【Cage Warriors192】終盤の死闘も序盤の距離&精度で王者ハックがスプリットでスコット下し王座防衛
【写真】激闘となった両者の計量時のフェイスオフ(C)CAGE WARRIORS
<Cage Warriorsフライ級選手権試合/5分5R>
シャジ・ハック(英国)
Def.2-1:48-46.48-47.47-48
ジャワニー・スコット(英国)
なんとロンドンのファンに大きなブーイングで迎えられた王者ハック。試合が始まると両者がジャブを伸ばす。ハックがステップを踏みながらワンツー。挑戦者スコットのジャブに右を合わせていく。左ボディストレートを伸ばしたハックがワンツーで前に。さらにインローを蹴る。スコットはワンツーも足が余り出ておらず、ハックが右を打ち込む。右で試合をリードするハックに対し、スコットはジャブで試合を組み立てる。
アイポークがあったとブレイクを要求したスコットは、再開後に左ミドルを入れる。ハックが右を当て、頭を沈めてボディから左ミドルハイを狙う。距離を詰めたスコットはフックをかわしてダブルレッグも、すぐに倒せず離れる。逆にダブルを見せて、拳を伸ばすスコットだが、王者はフェイクに引っかからず跳びヒザ。これは当たらなかったが、残り10秒というタイミングでダブルレッグにより尻餅をつかせた。
2R、右に回るハックに左ジャブを伸ばすスコット。右オーバーハンドのハックは、自らのローで姿勢を乱したチャレンジャーが立ち上がるのを待つ。ハックの右オーバーハンド、スコットはジャブとパンチの応酬を見せる。そのさなかスコットがローを蹴り、カウンターを狙うハックは大きな振りをブロック、ローも足を捌いていく。左回りのチャンピオンを追いかけて、右フックを伸ばすスコットはダブルレッグを耐えて、ジャブをヒット。
ラウンド半分を過ぎ、スコットが右カーフを決める。王者はカウンターだけでなく、ワンツーで距離をつめてパンチを纏めていく。ヘッドムーブでかわし、ボディに細かいパンチをいれたスコットがクリンチへ。すぐに離れたスコットの前に出てジャブ、右でハックを押し込んでいく。それも右オーバーハンドで間を取り直すハックだったが、右を被弾。サークリングで金網に詰まる場面も見せたチャンピオン、判断の難しいラウンドとなった。
3R、互いにジャブから入り、スコットが前に出る。右から左フックを見せたハックがダブルジャブ。ワンツーで前に出るスコットだが、ハックがジャブで前進を止める。それでも圧を掛け続けるスコットが左インロー、互いに右を繰り出す。ジャブで詰めていくスコットに対し、体を入れ替えたハックが中を取ったものの即ケージを背負う。スコットはボディから顔面というコンビを繰り出し、右をヒットさせてジャブを当てる。流血のチャンピオンも、ジャブから右で前に出る。センターで戦う場面が増えたハックは、シングルを切ってジャブを入れる。続いて左ロングを伸ばしたチャンピオンは、右を空振りして間を取り直す。すぐにスコットが距離を詰めて時間となった。
チャンピオンシップラウンド、4R。ある意味、フライ級に見られがちがガチャガチャしたスピードある攻防、ただし一発がない流れのなかでスコットが左ロー、続いて左ミドルを入れる。ハックも前に出て右から組むと、クリンチの展開で細かいパンチを入れる。スコットは体を入れ替えてダブルレッグから、組み&ダーティーボクシング&エルボーという展開でバックに回る。
ハックは胸を合わせて離れると、ハンズスピードこそ落ちてきたが右をクリーンヒットさせ打撃の勢いで上回る。しかし、直後にスコットがダブルレッグでテイクダウン。殴られ、スクランブルでバックを許したハックは、ツーオンワンで立ち上がるが前方に崩される。首を固定して、サイドバックで殴ったスコットが背中に乗っていく。ワンフックからバックコントロールに移行したチャレンジャーは、正対した王者にヒザを入れて離れた。
最終回、すぐにケージ前までハックが下がる。左右に回るハックが、スコットのダブルレッグをかわして逆に組んでいく。頭を低くする時間を保てない王者が離れ、サークリングへ。挑戦者ハックはウェービングからパンチを振るうが、やはりスピードが落ちている。スコットは左インローを当て、足を使うハックを追いかけて左ジャブを入れる。前蹴りで2度、腹を蹴ったスコットはハックのステップインには距離を取り、逆に一気に距離を詰めヒザ蹴りへ。サークリングでかわしたハックの動きを読んだかのように、スコットが後方から左フックを決める。
勢いづくスコットに押し倒されるように姿勢を乱したハックは、体を起こしたところでハイキック、さらにパンチのラッシュに晒される。残り2分、ハックも右を振って前に出る。チャンピオンのダブルレッグをスプロールしたスコットが、がぶりからヒザ蹴りを入れる。ヒザをついて、ニーを受けないようにしたハックだが、スコットはアナコンダチョークをセットする。
下になることを避けて、バックコントロールに戻るとスクランブルから再びギロチンを仕掛けつつバックへ。スタンドに戻ると、右エルボーを2発決めて離れたスコットが右でダウンを奪う。スコットはパウンドからエルボーを連打し、タイムアップを迎えた。
まさに力を使い切った激闘、全体なら挑戦者勝利だがラウンドマストならどうなるのか。結果、ジャッジはスプリットで王者ハックを支持。館内に怒号が飛び交うなか、ハックはベルトを肩に置き安堵の表情を浮かべた。