【Bellator130】変則スタンドだけじゃない。寝技でも強さ見せ、ニュートンが2度目の王座防衛
<Bellator世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
エマニュエル・ニュートン(米国)
Def.5R0分47秒by RNC
リントン・ヴァッセル(英国)
左ローから右を伸ばすニュートンはスイッチして右の後回し蹴りを見せる。序盤から小刻みに構えを変えるニュートンに対し、ヴァッセルは距離を測りかねているようだ。右ストレートから後ろ回し蹴りと、相変わらず変則的な戦法のチャンピオンはローを受けた勢いで一回転して、後回し蹴りに。ニュートンのスピニングバックフィストを避けたヴァッセルだが、左ミドルを受ける。続く接近戦でテイクダウンを奪ったニュートン、ヴァッセルがすぐに立ち上がってケージに押し込む。ダブルレッグに尻餅をついたニュートンは、そのままマウントを奪われる。
ニュートンのブリッジにバックを制したヴァッセルは、RNCを仕掛けつつ四の字フックへ。残り90秒、胸を合せてスクランブルを制したかに思われたニュートンだが、ヴァッセルはキムラロックからフリップしてトップへ。ニュートンもスクランブルに持ち込み、ギロチンを狙うもすっぽ抜けてガードを取る。ヴァッセルはニアマウントからエルボー、ここでもブリッジに合せてバックマウントへ。マウントへ移行したヴァッセル、体を捩じったニュートンが股間から体を抜け、バックへ。ここで初回が終了した。
2R、右ローに組みついた王者がリフトアップも、着地した挑戦者ががぶってバックを伺う。ここをすかしたニュートンがトップへ、ヴァッセルはキムラからスイープ、マウントを取りそのまま腕を極めにかかる。技を解いたヴァッセルがマウントをキープしようとしたが、ニュートンは初回同様、体を捩じって股間をすり抜ける。逆にバックを制しようとしたニュートンの足を大きく払ったヴァッセルがリバーサルに成功しサイドへ。ヴァッセルはヒジを顔面とワキに落して、暴れるニュートンからマウント。さらにバックマウントへ移行すると、左のパンチを入れる。残り1分でRNCの態勢に入ると、ニュートンは苦しげな表情を浮かべつつも、自ら腹這いになり防御。マウントに移行してきたところで、ニュートンがまたもすり抜けを見せクォーターに回り、パンチを入れてこのラウンドを戦い切った。
3R、後回し蹴りを見せた王者は、左ローで急所を蹴り上げてしまう。インターバルを経て、試合が再開すると、構えを変える王者が右オーバーハンドからシングルで組みつき、バックに回り込む。そのまま持ち上げてグランドへ移行すると、ニュートンは後方からパンチを入れる。ヴァッセルはガードを取りながらキムラクラッチへ。ニュートンはハーフを逃れバックへ、ガードに戻したヴァッセルはシザーススイープを決める。サイドを取ったヴァッセルが、ニュートンの反応に合せ、がぶりから立ち上がってボディにヒザを入れる。腰をコントロールしたニュートンのテイクダウン狙いに体重を乗せたヴァッセルが、逆にテイクダウンからマウントへ。右のエルボーを落とし、ラウンドを締めた。
4R、ニュートンはシングルレッグから即テイクダウン。ハーフからエルボーで削っていく。体を起こした右の重いパンチを落したニュートンが、トップをキープし細かいエルボーを落す。動きを止められたヴァッセルは、背中をべったりとマットにつけた展開が続く。ヴァッセルは残り90秒でクローズドガードに戻したが、これまでのようにガードからのトライがないまま、防御一辺倒に。最後は亀の態勢になったヴァッセルに王者が鉄槌を落とし、明確にラウンドを取った。
最終回、ヴァッセルは前のラウンドで体力を温存したのか、それともスタミナが切れてしまったのか、ラウンドの入り方が気になるところだ。と、ヴァッセルは即テイクダウンを狙うも、ニュートンに切られ引き込んでバタフライガードへ。ヴァッセルはヒザをついて足を取りに行くが、体が伸びて逆にバックを許してしまう。そのままRNCの態勢にニュートンが入ると、ヴァッセルは敢え無くタップ。スタンドでの奇抜なスタイルが注目されていた王者は、チャレンジャーの得意とする寝技での対応力&防御能力の高さ、そして無類のスタミナを持つことを世にアピールする一本勝ち、2度目の王座防衛となった。ニュートンは2014年サマーシーズン・ライトヘビー級ウィナーのリアム・マクゲリーの挑戦を受けることが既に決まっている。