【RFA22】体重超過のンジョグアニが、スミスに快勝もタイトルは空位のまま
<RFAウェルター級王座決定戦/5分5R>
チディ・ンジョグアニ(米国)
Def.3-0:49-46,49-46,49-46
ギルバート・スミス(米国)
RFAウェルター級王座決定戦として行われる予定だった一戦は、ンジョグアニが4・6ポンド・オーバーで、勝っても王座に就けないという変則チャンピオンシップに。デンバーのファンは入場時からンジョグアニにブーイングを送る。セミ出場のディックマンといい、セルジオ・ペーニャ門下のファイターが揃って計量に失敗したのはいただけない。
試合はンジョグアニの右ストレートでスタート。フックを振り回すスミスだが、距離が合っていない。ンジョグアニがサウスポーからオーソに構えを変える。スミスはシングルレッグで組みつこうとすると、顔面にヒザを受ける。そのままンジョグアニをケージに押し込んだスミスは、背中や肩にエルボーを被弾する。姿勢を乱しながら、ケージを利して倒れないよう奮闘していたンジョグアニだが、リフトされマットに背中からマットに落とされた。
ンジョグアニはそのままクローズドで試合を固める。スミスが起き上がった瞬間に足を解いて立ち上がる。一瞬距離を取ったスミスは、そのまま飛び込んで2度目のテイクダウンに成功。抑え込まれたンジョグアニが起き上がったところで、初回が終了となった。
2R、ンジョグアニが右ローを伸ばし、続いて右前蹴りでスミスを突き放す。さらに左ミドルを見せたンジョグアニは、スミスのテイクダウン狙いにケージの周囲を走って回避する。スイッチを引き続く繰り返すンジョグアニが、オーソで右ロー。サウスポーから右ジャブをスミスに入れる。このジャブで姿勢を乱したスミスは、テイクダウンを狙うも距離が遠く2度、3度と失敗を重ねる。なかなか近づけないスミスだが、右を振るいながら低く沈み込んで、ンジョグアニに組み付く。そのままンジョグアニをケージに押し込み、中央を向きなおしてもテイクダウンを取れなかったスミス。パンチも大振りになり当たらない。2Rはンジョグアニのモノとなった。
3R、ンジョグアニは前蹴りから、スミスの前進をサークリングでかわす。ここでも遠い距離から足にしがみ付くようにスミスはテイクダウンを狙うが、ンジョグアニはそのたびにスプロールする。ならばとケージに押し込むみ、ボディロック、ダブルと懸命にテイクダウンを仕掛けるが、ンジョグアニを転がすことができない。深く頭を下げる展開に続き、スミスのスタミナを失っていく。残り90秒で、ついにレフェリーがブレイクを命じ、試合はケージ中央で再開する。ンジョグアニの右ジャブを受けながら、組み付きにいくスミスだが、全く目標を捉えることができず前方にバランスを崩す。何も攻撃を受けなかったという部分で、この回もンジョグアニのラウンドとなった。
4R、スミスが右フックを繰り出しながら組みに行くが、これもンジョグアニは読んでおり、問題なく防御する。ンジョグアニは左ローでスミスの前足を削っていく。続くローでバランスを崩し、尻餅をついたスミスに対しンジョグアニがグラウンド戦を選択。左ワキを差されながらエルボーを落としていく。懸命に足を取り続け、ついに上下を入れ替えたスミス。ジョグアニがすくに立ち上がると、スミスは足にしがみ付くようにケージにンジョグアニを押し込む。ここから展開を作れないスミスに対し、またもレフェリーがブレイクを命じる。ンジョグアニがテイクダウン防護有りきの戦いで、スミスを削っていった。
最終回、ンジョグアニが右ミドルを入れ、左ローに続ける。前蹴りに遮断され前に出られないスミスは、踏み込んでもケージ際を移動され組みに持ち込むことができない。ンジョグアニの飛びヒザは届かなかったが、直後に足払いでテイクダウンを奪う。下になったスミスはハーフから左腕を差して、立ち上がろうとトライしたところで固まり、左エルボーを側頭部に連続で被弾する。
立ち上がることができないスミスだが、つい正対してシングルへ。ンジョグアニが切って距離を取り直す。すぐに立ち上がることができないほど、疲弊したスミス。座った状態でボディに蹴りを受けると、ガードを取りジョグアニのエルボー&鉄槌を連打で受ける。残り1分、フィニッシュを狙うンジョグアニは引き続き左のパンチを落とし、腰に手を回しスミスを立たせない。ンジョグアニは立ち上がって、右足にしがみつくスミスにパンチを連打し、最後はスタンドでの飛びヒザでラウンドをまとめた。
初回こそ2度テイクダウンを奪ったスミスは、2R以降は組み付くのが精いっぱいでンジョグアニを切り崩すことができず。結果、ジャッジ3者とも49-46を付ける大差でスミスは敗れ、タイトルは空位のままとなった。