この星の格闘技を追いかける

【on this day in】11月20日──2014年

11 20 04【写真】ゴツゴツとしたフック系のパンチに、回転系の蹴り技が武器だったラミュナス・コマス。そのパンチを受けるシーンもあった弘中が、綺麗な右ハイキックを入れた(C)MMAPLANET

Bushido MMA 5th Anniversary
@リトアニア・ヴィリニュス、シーメンス・アリーナ
「一時期、日本の格闘技界に対しガラパゴスという表現をされたことがあったが、ガラパゴス諸島の動物たちは、外の世界を目指さない。格闘技は違う。力のあるファイターは国内に留まらず、海外へ挑戦する。独自進化では勝てないから、他の世界の進化に追いつこうとする。それが自然の流れだった。今から10年前、リトアニアのブシドーMMAではZSTルールと修斗ルール、そしてパウンド有りのZST特別ルールを併用した5周年記念大会を開催した。第3試合、弘中邦佳が出場し修斗公式戦でラミュナス・コマスと戦った。ワセリンでテカテカのコマスが寝技で苦戦していると、1Rはセコンド陣の計測より、30秒も早く終了した。2R、パウンドを連打されたコマスを見て、レフェリーが両者の間に割って入る。弘中の勝利かと思われたが、なんとカウントを取り始めた。立ち上がったコマスは、再びマットに背をつけ試合は再開された……。いくら他の国で機能しているフォーマットを持ち込んでも、それを使うのは人間だ。体で覚えることや頭で理解することも大切だろう。ただし、過去も未来も、今を通してしか見ることはできない。あの審判たちは過去の実績に拘り、未来に食いつなごうとしていた。目の前の変化を消化せずに。覚悟を決めて、現実を見つめることは大変だ。チャレンジと表現して良いはずだ。10日後に控えたアンディ・サワー戦、弘中はどんなチャレンジをするのだろうか」

on this day in──記者生活20年を終えようという当サイト主管・髙島学がいわゆる、今日、何が起こったのか的に過去を振り返るコラム。自ら足を運んだ取材、アンカーとして執筆したレポートから思い出のワンシーンを抜粋してお届けします。

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