【UFN56】母国でフィジカルモンスター=OSPを迎えうつショーグン
【写真】これまで母国でのUFC戦績は1勝1敗のショーグン、果たして今回の試合は……(C)MMAPLANET
8 日(土・現地時間)、ブラジルのミナスジェライス州ウベルランジアのジナーシオ・ムニシパル・タンクレド・ネヴェスでUFC Fight Night 56「Shogun vs St. Preux」が開催される。このところ、頻繁になった大陸間を越えた同日開催だが、今回は豪州とブラジルという2国で行われ、シドニー大会が米国時間に合わせたこともあり、ほぼ1日違いのイベントとなる。
そしてウベルランジア大会では当初、メインでマウリシオ・ショーグンとジミー・マヌワが対戦予定だったが、マヌワの負傷によりOPSことオヴァンス・サンプレーが代役出場をすることとなった。昨年12月にジェイムス・テフナを豪快なKOで下し、トップ戦線再浮上の兆しも見えたショーグンだったが、3月にダン・ヘンダーソンに壮絶なTKO負け、返り討ちを喫してしまった。約7ヵ月ぶりの実戦復帰を前に、9月には日本を訪れイベント・アピールもこなしたショーグンは、先ごろ来年4月から中継開始のTUFブラジル・シーズン04のコーチ役就任が決まったことも明らかになっている。4年目を迎えた母国のTUFでアンデウソン・シウバとの共演決定に、精神的にもかなり充実していることが予想される。
対するOSPは前回の試合でライアン・ベイダーのテイクダウン+グライディングの前にUFCデビューからの連勝が4でストップ。PRIDE時代からこのスポーツをリードしてきたショーグンを相手にキャリアの再構築、その一歩を踏み出す。フィジカルの強さが最大の武器のOSPは、技術的にいえばどこに長所があるのか分かりづらいファイターだ。一応は何でもこなす、そして壺にはまれば押し切れる力を持っている。ただし、StrikeforceとUFCという最高峰でのフィニッシュは3度、スタンドの打撃、パウンド、そしてバンフルーチョークだ。
直近のベイダー戦のようにフィジカル&瞬発力で上を行く相手には、攻撃がことごとく封じ込まれた感もある。ショーグンにはベイダーのようなレスリング・ベースの体力はない。ただし、ライトヘビー級にあって、実のところショーグンは相当に器用な部類に入る選手だ。今のUFCの戦い方においては、それほど目立つことはなくなってしまったが柔術が強い。パウンドを落としながらのパスもそうだが、バタフライ系、そして潜りなどガードワークが絶妙だ。歴戦の猛者の代表、相当に打たれ弱くなってしまったショーグンが、ここまで戦い続けてこられたのもガードワークにより間を取れる、あるいはスタンドに戻れる術を持っていたからだ。
フィジカルモンスターのOSPに対し、ショーグンは母国でのファイトということもあり、よりアグレッシブに戦うに違いない。そうなると、一発を貰うリスクも高くなってくる。そこで前時代のMMAを知るショーグンならではの妙技、ガードワークが必要になってくるに違いない。そんなライトヘビー級のメインに対し、フライ級のセミ=イアン・マッコール×ジョン・リネケルも楽しみな顔合わせだ。世界王者デメトリウス・ジョンソンが上位陣をことごとく倒しており、未対決はリネケルぐらいしか残っていない。
つまりリネケルが勝利すれば、タイトル挑戦権を手にする公算が高い一戦──。ハードパンチャーで鳴らすリネケルは体重超過の常連でUFC戦績7試合中3試合がキャッチウェイトになっており、タイトル挑戦権獲得への一里塚、リネケルには試合前日の計量も一つの勝負どころだ。
今大会でUFCデビューを迎えるトーマス・アルメイダ、23歳で16連勝中の彼のようなファイターを次から次へと世に送り出すブラジルMMA界を引っ張って来たショーグン。ベテランと次世代ファイター達の共演が見られる当大会の模様は、FOXスポーツ&エンターテイメントで9日(日)午後12時30分からライブ中継される。
■ UFN56対戦カード
<ライトヘビー級/5分5R>
マウリシオ・ショーグン(ブラジル/9位)
オヴァンス・サンプレー(ハイチ/10位)
<フライ級/5分3R>
イアン・マッコール(米国/3位)
ジョン・リネケル(ブラジル/6位)
<ウェルター級/5分3R>
ワルリー・アウベス(ブラジル)
アラン・ジョバーン(米国)
<ウェルター級/5分3R>
クラウディオ・エンリケ・ダ・シウバ(ブラジル)
レオン・エドワーズ(英国)
<女子ストロー級/5分3R>
ジュリアナ・リマ(ブラジル)
ニーナ・アンサロフ(米国)
<フェザー級/5分3R>
ディエゴ・リヴァス(チリ)
ロドルフォ・ルービョ(メキシコ)
<ミドル級/5分3R>
カイオ・マガリャエス(ブラジル)
トレバー・スミス(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ディエゴ・リマ(ブラジル)
パヴェウ・パブラック(ポーランド)
<ライト級/5分3R>
レアンドロ・シウバ(ブラジル)
チャーリー・ブレネマン(米国)
<バンタム級/5分3R>
トーマス・アルメイダ(ブラジル)
ティム・ゴーマン(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ヴァグネル・シウバ(ブラジル)
コルビー・コビントン(米国)