【GRANDSLAM】伊藤健一を一蹴、ナム・ファン 「10月に戦いたい」
【写真】試合が動き出してからフィニッシュまでは早かった。下馬評通り、ナムが圧勝した(C)MMAPLANET
13日(日)に東京都江東区のディファ有明で旗揚げ興業を行ったGRANDSLAM。所英男がビクター・ヘンリーにKO負けを喫するという衝撃のフィナーレを迎えた「Way of the Cage」で、元UFCファイターのナム・ファンが伊藤健一と対戦。下馬評通り、1RでTKO勝ちを果たした。
<64キロ契約/5分3R>
ナム・ファン(米国)
Def.1R4分27秒 by TKO
伊藤健一(日本)
日本人女性と婚約し、拠点は米国ながら所属先をパラエストラ八王子としたナム・ファンは、UFC後のキャリアを日本で重ねることを決め、グランドスラム旗揚げ興業に参戦。対するは戦うIT社長=伊藤健一。かねてより、いつの日か元UFCファイターと戦いたいと発言していた彼が、遂にグランドスラムという場で夢を実現させた。
とはいっても、下馬評は圧倒的にナムが有利。試合は伊藤が構えを変えつつ、サークリングを用いナムが前に出てきたところを伊藤が押し返して距離をキープするという展開が続いた。そして、事前に「ナム・ファンには見えない」と伊藤が語っていた右のオーバーハンド気味のパンチを出すが、これはクリーンヒットしない。そんななかラウンドも中盤を過ぎると、ナムが徐々に距離を詰め始める。
【写真】手詰まりになりつつあるなか、伊藤はローを蹴り込むようになったが、そこをナムが逃さなかった(C)MMAPLANET
伊藤も思い切りローキックを入れる場面も見られたが、左ボディを受け動きが鈍くなっていく。そしてローをキャッチされ右、さらに左フックを合わされダウン。伊藤は体を起こそうと足手が、首を押されると亀になってしまう。ここからナムは左エルボーを側頭部に入れ、思い切り左パウンドを続け、レフェリーが試合をストップした。
終ってみれば、予想通りの大勝となったナム・ファンを大会終了後にキャッチ。日本で戦うことを決めた理由、今後について尋ねた。
――そもそも、なぜ、UFCリリース後の復帰の舞台に日本を選んだのですか。
「日本では戦いを求められて試合をする。米国ではチケット……、イベントのチケットを捌くことを期待されていて、そういうのはストレスになるんだ。試合前にそんなことかんがえるんじゃなくて、戦って家に戻る。そっちの方がずっとハッピーなんだよ」
――これから日本を主戦場にしていきたいと会見で話していましたが、UFCへ戻りたいという気持ちは?
「もちろん、UFCからオファーがあればそうしたいよ。世界でベストのプロモーションだからね。でも、今はそうじゃないんだし、どこで戦ってもファイトはファイトだからね。より強くなるためにベストを尽くすだけだよ。日本で戦っていてUFCのアンテナに引っかかるかどうかも分からない。僕より良いファイターで、UFCで戦えていない選手もいくらでもいるしね。UFCで戦う力はあっても、そこからは選手の力じゃない。その先は誰にも分からないからね」
――今夜の試合はナムが楽勝するという風に多くの関係者が予想していました。そういう状況で試合をすることも、どこか難しくはなかったですか。
「試合前にも話したように、ファイトはファイト。何が起こるか分からない。アンダードッグと戦って負ける試合はいくらでもある。何が起こるか分からないのが、ファイトだからね」
――伊藤選手が用いた、回って距離が取る。詰まりそうになると押し返し、右のオーバーハンドを狙うという作戦はどのように感じましたか。
「彼の試合はビデオでチェックしていたし、惑わされることなく自分の戦いをすることを心掛けていたんだ。彼は柔術で茶帯、僕は黒帯だ。寝技になれば柔術ゲームになったかもしれない。でも、僕はネワザ・モ・ダイジョーブ・デスネ」
――結着はパウンドでした。
「だから彼は柔術でチャイロオビだし、柔術ができる。ただ、カレ・ノ・パンチ・ト・キック、スゴイ・ヨワイ。柔術だけで戦うと、チャンスを与えることになるかもしれないけど、打撃で戦うと、彼はノーチャンス。フィニッシュしたいと思ってその通りになった。ケガがない状態で帰国できるのは素晴らしいことだよ」
