【It’s Showtime】ノーコン、ペトロシアン。急所2発でNCに
<70キロ/3分3R>
シャヒッド・エルハジ(オランダ)
NC.3R
ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)
まったく死角の見えないジョルジオ・ペトロシアンが、パンチの強打が売りのシャヒッドを迎え撃った。1R、意外にもシャヒッドは蹴りから崩しにかかる。ペトロシアンの足を狙い、動きを封じてからパンチで勝負を決める作戦か。ペトロシアンは、涼しい顔で冷静に蹴りをさばくと、強烈な右ストレートを放ち、KOを狙う。転倒したシャヒッドは、蹴り合いになると分が悪いと思ったのか、パンチを中心に組み立て直す。左、右とパンチを繰り出すシャヒッドだが、ペトロシアンにことごとくかわされてしまう。シャヒッドが攻め手を欠いていると、今度はペトロシアンが前へ出てパンチを打っていく。この駆け引きのうまさは、神業だ。
2R、シャヒッドが、パンチからローキックでペトロシアンの足を狙う。左ハイキックで、シャヒッドのリズムを消しにかかるペトロシアン。ならばとシャヒッドは、左から右のパンチを繰り出すが、軸を外してかわし、強烈な左ストレートを返される。シャヒッドがパンチのカウンターを狙おうとするが、ペトロシアンはすでに目の前にはいない。完全に、ペトロシアンが試合の主導権を握ったようだ。
ワンツーから奥足へのローキックでシャヒッドを追い込んでいくペトロシアン。まさに、ドクターのオペがリング上で行なわれようとしていた。シャヒッドのパンチが空を切るたびに、絶望感が募っていった。3R、このままだと勝ち目のないシャヒッドは、多彩なパンチで攻めていく。
左右のパンチを放ち、右アッパーを直撃させる。まともに当たったかのように見えたが、急所は外しているのか、すぐに逃げるペトロシアン。するとペトロシアンは、プッシングから奥足へのローキック。この一撃が、金的へ入ってしまい、試合は一時中断に。
再開後、またしてもペトロシアンの蹴りが、急所を直撃。花道に転がり込んで、苦しむシャヒッド。気合いを入れて立ち上がったシャヒッドだが、もはや戦闘不能の状態か。ダメージが大きいと判断したのか、レフェリーは試合をストップ。2度の急所蹴りにも関わらず、ノーコンテストという判断を下した。