【UFN43】オリヴェイラ戦へ、日沖発。「極めの種類が豊富」
【写真】取材を行った時期は前の試合から1カ月半程度が過ぎたばかり、試合まで2カ月半。日沖の言葉も滑らかだった(C)MMAPLANET
6月28日(土・現地時間)、ニュージーランドはオークランドのベクター・アリーナで開催されるUFN43「Te Huna vs Marquardt」。UFC初のニュージーランド大会でシャーウス・オリヴェイラと対戦する日沖発をMMA PLANETでは対戦決定間もない4月19日にインタビューをしていた。
今やMMAでは絶滅危惧種といっても過言でない多彩な極め技の持ち主オリヴェイラ戦決定を受け、日沖はどのようなイメージを持っていたのか――あくまでも4月中旬の日沖のオリヴェイラ評として、ここでお伝えしておきたい。
──シャーウス・オリヴェイラ戦が決まった日沖選手です。オリヴェイラ戦のオファーが来たとき、まずどのようなことを考えましたか。
「強敵だなぁと思いました。フィニッシャーで強い選手です。勝負を決める武器を持っています」
──打撃のプレッシャーからテイクダウンを取るタイプの選手が大勢を占めているようで、下からの極めがこれだけ強い選手もいる。UFCの層の厚さが窺い知れるマッチアップです。
「極め系の選手と戦うのは久しぶりですし、彼と全く同じタイプの選手と対戦経験があるわけではないですが、何とか対応していこうとは思います」
──体格的には元ライト級ですが。
「身長も同じぐらいで、リーチも同じぐらいだと思います」
──オリヴェイラの試合で、最も印象に残っているのは誰と戦った時の試合でしょうか。
「一番最近の試合になるんですけど、アンディ・オグル戦(2月15日、オリヴェイラが三角絞めで勝利)は実際にストリーミングでチェックして、ひかりTVの解説でも見ているので印象深いですね。良くも悪くもフィニッシュを狙う試合でした。ブラジル大会だったこともあるでしょうが」
──良くも悪くもという言葉が聞かれましたが、悪くも極めに行くというのは、どのような部分を指すのですか。
「今のUFCでいうと、極め急いで下になった場合、そこで逃げた方がラウンドを取ることが多い。そういう意味で悪くもという言い方になりました。極めに行くのは、やはり体力も使います。そこで力を使い過ぎる危険性も高い。ただ、オグル戦に関しては3Rで取っているので、そういう体力……フィニッシュを狙い続ける力も持っていますね。それでも、フィニッシュできない状況でも極めに行っているシーンもあり、そこがオリヴェイラの弱点だと思います」
──極めの強さというのは、実際に戦ってみないと映像を見ただけでは分からない部分も多くないですか。
「そうですね。練習をしたことがあるわけでもないですし、戦ってみないと分からない部分はあります。得意な形になると、フィニッシュには行けるものなので、その形に入らせないことですね」
──UFCに参戦した当時、2010年ぐらいにガードから腕十字を仕掛けた時の腰の切り方など、凄く印象に残っています。極めに来る、つまり攻めてくる選手ですが、寝技で能動的な選手の方が、日本選手は戦いやすいというのはありますか。
「攻めてくるから、そこを突こうというのは漠然とは考えています。固めてくる選手よりも、攻められている時に逆転して自分の展開に変えやすいこともあるにはありますね。それでもフィニッシュが強いので怖さはあります。
あと極めも種類が豊富なんです。RNCだったらRNCを毎回取る、同じフィニッシャーでもそういう選手が多い。でも、オリヴェイラはRNCもフロント系のダースとか、足関節もあれば腕十字、三角もあります。練習ではできる選手もそこそこはいると思いますが、試合でそれだけ色々な技で勝てる選手は少ない。そういう部分で、対策が大変ですね」
──フランキー・エドガー戦ではヒザを中心に立ち技も上達していました。
「懐が深いという印象はあります」
──最近のUFCに多く見られる、選手のスタイルを考えて良い試合になりそうな組み合わせということで、組まれたような気がします。
「確かにそういう印象はあります」
──ただし、試合は真っ向からやりあうだけでなく、相手の良さを消す戦いもあります。
「相手の良さを消すことが、自分のフィニッシュに繋がると思います。ハイ。ただし、まだ試合が決まったばかりで、正直なところ対策練習はやっていないので……、これから考えていきます」