【RFC10】ロードFC史に残る名勝負、ナム・ウィチョルに凱歌挙がる
【写真】戦い終ってノーサイド。正座をして健闘を称えあったナム・ウィチョルとヴィシール・コロッサに大きな声援が送られた (C) MMAPLANET
<ライト級T準決勝/5分3R>
ナム・ウィチョル(韓国)
Def.2-1
ヴィシール・コロッサ(南アフリカ)
手を合わせず背中を向けてコーナーに下がったナム・ウィチョルは試合開始早々、右ストレートから連打を振るって前進する。コロッサはここで左を当ててからテイクダウンへ、意外な形で戦いはスタートを切った。クローズドガードのナム・ウィチョルに、コロッサは頭を胸につけながらも、鋭いボディから顔面にパンチを落とす。
コロッサは腕十字を察知して立ち上がる。スタンドに戻ると同時にパンチを振るうナム・ウィチョルだが、頭が下がっており逆にコロッサの右から左を被弾してしまう。直度のヒザにテイクダウンを仕掛けたナム・ウィチョル、コロッサは尻もちをつくもすぐに立ち上がると左から前蹴り、距離を取って首相撲へ。ナム・ウィチョルは右を打ち込み、コロッサがバランスを崩す。
立ち上がったコロッサに対し、果敢に殴り合いを挑んだナム・ウィチョルだったが、ここで左ヒザが急所に入ったとアピールし試合が中断する。ボディ気味のヒザだったが、インターバルで十分に時間を置いたナム・ウィチョルは、目を突かれたともアピール。再開後、強烈な右ローを放つコロッサは、ナム・ウィチョルのテイクダウン狙いを切っていく。
【写真】強烈なコロッサの打撃にも、距離を詰めてテイクダウンを狙い続けたナム・ウィチョル。コロッサのテイクダウン防御もかなり成長していた――結果、緊張感溢れる攻防となった (C) MMAPLANET
ナム・ウィチョルのローに右を合わせよとするコロッサは、リーチが長い。迂闊に前に出られなくなったナム・ウィチョルが、ジリジリとケージに下がっていく。サイドの関節蹴りを見せたコロッサは、距離を取り直しワンツーから前蹴り。ここで初回が終了した。
2R、ナム・ウィチョルはワンツーを放つが、やはり顔が下がってしまっている。パンチを被弾しながらも、左から右とパンチを見せるナム・ウィチョルは、シングルレッグでテイクダウンへ。すぐに立ち上がったコロッサは左ジャブから左前蹴りで距離を取る。ケージ際まで自ら下がったナム・ウィチョルは、再びシングルへ。コロッサはスプロールし首相撲からヒザを狙った。
左ジャブを伸ばすコロッサに対し、右フックを決めたナム・ウィチョルがシングルレッグから、バックを取ろうと懸命に組みつく。右手を差しだすコロッサだが、両膝をついて両足のフックを許してしまう。そのままグラウンドへ移行し、リアネイキドチョークの態勢に入るナム・ウィチョル。コロッサは左手をはがして、しっかりとアゴをひいてディフェンスに徹する。
ナム・ウィチョルはマウントへ移行するも、コロッサは腰を両腕で押してディフェンス。両手を伸ばしたコロッサに対し、ナム・ウィチョルがパウンドから肩固めへ。残り50秒、時間は十分に残っていたが、途中から極めよりもポジション・キープのような形に切り替え、2Rをナム・ウィチョルが取り返した。
最終回、左ジャブから右を伸ばすコロッサ、続くローにテイクダウンを合せたナム・ウィチョルが再びバックへ。胸を合せようとしたコロッサは、ここでテイクダウンを許す。ハーフからクローズドに戻したコロッサだが、細かいパウンドを受け続け、立ち上がることができない。上体を起こしたナム・ウィチョルにコロッサは蹴り上げを見せるも、足を払ったナム・ウィチョルがパス。起き上がろうとしたコロッサのバックに再び回り込む。コロッサも体をロールし、しっかりと腰をコントロールしながらトップを奪い返す。
パウンドを落とすコロッサは、ナム・ウィチョルが立ち上がるのに抵抗せず、試合はスタンドの打撃戦へ。左から右、さらに左を伸ばしたコロッサ。一瞬、動きが止まったナム・ウィチョルだが、ここでテイクダウンに成功する。残り10秒を切ってサイドを奪ったナム・ウィチョルが、タイムアップと同時にケージによじ登り、勝利をアピールした。
結果、判定をモノにしたのはナム・ウィチョル。コロッサを返り討ちにしたが、前回の対戦とは違い非常にタフで、経験値が高まるファイトとなった。