【UFC124】ハイな状態での殴り合い、ピアソンが判定勝ち
■第3試合 ウェルター級/5分3R
ショーン・ピアソン(カナダ)
Def.3R終了/判定
マット・リデル(米国)
試合開始早々、首相撲からヒザを突き上げたピアソン。ワキの開いたフックを繰り出すリデルに、ストレートを打ちこみながら組みついていく。距離を取った両者、ジャンピングニーで前に出てきたリデルにピアソンの右がヒットし、ノックアウト状態に。ヒザをついて腰に腕を伸ばすリデルのバックを制したピアソンは、そのまま立ち上がってバックスローを狙う。
これはリデルが体重を移動し投げきれなかったが、前方に大きく振り落し、そのままパスへ。再びバックを制し、両足をフックしたピアソン。立ち上がったリデルにエルボーを落とし、グラウンドで暴れられると、自らスタンドへ。左右のフック、ヒザ蹴りと荒い攻撃を仕掛けるリデルを受け止めるような打撃戦で初回を制した。
2R、打撃戦も早々に、リデルはダブルレッグを仕掛けるが、しっかりと切ったピアソンがバックをうかがいながらスタンドへ戻る。
拳は出るが、足は前に出ないリデル。一方のピアソンも攻め疲れか、1Rのような勢いは見られない。スタミナ温存のピアソンは、パンチを打つとバックステップで下がって、リデルの攻撃の芽を摘んでいく。不思議なもので、気持ちが後ろ気味になったところで、リデルの連打を受け、この試合で初めて攻め込まれる。
ギロチンを逃げられてスタンドに戻ったリデルが、前に出ると、ピアソンは背中を見せて走りだし、距離をとりなおす。直後のテイクダウン狙いを潰されたピアソンは、リデルにトップを許してしまう。残り時間を考慮してか、リデルはパスを狙わずパウンドを落して、2Rを終えた。
3R、前のラウンドの省エネ作戦が功を奏したか、やや動きの良さを取り戻したピアソン。しかし、勢いに乗るリデルに左右のフックを受けて後退を余儀無くされる。右ストレート3連打が相打ちとなると、その後の相打ち覚悟の打ち合いのなかで、ピアソンのストレート系のパンチの精度がリデルのフック系のパンチを上回るようになる。
しかし、スタミナロスが否めないピアソンは、最後の底力、精神力をみせ手数を緩めない。残り10秒、激しいパンチの交換を嫌がり、テイクダウンを狙ったピアソン。最後まで拳を出し続けたリデル。両者が勝利をアピールする。ファイターズ・ハイに陥ったような殴り合いは、3-0のフルマークでピアソンが勝利。2Rまで3者がピアソンを支持する意外なジャッジではあった。