【OFC18】逆転勝利、岡嵜康悦 「勝負時やと思って殴り続けた」
【写真】勝利の瞬間、ケージに駆け上がり雄叫びを挙げた岡嵜 (C)MMAPLANET
11日(金・現地時間)に台湾・タイペイのTNUスポーツアリーナで開催されたOFC18「Way of Dragons」でユーサップ・サーデュラエフをTKOで破った岡嵜康悦。
元修斗世界フェザー級(※60キロ)王者は、OFCバンタム級戦線で2勝1敗と勝ち越すこととなった。序盤は苦しい展開が続いた岡嵜だったが、2Rに入っての逆転勝利をセコンドを務めた中蔵隆志とともに振り返ってくれた。
――逆転勝利おめでとうございます。
「ありがとうございます」
――1R、ヒヤヒヤした場面もありましたが、岡嵜選手的にはどのような気持ちで戦っていたのでしょうか。
「最初、2発目ぐらいを被弾した時に鼻血が出てしまって、印象悪いなと感じつつ下になったんですよね。そこから仕掛けようとしたら、思った以上に腰が重くて。仕掛けも失敗して中途半端な態勢で殴られました。1Rは反省しないといけない試合展開でした」
――実戦なので理想論通りに戦えるわけではないのですが、足を使って出入りのある打撃戦を心掛けるという当初の予定とは違う展開になりました。
「ハイ。固すぎました(苦笑)。セコンドの中蔵(隆志※BLOWS代表)さんには軽く当てていけって言われていたんですけど……。でも、ホンマに固かったですね。入り過ぎて、テイクダウンを合わされたり、行かなくて良いところで距離を詰め過ぎました。最初に貰ったんで、こっちも当てないといけないって思ってしまったんでしょうね」
――それでも1Rの終盤からは、盛り返す兆しがあったように感じました。
中蔵 いやいやいや、1Rの後半はコイツ、完全に流していました。2、3Rで勝負掛けるつもりで。肩固めも皆、『危なかった』、『危なかった』って言うけど、アレも俺から見たら受け流していましたよ。
【写真】肩固めも余裕を持って対処していたという(C)MMAPLANET
――エッ、そうだったのですか?
「肩固めは完全には入っていなかったです。隙間がある時に脱出もできたし、向こうも狙って仕掛けてきたのではなくて、臨機応変に動いてきた技だったので余裕があったというか。逃げることはできましたね」
――では中蔵さんが言われているように、1Rはポイント的に失っても、2Rからの反撃に向けて力を温存していたと。
「次のことは考えながらは戦っていました。ラスト2分ちょっとぐらいの時に、『これは次のラウンドに行くな』って思ったので。だから力とかスタミナをセーブしようというのもありましたし、ガードから攻めようと思っていたのにサーデュラエフが頑丈だったこともあります」
――潜りにいっても、サーデュラエフが対応をしていましたね。
「ハイ、潜れなかった代わりに、立つことが出来ました。そこは逆の方に功を奏して良かったです」
――攻勢に転じた2R、どれぐらいから行けるという手応えが掴めましたか。
「上を取った時ですねぇ。どうやって上を取ったのか、あんまり覚えていないのですが……」
――一度は下にされたのですが、左腕を差して起き上がり、そのままボディロックでサーデュラエフを倒して上になりました。
「2Rも最初は低く組みつかれて倒されたんですよね」
中蔵 サーデュラエフって、あんな低いテイクダウンありましたっけ?
――試合前の岡嵜選手のコメントにあったように、河津掛けの印象が強かったです。
「アドリアーノ・モライシュ戦で一回、使っていただけなんです。今回はかなり使ってきましたね」
――上を取ってからシザースと横三角の応酬などが途中にありましたが、トップ、バックを取り切ると勢いのあるパウンドをどんどん落すようになりました。
「インサイドからのパウンドは、これは入るって思いました。手応えもありました。向こうも嫌な顔をしていたので。ボディに入れたときも、『ウッ』ってなっていたんです。バックを取ってからは、殴るたびに元気がなくなっていくのが分かりました。中蔵さんの指示からも、勝負時やと思って殴り続けました」
――絞めより殴りの方がフィニッシュできそうでしたか。
「パンチの方が行けると思いました。絞めはポジションにとっては凌がれるかもしれないというのがあったので」
――残り1分、相当な勢いで殴っていたので、タイムアップになるなと思いながら写真を撮っていました。セコンドは『行け、行け』って感じだったのですが、あそこはもうスタミナ配分とかなかったですか。
【写真】セコンドからフィニッシュへの指示が飛び、岡嵜はサーデュラエフを殴り続けた(C)MMAPLANET
中蔵 レフェリーの動きを見ていて、殴ったら止まるなって判断したんですよ。
――おお、そこまで見ているのですね。
「僕の視界にはレフェリーは入っていなかったんですけど、そこを中蔵さんは見えていたんですよね」
中蔵 「レフェリーはストップ前に、2回ぐらい止めようかと動いていたんです」
「殴っていると効いているのも分かったので、3Rになったとしても何とかいけるかなという感覚があったので、あそこは思い切り殴り続けました」
中蔵 コイツは3Rで帳尻合わせようと思っていて、俺も2Rに力を使い切ってヘロヘロになっても、その帳尻は合うと判断したんです。
――それにして試合の入り方を改めて振り返ると、本当に素晴らしい逆転勝ちとなりましたね。
「勝てて良かったです」