【ROC39】デブラス、成るか王座防衛→UFC入り
10日(金・現地時間)にニュージャージー州アトランティックシティのトロピカーナ・リゾート&カジノで行われるRing of Combat 39。東部の新鋭たちをUFCに送り出し、さらにメジャー帰りのファイターの再生の場として活動している同プロモーションの2012年最初のイベントは、2階級でチャンピオンシップが組まれている。
【写真】日本人などは対戦相手のクオリティも加味されるUFCだが、米国在住のファイターは連勝が大切。マイク・スチュアートの挑戦を受けるトム・デブラスは、クリス・ウェイドマンやエジソン・バルボーサのようにROC王者→UFCという道を進むことができるか(C) KIETH MILLS
メインはROCライトヘビー級選手権試合。王者トム・デブラスは、昨年9月にマイク・スチュアートを破り、キャリア5戦目で王座を奪取し、11月にグルジア出身のダヴィッド・テケシュラッシュビリを下して初防衛に成功している。ヘンゾ・グレイシー系ヒカルド・アルメイダの教え子でADCC世界大会にも出場しているデブラスだが、MMAではその得意分野で戦うまでに、打撃で試合を決めることもある。
挑戦者のランディ・スミスは、キャリア24戦で王者の4倍の経験を誇るが、戦績は14勝9敗1分。現在3連勝中で、地道にグラスルーツ大会で経験を積んできた叩き上げのファイターだ。
基本的にスミスもグラップラータイプだが、王者デブラス同様に打撃から試合を組み立てており、序盤の立ち技の攻防が試合の行方を占う大切な要素となってくる。特にデブラスにとっては、この試合で勝利し前王者クリス・ウェイドマンのようにUFC進出を果たしたいところ。結果のみならず内容も重視されてくる2度目の王座防衛戦だ。
コ・メインで組まれているのは、デヴィダス・タウセロビュチスが返上したROCフェザー級王座決定戦、ジェフ・レンツ×ジオバンニ・モルホ戦だ。昨年11月のBFCで引退したカート・ペレグリーノ門下のレンツは、現UFCファイターのダイスティ・ペイグに勝利し、BFCプレリミでも勝ち星を挙げている。
キャリア9勝2敗1分のレンツ。対するモルホは4勝4敗のイーブンのレコードを残している選手だが、現在は連敗中。地元レンツの王座戴冠に花を添えるアンダードッグの扱いがプンプンしてくるタイトルコンテンダーだ。
タイトル戦以外では、元UFCファイターで前ROCウェルター級王者ピート・セルの復帰戦に注目が集まる。昨年11月にカナダのノルジーヌ・タレブにTKO負けを喫し、タイトルを失って以来の復帰戦となる。ヘンゾ・グレイシー門下の東部を代表するファイターには、これも16勝20敗のミッチ・ホワイトセルという噛ませ犬が用意されている。
ただし、前回の試合で悪夢の5連敗から抜け出したホワイトセルにしてもモルホにしても、何が起こるか分からないMMAだけに、アップセットを演じる可能性は十分にある。ここはプロモーション泣かせの番狂わせを期待するのも、間違っていない注目の仕方だ。
この他、元ROCミドル級王者で、ウェイドマンとコンスタンチノス・ピリッポウに喫した2つの敗戦が、全黒星となるユライア・ホールが巻き返しを狙うダニエル・アキニェミと対戦する一戦など、王者&期待のファイター寄りのカードが揃っている。
■ROC39主な対戦カード
<ROC級ライトヘビー級選手権試合/5分3R>
[王者]トム・デブラス(米国)
[挑戦者]ランディ・スミス(米国)
<ROCフェザー級王座決定戦選手権試合/5分3R>
ジェフ・レンツ(米国)
ジオバンニ・モルホ(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ピート・セル(米国)
ミッチ・ホワイトセル(米国)
<ミドル級/5分3R>
ユライア・ホール(米国)
ダニエル・アキュエミ(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
ダヴィッド・テケシュラッシュビリ(グルジア)
エド・ゴードン(米国)