【写真】マヌーフはほぼ、右の蹴りが使えないと判断していいだろう。結果、右ローのないパンチだけの彼は、寝技を磨いてきたというところか(C)MMAPLANET

＜ミドル級／5分3R＞
メルヴィン・マヌーフ（オランダ）
Def.2-1
キム・ジェヨン（韓国）

「キム・ジェヨン」コールが叫ばれる館内で、静かなスタートを切った一戦は、左フックを放ったマヌーフからキム・ジェヨンがテイクダウンを奪う。ハーフガードのマヌーフは潜りパスを狙うなど、寝技にトライする。腹這いになって立ちあがり、ヒザを狙ったマヌーフをもう一度倒したキム・ジェヨンは、再び潜りを狙うマヌーフの顔面にパンチを落していく。

状態を起こしたところで潰されるマヌーフ、ひっくり返すことに拘らず、立ち上がる方向にいえばスタンドに戻れそうだが、潜り続けパンチを被弾していく。最終的にはアームロックを狙う両手をキム・ジェヨンを押し上げるように押し返し、マヌーフはブリッジをしながら立ち上がった。直後に左フックでキム・ジェヨンのバランスを崩したマヌーフ。キム・ジェヨンは下がらず前に出ていき、タイムアップに。初回はキム・ジェヨンが取った。

2R開始早々にテイクダウンを狙ったキム・ジェヨンだが、これはマヌーフがディフェンスする。インターバル中に水を頭からかぶったマヌーフのボディをレフェリーはもっと丁寧に拭く必要があっただろう。テイクダウンを取れなくても、打撃戦で左ミドルを入れたキム・ジェヨンが、ここでも健闘を見せる。マヌーフは右スネに巻いたテーピングが赤く染まりだす。4月のOFC、中西良行戦で開いたスネは元に戻っていないようだ。

蹴りを極力なくし、パンチで攻勢に出たマヌーフに対し、キム・ジェヨンはテイクダウンを仕掛けるが引き込んでしまう。立ち上がり際に顔面にヒザを受けて、後方に再び倒れ込んだキム・ジェヨンをマヌーフが抑え込んでいく。パス狙いのマヌーフ、えびから立ち上がろうとしたキム・ジェヨンの顔面に再びヒザを入れ、パンチへ。

キム・ジェヨンは左フックを返して粘りを見せると、マヌーフは左の連打をいれるも、体の軸が乱れる場面も。最後も組みついたキム・ジェヨンだが、このラウンドはテイクダウンを奪えずマヌーフが取り返した。

最終回、このラウンドを取った者が勝者となるためか、体力の消耗からか両者の手数がグっと減り、最初の1分はお見合いが続いた。キム・ジェヨンの右ハイをブロックしたマヌーフ、2分を過ぎても自ら攻めることはなく、カウンターを狙う。踏み込んでワンツーを放ったキム・ジェヨン、ヒットはしないが前に出る姿勢を見せ、さらにパンチからハイを繰り出す。

マヌーフはジャブを伸ばすが、近距離戦は避けて左ローを繰り出す。マヌーフは左を見せるが、自らバランスを崩す。そこに左を狙うキム・ジェヨンだが、彼もまた手数が少ない。残り35秒、互いに左フックを打ち込むが、連打にはつながらない。声をあげて左を振るうマヌーフに対し、キム・ジェヨンも左を返すと、右アッパーからさらに左フックを見舞う。

残り10秒、巻マヌーフの左ミドルに続き、左ミドルを蹴り込んだキム・ジェヨンは、マヌーフがジャンピングハイを空振りし着地したところで右フックをヒットさせる。最後はマヌーフのジャンピング左ハイを掴み、テイクダウンに成功したキム・ジェヨン。大健闘どころから、金星も十分にあり得たが、ジャッジは2人が支持したマヌーフがスプリット判定勝ちを手にした。

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