【UFC90】メイン以上に期待! アウベス×コスチェック
イリノイ州シカゴ――、米国の三大都市圏としてNY(実際にはマンハッタンの対岸のニューアークやイーストラザフォード)、LAに進出を果たしたUFCが、ついに世界の穀物市場を左右する風逆巻く湖畔の大都市に進出を果たす。
【写真】王座挑戦王手をかけたピッチブル、その勢いをコスチェックが止めることができるのか (C)Zuffa
“カウントダウンUFC”は、シカゴ郊外ローズモントのオールステート・アリーナで行われる『UFC90 SILVA vs COTE』の大会プレビューを3回に渡ってお届けしたい。
まずはシカゴ初進出のメインとなるMMAワールドのパウンド4パウンド、アンデウソン・シウバがパトリック・コーテの挑戦を受ける世界ミドル級選手権試合の紹介――といきたいところだが、MMAPLANETが再注目するのは、この大一番よりもウェルター級の一戦。ダナ・ホワイトが「この試合の勝者が、次期チャレンジャーになる」と明言したチアゴ・ピッチブル・アウベス×ジョシュ・コスチェック戦だ。
当初の予定では、ディエゴ・サンチェスとアウベスが対戦予定だったが、この夢のカードがサンチェスのわき腹の負傷により、もう一つの夢のカードとなるコスチェック×アウベスが実現することとなった。
レスリングエリートで、TUFシーズン1スターのコスチェックに対するアウベスは、ブラジルのバーリトゥードのメッカ=セアラ州フォルトレーザ出身で、現地でベアナックル・バーリトゥードからのし上がってきた、生粋MMAファイターだ。
テイクダウン+サブミッションへの回避能力、さらにはスタンドでの距離の作り方で勝利してきたコスチェック。対するアウベスは、強烈なロー、ヒザ蹴り、さらにはテイクダウンを回避する力で、タイトル挑戦直前という位置にまで上り詰めてきた。
コスチェックのUFCレコードは9勝2敗。一方のアウベスは8勝2敗。すでにサンチェスやGSP戦を消化しているコスチェックに対し、アウベスにとってのビッグウィンは今年6月にマット・ヒューズからTKO勝ちをした試合となる。
しかし、負傷の影響で最後の減量が上手くいかず、計量ミスをとがめられ、即タイトル挑戦が実現しなかったアウベスは、自らのミスを認め、この一番に挑む。
AKA(アメリカン・キックボクシング・アカデミー)×ATT(アメリカン・トップチーム)という、米国を代表するプロ集団同士の東西対抗戦。西のAKAか、東のATTか。
AKAとATTのビッグマッチは、昨年のストライクフォースでAKA=トレバー・プラングレーが、ATT=ジョルジ・サンチャゴにKO負けしており、総帥ハビエル・メンデス、グラップリングを指導するデイブ・カマリロにとっても敗北は許されない戦いになる。
また、ATTは、フィジカル・コーチのアンドレ・ベンケイがチームを離脱、決して一枚岩でないことが露呈してしまった状態だ。総力戦という意味でも注目されている、この一番。真っ向勝負ならアウベス、3Rを通した戦略でコスチェック。現代MMAの最先端をいく、『立ち技と寝技の際』の攻防や、距離の奪い合いが見られ、それでいて、強烈な一発KOの可能性もある、ハードコアファンにも、カジュアルファンにも楽しめる一戦となるに違いない。
■『UFC90 SILVA vs COTE』
全対戦カードは下記の通り。
<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者]アンデウソン・シウバ(ブラジル)
[挑戦者]パトリック・コーテ(カナダ)
<ウェルター級戦/5分3R>
チアゴ・アウベス(ブラジル)
ジョシュ・コスチェック(米国)
<ライト級戦/5分3R>
リッチ・クレメンティ(米国)
グレイ・メイナード(米国)
<ヘビー級戦/5分3R>
ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル)
ジュニオール・ドス・サントス(ブラジル)
<ライト級戦/5分3R>
ショーン・シャーク(米国)
タイソン・グリフィン(ブラジル)
<ミドル級戦/5分3R>
ドリュー・マックフィールズ(米国)
ターレス・レイチ(ブラジル)
<ライト級戦/5分3R>
シャノン・グジェルティ(米国)
スペンシャー・フィッシャー(米国)
<ミドル級戦/5分3R>
ダン・ミラー(米国)
マット・ホーウィッチ(米国)
<ライト級戦/5分3R>
エルミス・フランカ(ブラジル)
マーカス・アウレリオ(ブラジル)
<ウェルター級戦/5分3R>
ジョシュ・バークマン(米国)
ピート・セル(米国)