――この試合は64キロ契約でした。UFCでは終盤バンタム級で戦っていたとき、体重を落とすのが大変なように見えました。
「でもね、米国で僕がフェザー級で戦おうと思うと、相手がスゴク・オオキイデス。日本人はそうでもないから、フェザー級でも戦っていける。米国ではそういうわけにはいかないんだ。170ポンドもある連中と戦うことになるからね」
――では日本では今後はキャッチウェイトでなくフェザー級で戦っていくことになりそうですか。
「そこなんだ。本来は日本でもバンタム級で戦いたい。でも、日本のバンタム級は61キロ、134ポンドなんだ。米国だと135ポンドでも、実際は135ポンドにもう1ポンド加えた136ポンドがリミットになる。この2ポンドの差は大きいんだ」
――日本でもユニファイドのレギュレーションを適用してほしいですか。
「世界中が同じ規定を用いる方が好ましいよ。ただ、それよりも試合の機会があることの方が大切だ。今後、日本の体重がどうなるか、ちょっと見ていきたいね」
――では、次はいつ日本で戦いたいと思っていますか。
「家に帰って、少しリラックスしたら練習を再開するし……、そうだね10月ぐらいにまた日本で戦うことができれば嬉しいよ。ホントに一試合に対して、2カ月は準備期間が欲しいからね」
【写真】メインでは所英男がビクター・ヘンリーの右クロスでダウンを喫し、背後からのパンチで敗れた(C)MMAPLANET
■GRANDSLAM – way of the cage – 試合結果
<バンタム級/5分3R>
ビクター・ヘンリー(米国)
Def.2R1分52秒 by TKO
所英男(日本)
<フライ級/5分3R>
飛猿 No.2(日本)
Def.3-0: 30-27, 30-27, 29-28
清水俊一(日本)
<64キロ契約/5分3R>
ナム・ファン(米国)
Def.1R4分27秒 by TKO
伊藤健一(日本)
<フェザー級/5分3R>
佐々木郁也(日本)
Def.1R2分25秒 by RNC
森興二(日本)
<ミドル級/5分3R>
ボブ・アームストロング(ニュージーランド)
Def.1R0分31秒 by KO
YOUSUKE(日本)
<ライト級/5分3R>
星野大介(日本)
Def.3-0: 30-27, 30-27, 30-27
岡澤弘太(日本)
<フライ級/5分3R>
梶川卓(日本)
Def.3-0: 30-27, 30-27, 30-27
井口摂(日本)
<バンタム級/5分3R>
柏崎剛(日本)
Def.2R2分02秒 by RNC
古間木崇宏(日本)
■GRANDSLAM サバイバー
<フライ級/5分2R>
宮城友一(日本)
Def.2R4分03秒 by RNC
二之宮徳昭(日本)
<73キロ契約/5分2R>
モリシマン(日本)
Def.1R1分57秒 by KO
サクラザワマサキ(日本)
<フェザー級/5分2R>
金子大輝(日本)
Def.1R4分29秒 by KO
三原宏樹(日本)
<バンタム級/5分2R>
平野拓也(日本)
Def.1R0分45秒 by KO
丸山耕平(日本)
<バンタム級/5分2R>
藤原悟史(日本)
Def.1R3分53秒 by KO
杉山晋哉(日本)
<フライ級/5分2R>
八王子オブザデッド(日本)
Def.1R4分32秒 by オモプラッタ
田丸慶輔(日本)
<ウェルター級/5分2R>
布川雄士(日本)
Def.1R2分05秒 by KO
水島雅浩(日本)
<54.4キロ契約/5分2R>
石綱テツオ(日本)
Def.1R1分35秒 by KO
駒沢孝行(日本)
<65.8キロ契約・特別ルール/5分2R>
川頭広卓(日本)
Def.1R4分08秒 by ギロチンチョーク
オームラン73あきら(日本)
■GRANDSLAM 第一部オープニングスラム
<アマMMAライト級/3分2R>
小淵佑志郎(日本)
Def.1R0分14秒 by KO
幡野進也(日本)
<アマMMAフェザー級/3分2R>
山内雄輔(日本)
Draw
関大安(日本)
<アマMMAフェザー級/3分2R>
秋山昌利(日本)
Draw
藤田貴士(日本)
<BJJ茶帯ペナ級/8分1R>
三井一正(日本)
Def.0-0 アドバンテージ1-0
武田雷馬(日本)
<BJJ紫帯ペナ級/7分1R>
岩崎英明(日本)
Def.8-0
照沼和行(日本)