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【Interview】ベルギーで尾崎圭司が掴んだ――手応え

Ozaki

【写真】昨年10月のロシアに続き、ヨーロッパ遠征では連敗となった尾崎。しかし敵地で外国人選手と戦うことで確かな手応えを得たと語った。

11月17日(土・現地時間)ベルギー・リエージュで開催される「LA NUIT DU KICKBOXING」にてWKN世界スーパーライト級(64.4kg)王座決定戦3分5Rに出場した尾崎圭司。

地元ベルギーのエース候補として期待されるジェシー・プティジャンと対戦し、パンチ×ローの勝負となったが、プティジャンの判定勝利という結果に終わった。対外国人選手には苦戦が続く尾崎だが、海外遠征を重ねることで、外国人選手に勝つための戦い方に手応えを掴みつつあるという。
Text by Takumi Nakamura

――今回はベルギーでの世界タイトル戦でしたが、到着するまでに少しトラブルがあったそうですね。

「オランダの空港から電車でベルギーに入る予定だったのですが、ちょうどストライキが起こって電車が止まってしまったんですよね。それで途中の駅から出られなくなってしまって、急遽、スタッフに連絡を取って車で迎えに来てもらって、現地に入ることになりました」

――海外遠征ならではのトラブルでしたね。

「でも僕はロシアとマカオで試合をしたことがあって、セコンドとして海外に行った経験も多いんですよ。だから海外で試合をすることになれば、予定通りにいかないこともあるだろうなと思って、特にそれで気持ちがぶれることはなかったです」

――なるほど。対戦相手のジェシー・プティジャンについては、どのくらい事前に情報が入っていたのですか。

「あまり情報はなかったですね。パンチのコンビネーションが上手くて、そこから蹴りにつなげる。バランスのいい選手だという印象はありました」

――試合結果が尾崎選手の判定負けだったという情報は入っているのですが、具体的にはどんな試合展開だったのでしょうか。

「大まかに言うと向こうがパンチで、僕が蹴りという我慢比べのような試合でした。それで最後ラウンドはかなりローが効いていて、プティジャンも足もひきずっていたんですけど、倒せなくて。それで自分の判定負けになりました。場内のアナウンスがすべてフランス語だったので、細かいポイントは分からなかったです」

――昨年10月のロシア遠征に続いて、判定負けという悔しい結果に終わりました。

「応援してくださったみなさんに結果を残せなかったことは悔しいです。でも自分の中で得るものはあったし、ベルギーのお客さんはベルギー人であっても、日本人であっても、いい動きをすれば関係なく声援を送ってくれるんですよ。日本とも少し違う雰囲気で。またヨーロッパで試合をしたいという気持ちにもなりましたね」

――会場の盛り上がりは尾崎選手も感じていましたか。

「自分では気付かなかったのですが、かなり沸いていたみたいです。試合が終わった後の反応も良くて『いいファイターだね!』と声をかけてもらえたり、ちょっとこっちが驚くくらい、いい評価をしてもらえました」

――尾崎選手の話を聞く限り、今回の敗戦はあまりネガティブにはとらえていないようですね。

「もちろん試合に負けたこと、ベルトが獲れなかったことは悔しいです。でも試合で得るものもあったので、次につながる試合だったと思います」

――昨年8月にトーマス・アダマンドポウロスに敗れて以降、尾崎選手は海外遠征も含めて国際戦を意識して戦ってきました。尾崎選手の中で外国人選手に勝つための戦い方は出来上がりつつありますか。

「はい。外国人選手にはこうやって戦えばいいんだなということが明確に見えて来ました。今後もタイトルマッチではなくても、海外で試合をするチャンスがあればどんどんやって、対外国人選手の戦い方を覚えたい。それで最終的には世界タイトルを獲りたいという気持ちです」

――その中でも「頭を使って戦う」ことをテーマに掲げていましたが、その手応えはいかがでしょう。

「それは確実にありますね。特に今回の試合でその手応えを掴みました。『あっ!こういうことか!』っていう。そういう発見や閃きがあったので、次の試合が楽しみです」

――尾崎選手は積極的に海外の試合にチャレンジしていますが、そこで得られるものは大きいですか。

「海外で外国人選手と戦うことで、日本では出来ない経験を積めていると思います。やっぱり僕は世界タイトルが目標なので、外国人選手に勝つための戦い方を覚えたいし、海外で試合をすることで現地の格闘技事情を知ることも出来るんですよね。ヨーロッパでは格闘技が盛んで大会も多いので、これから強い選手たちも出てくると思います。

下手すると国内でしか試合をしていない選手はヨーロッパでは勝てなくなるかもしれない。そういう意味でも僕はいい経験を積んでいると思うので、またヨーロッパで試合がしたいです」

――では来年も国内でKrushを主戦場にしつつ、海外に打って出ることになりそうですね。

「はい。日本ではKrushで戦いたいですし、海外ではKrush代表として戦っているつもりです。色んな形でKrushを盛り上げたいと思います」

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