホールで開催されるHEAT35。2005年2月6日に旗揚げ興業を行ったHEATにとって、今大会は10周年記念大会となる。07年8月の第4回大会からケージを導入し、MMA&キックの合同イベントとして、首都圏以外から格闘技界を引っ張ってきた。

HEATにとって10年の区切りとなる同大会はキック&MMA合わせて3階級のタイトル戦が組まれている。なかでも加藤久輝×エンリケ・スギモトのミドル級戦は王者対決の趣を持っており注目が集まっている。11年12月にHEAT総合ルール初代ミドル級王座に就いたスギモトは13年3月大会に出場予定も、その1カ月前に契約違反があり、ベルトを返上している。一応は返上という形こそとられているが、事実上の剥奪という処置が取られた。スギモトがHEATを一度離れた同大会で、MMAデビューを果たしたのが加藤だった。

以来、4連勝で昨年4月にスギモトがかつて巻いていたHEATミドル級王者となった加藤だが、必勝を期して臨んだ11月の第4回世界空道選手権大会で、リトアニアのロカス・カロブリスの前にまさかの2回戦敗退を喫してしまっている。全日本体力別5連覇、全日本無差別を3度制していた加藤を破ったカロブリスは、結果的に3位入賞も果たせていない選手だっただけに、周囲の落胆も大きかった。ある意味、空道で世界の頂点に立つためにMMAに挑んでいたという側面もあった加藤が、失意の時を経てどのような心構えでミドル級王座防衛戦を迎えるのか。

一方、スギモトはHEATを離れた後はロシアとスイスで戦績を積み、昨年12月に古巣に復帰。得意のギロチンで勝利し、再びベルトが賭けられた場に戻ってきた。これまで加藤のMMAでは、対戦相手がサウスポーから繰り出される左の蹴り、拳の威力の前に反撃に移ることすらままならない一方的な展開が大半を占めてきた。4試合の平均タイムが2分31秒。いわば空道のトーナメント戦=3分+延長というラッシュ形式で勝利を収めてきたともいえるだろう。もちろん、練習では5分×3R、あるいは5分×5R戦を想定しているだろうが、その領域に足を踏み入れる必要なく勝利を挙げてきた。

その点を踏まえ、今回の防衛戦ではどのような立ち上がりを加藤が見せ、スギモトが反応するかがまずは大きな見どころとなる。スギモトは決して上背は高くないが加藤がMMAで経験してきたことのない体力の持ち主であり、厳しい局面も経験し乗り越えてきた経験がある。HEAT復帰戦となった昨年12月のチョ・フン戦では、サウスポーの相手を苦も無く攻略しているが、あの試合で見せた右ミドルやヒザ蹴りという距離は、加藤が強さを最も発揮できる間合いともいえる。両者が得意としている中間距離で、より上をいく強さを見せるのは加藤かスギモトか。

一発のある者同士、加えて頭が下がった相手に対し、スギモトは強力なフロント系チョークを持っている。なるべく被弾しなく打ち勝つのか、被弾覚悟打ち勝つのか。後者の場合は、スギモトのギロチンというは大きなポイントになることも考えられる。

■HEAT35対戦カード

<HEATキックルール・ミドル級選手権試合/3分5R>
[王者]ダニロ・ザノリニ(ブラジル)
[挑戦者] ベク・マンソン(韓国)

<HEAT総合ルール・ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者] 加藤久輝(日本)
[挑戦者] エンリケ・スギモト(ブラジル)

<HEAT総合ルール・ウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者] 高木健太(日本)
[挑戦者] ネルソン・カルバロ(スイス)

<キック・65キロ契約/3分3R+Ex>
菱川晋作(日本)
Hideki(日本)

<93キロ契約/5分3R>
井上俊介(日本)
イ・ファンヒ(韓国)

<バンタム級/5分3R>
祖根寿麻(日本)
花レメ紋次郎TK(日本)

<キック・ミドル級/3分3R+Ex>
田中STRIKE雄基(日本)
剛王(日本)

<ライト級/5分3R>
宇良健吾(日本)
石川史俊(日本)

<キック・ヘビー級/3分3R+Ex>
楠ジャイロ(ブラジル)
アラン・ボドウ(フランス)

<バンタム級/5分3R>
ヒロ・ヤマニワ(ブラジル)
岡田剛史(日本)

<ライト級/5分3R>
KB(日本)
ヨシムラ・J・バティスタ(ブラジル)

<キック・58キロ契約/3分3R+Ex>
般若HASHIMOTO(日本)
良太(日本)

<フライ級/5分3R>
村元友太郎(日本)
南出剛(日本)

<バンタム級/5分3R>
優作(日本)
栗畑勇佑(日本)

<NEW AGE総合ルール・ライト級/4分2R>
小川道的(日本)
中西聡(日本)

<NEW AGEキックルール-55kg契約/2分3R>
和田隆希(日本)
カモハラーン・タカプラムック(日本)

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