【Pancrase 264】ジョン・ジョーンズと同じ身長のフェザー級選手=チョープに稲葉はどう挑む??
【写真】純粋にこの一戦、そしてパンクラス・フェザー級戦線を占ううえで非常に楽しみな稲葉×チョープ (C)TAKUMI NAKAMURA & MMAPLANET
2月1日(日)、東京都江東区のディファ有明で開催されるPancrase264。今大会ではフェザー級キング・オブ・パンクラスタイトルマッチとして王者タクミ×挑戦者ナム・ファンの一戦が組まれているなか、同じフェザー級のウィル“ザ キル”チョープ×稲葉聡も見逃せない一戦だ。
2013年10月にPXCで現パンクラス王者タクミにTKO勝ちしているチョープ。この時の勝利で連勝記録を14に伸ばし、翌年1月のUFCシンガポール大会にも参戦を果たした。UFCではマックス・ホロウェイにTKO負けしたものの、好勝負を展開し第2戦=ディエゴ・ブランダォン戦も決まっていた。しかし、前妻との間で起きたDVが原因で米国空軍を退役させられた過去が明るみとなり、わずか一戦でリリースの憂き目にあってしまった。後にこのDVに関しては、元妻と共に報道された内要が誇張されていたと動画を作成し抗ったものの、UFCの決定を覆すことはならなかった。
失意のチョープは台湾のプロFCで韓国人ファイター=ムン・ギボムにも敗れたが、その後はシンガポールのレベルFCやマレーシアの大会で連勝を飾っている。MMA戦績が28戦21勝(13の一本勝ち)7敗ということも考えれば、日本人選手にとって大きな壁になりうる強豪だ。
チョープの最大の特徴はフェザー級では規格外の194㎝という長身とリーチに尽きる。ジョン・ジョーンズとほぼ同じ上背から、その手足の長さを生かしたジャブ&前蹴りでプレッシャーをかけ、そこから打ち下ろすような強打と、ヒザ蹴りにつなげ、相手のタックルをスプロール→トップキープするというのが勝利の方程式だ。フィニッシュとしては一本勝ちの多さが目立つが、打撃のプレッシャー&トップキープでペースを掴んだ末にサブミッションでタップを奪うという戦い方で強さを発揮すると見ていい。
もちろん手足の長さはグラウンド、特にガードワークでも効果を発揮する。純粋なレスリング・スクランブルの攻防が強いタイプではないが、フロント系チョークを得意にし、そこからトップを奪うスキルは高く、ガードポジションからの三角絞めやアームロックの仕掛けの早さも侮れない。
そのチョープに挑む稲葉は2010年に修斗でプロデビューし、2013年からパンクラスに参戦。ここまで6勝1敗と高い勝率を誇り、昨年11月の大会ではDEEP・ROAD FCで活躍する梅田恒介から勝利をもぎ取っている。稲葉もパンチ&タックルで前に出ていくプレッシャー型で、それをベースに試合展開に合わせてテイクダウンを取りに行くというスタイルだ。
遠い間合いから打撃を当てて前に出ている時は抜群に強いものの、距離を潰されて自分が下がる展開になると脆さを見せるチョープ。ホロウェイ戦ではホロウェイにパンチの打ち終わりを狙われ、ケージに下がったところでボディを効かされてKO負けを喫した。
また最終的にTKO勝ちしたタクミ戦でも、2Rにはタクミにケージに詰められ、パンチの連打であわやという場面にも追い込まれている。
稲葉も同様に先に前に出ながら、チョープがリーチを生かせない距離でパンチを打ち込み、チョープが下がる時間を長くしたい。そこから首系サブミッションを警戒しつつ、テイクダウンしてトップキープからパウンド・ヒジで削る作業を繰り返すことが出来れば勝機が出てくるだろう。
どこで勝負が決するかは試合展開によるが、スタンドの攻防で前に出た方が試合の流れを掴むのは明白。チョープはリーチを、稲葉はパンチとテイクダウンのコンビネーションをどう活かすかがポイントになるはずだ。
今大会ではタクミ×ナム・ファンのタイトルマッチ以外にガイ・デルモ×田村彰敏が組まれ、3月15日(日)のPancrase265でアンディ・メイン×ハルク大城、4月26日(日)のPancrase266で階級転向のISAO×マルロン・サンドロと注目カードが続々と決定しているフェザー級。当然、チョープ×稲葉の試合も次期挑戦者を選出するうえで重要な試合になるだけに、他のフェザー級戦との比較という部分も注目される一戦だ。
■ Pancrase264対戦カード
<ウェルター級/3分3R>
マンモス谷部(日本)
川和真(日本)
<ライト級/3分3R>
林源平(日本)
小林裕(日本)
<フェザー級/3分3R>
近藤孝太(日本)
河村康博(日本)
<バンタム級/3分3R>
合島大樹(日本)
井関遼(日本)
<KOPフェザー級選手権試合/5分3R>
タクミ(日本)
ナム・ファン(米国)
<フェザー級 5分3R>
稲葉聡(日本)
ウィル・チョープ(米国)
<フェザー級 5分3R>
ガイ・デルモ(米国)
田村彰敏(日本)
<バンタム級/3分3R>
才賀紀左衛門(日本)
亮AKB(日本)
<ライトフライ級(-52.2kg)王者決定T/5分3R>
阿部博之(日本)
江泉卓哉(日本)
<ライトフライ級(-52.2kg)王者決定T/5分3R>
宇都木正和(日本)
松永義弘(日本)
<フライ級/3分3R>
下川雄生(日本)
神部建斗(日本)
<バンタム級/3分3R>
齊藤曜(日本)
コンボイ升水(日本)
<バンタム級/3分3R>
なおKING(日本)
藤井伸樹(日本)
<ライト級/3分3R>
長岡弘樹(日本)
網潤太郎(日本)
<ミドル級/3分3R>
一慶(日本)
KEI山宮(日本)
<スーパーフライ級/3分3R>
清水俊一(日本)
小宮稔大(日本)
<フェザー級/3分3R>
ユータ&ロック(日本)
中原由貴(日本)
<スーパーフライ級/3分3R>
カツオ(日本)
仙三(日本)