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【TUF16】コーチ対決は消滅も、ネルソンへの注目は変わらず

Mitrione vs Nelson

【写真】計量時の絞れ精悍なミトリオンと、着ぶくれネルソン。MMAキャリアではミトリオンが7戦目で、ネルソンはこれが25試合目となる (C) MMAPLANET

15日(土・現地時間)にネバダ州ラスベガスのザ・ジョイント ハードロック・ホテル&カジノで開催されるThe Ultimate Fighter 16 Finale。メインイベントではロイ・ネルソンとマット・ミトリオンが対戦する。

当初、ネルソンはシェイン・カーウィンとのコーチ対決が予定されていたが、カーウィンが膝を負傷したため負傷欠場。カーウィンの代役としてミトリオンに白羽の矢が立った。

抜群のネームバリューでヘビー級の人気ファイターとして活躍するネルソンは実力も十分。全盛期を過ぎているとはいえ、ミルコ・クロコップに打ち勝った打撃の圧力、デイブ・ハーマンをマットに沈めた右ロングフックなど一発の破壊力は圧巻だ。またヘンゾ・グレイシーの黒帯でもあり、グラウンドでのディフェンス力も高い。

TUFシーズン10優勝後、オクタゴンでの戦績は7戦4勝3敗、数字的には芳しくはない。これはいきなりのトップグループ出場が要因で、敗れた相手はジュニオール・ドス・サントス、フランク・ミア、ファブリシオ・ベルドゥム。トップ戦線以下の相手からは確実に勝利を収めている。

対戦相手のミトリオンは元NFLプレイヤーで、ネルソンが制したシーズン10出身ファイターだ。不敵な笑みを浮かべ、なかなかの存在感を見せているミトリオン、デビュー後はキンボ・スライス戦を含む5連勝を収めたが、シーク・コンゴに敗れて連勝がストップした。

ネルソンとミトリオン、どちらも圧力をかけてパンチの強打につなげるスタイルで、大きく分けて同タイプに分類されるといえる。そこで両者の違いを挙げるとすれば、ネルソン=オーソドックス、ミトリオン=サウスポーという構え。フィニッシュブローという観点で考えても、ネルソンの右×ミトリオンの左という図式が成り立つ。

対オーソドックスに対してインローからの左ストレート、右手で相手の前手を押さえてからの左ストレートを得意とするミトリオン。一方のネルソンは、対サウスポー=ミルコ戦で右フックとシングルレッグ・ダイブを併用し、ダブルレッグ・ダイブをフェイントにした右ロングフック、いきなり飛び込むように打つ右ストレートを当てた。

また、対サウスポーではないが、ハーマンとの一戦などは、右ボディストレートを振って、そこから右のロングフックに繋げるコンビネーションも見せている。

一発が当たれば試合が決まってしまうヘビー級だが、パンチの打ち分けや組み立ては、意外にも太鼓腹のネルソンの完成度がミトリオンを上回り、テイクダウンとの連携という意味でもネルソンの選択肢は多い。シーズン中は「エキサイティングな試合をしろ」とはっぱを掛けるダナ・ホワイトの言葉に対し、「アイツらは選手を利用して、金儲けがしたいだけなんだ。ファイターはただ勝つことだけを目指せばいい」という自論を展開したネルソン。

シーズン終盤、恒例のコーチズ・チャレンジでは、ある意味、結果が分かりきった陸上競技にトライされ、カーウィンに全敗。最後の400メートル走は、走ることすら諦めたネルソンだが、彼の特性はトラックではなくオクタゴンにある。ミトリオンが蹴りでどれだけネルソンの攻撃を遮断できるかという視点もあるが、そこも含めてやはりネルソンを軸に、強打に繋げるまでの細かい組み立てを注目してみたい。

■TUF16 Finale 対戦カード

<ヘビー級/5分3R>
ロイ・ネルソン(米国)
マット・ミトリオン(米国)

<ライト級/5分3R>
マイク・リッチー(カナダ)
コルトン・スミス(米国)

<ヘビー級/5分3R>
パット・バリー(米国)
シェーン・デルロサリオ(米国)

<ライト級/5分3R>
メルビン・ギラード(米国)
ジェイミー・ヴァーナー(米国)

<フェザー級/5分3R>
ダスティン・ポイエー(米国)
ジョナサン・ブルッキンス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ジェイムス・ヘッド(米国)
マイク・パイル(米国)

<バンタム級/5分3R>
ジョニー・ベッドフォード(米国)
マルコ・ヴィニシウス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ルスタン・ハビロフ(ロシア)
ビンチ・ピチェル(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ニック・カトーネ(米国)
TJ・ウォルドバーガー(米国)

<バンタム級/5分3R>
ルーベン・ドゥラン(米国)
ウゴ・ヴィアナ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
マイク・リオ(米国)
ジョン・コフィー(米国)

<フライ級/5分3R>
ジャレッド・パパジアン(米国)
ティム・エリオット(米国)

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