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【PFL2024#10】MENAバンタム級決勝へ、UFC級=アリ・タレブ「拳が爆発するところを楽しみにしてくれ」

【写真】UAEWバンタム級のベルトと。あのヴィニシウス・オリヴェイラに勝っている──弱いわけがない。MENAで優勝し、北米進出を目指すアリ・タレブ。果たしてバンタム級ファイターに、その機会は与えられるのだろうか (C)PFL

29日(金・現地時間)、サウジアラビアはリヤドのKSU(キング・サウジ大学)アリーナで開催されるPFL2024#10「Championships」。同大会では今年から活動を介したPFL MENAの決勝戦4試合も組まれている。
Text by Manabu Takashima

中東&北アフリカの地区リーグ=MENAは、当然のようにアラビック&ムスリム人選手が中心に活躍している。そして、その地を持ち当地で戦うファイターも少なくない。バンタム級決勝でラシッド・ハズと対戦するアリ・タレブもその1人だ。

戦禍のイラクを逃れ、スウェーデンに移住したタレブはUAEW時代に吉野光を倒し、コンテンダーシリーズからUFCにステップアップしたヴィニシウス・オリヴェイラをKOしバンタム級のベルトを巻いた実力者だ。そのタレブ、PFLファイナルとの合体したビッグショーで、その名を世界に轟かせようと気概に満ち溢れていた。


(C)PFL

――PFL MENAバンタム級決勝でラシッド・ハズと対戦します。

アリの国籍がイランだったりスウェーデンになっていたりするのですが、スウェーデン生まれのイラク系ということで宜しいでしょうか。

「いや、俺が生まれたのはイラクだよ。1997年に生まれて、2009年にスウェーデンに移住した。イラクは米国とサダム・フセインの間で紛争状態に陥り、逃れるために父、弟、妹と一緒にスウェーデンに移り住んだ。でも兄は今もイラクに住んでいるよ。より良い人生を求めて、スウェーデンにやってきたんだ」

──コンバットスポーツに出会ったのは、スウェーデンに移り住んでからですか。

「ブラザー。今、言ったように俺は5年間も紛争状態の国に住んでいたんだ。ガキのころから、頭の中も戦争状態だった。言葉が通じないスウェーデンにやってきて、拍車がかかった。でもスウェーデン語が分かるようになってから、落ち着いてサッカーにこうじるようになった。そのうち週に2度ほど、格闘技のトレーニングを始めるようになったんだ」

──どのようなスタイルの格闘技の練習を始めたのでしょうか。

「ノーギグラップリングだ。ただ楽しむために始めて、シリアスではなかった。でも2年、3年と練習をすると、真剣さが増してアマチュアの試合に出るようになった。プロデビューは2019年だ。2勝したらコロナになった。そして2021年の3月に10日前のショートノーティスでUAEWからオファーがあった。相手は7勝2敗のヌーラズ・アブザグだ。その試合に勝って、ブラザー。俺はそのままUAEWと契約をした。強い相手が続いたけど4連勝して5戦目で今はUFCで戦っているヴィニシウス・オリヴェイラとバンタム級王座決定戦を戦い、3RKO勝ちでチャンピオンになった。UAEWではほんとうに良い経験をさせてもらったよ」

──イラクの血もあってUAEWと契約したのですか。そのまま欧州でキャリアップということは考えずに?

「それは関係ない。チャンスがあったから、跳びついた。とにかく強い相手と戦いたかった。だからUAEWと契約して良かった。正直、それからCage WarriorsやUFCに進もうという考えは持っていた。でもオリヴェイラに勝った後に、PFLから連絡がきたんだ。PFLと契約できて満足している。彼らとはファミリーのような人間関係を築くこともできた」

──ただPFL欧州でなく、PFLレギュラーシーズンに参戦したいという想いはなかったですか。

「ブラザー、それはどうでも良かった。強いヤツと戦いたいというのが一番だったから。実際、PFLヨーロッパでキャリア初黒星を喫したわけだし。PFLはベストファイターを用意してくれ、俺は負けた。そして今年はMENAでのチャンスを貰ったんだ。

戦って稼いでいるんだ。文句はない。それにMENAにも良い選手が揃っている。なんといっても選手へのケアが違う。ヨーロッパの多くの大会は、ここまで選手ファーストのイベントを開くことはできない」

──MENAが活動開始をした。抜群のタイミングでしたね。

「中東のMMAは日々、成長している。サウジアラビアは多くのスポーツに投資をしていて、MMAやボクシングにも力をいれているんだ。レベル的にもUAEWが次々とUFCに選手を送りだしたように、中東のMMAはコンペティションとしても成長し続けている。ローカルファイターも力をつけているしね。ファンも熱狂的だ」

──今大会はMENAのファイナルだけでなく、PFL Globalシーズンの決勝戦も行なわれるビッグショーになりますね。

「ブラザー、これは大きな一歩だよ。ここで勝って、もっと前に進む。このショーで戦うことで、多くの人がアリ・タレブの名をその胸に刻み込んで欲しい」

(C)PFL

──では対戦相手の印象を教えてください。

「ブラザー、ラシッドは良い相手だ。でも俺の方が優れている。どこが優れているかは、試合を見てもらうと分かるだろう。ブラザー、俺の拳が爆発するところを楽しみにしてくれ。試合に関してベラベラと話すつもりはない。日本のファンにもファイトをしっかりとチェックしてもらえると、アリ・タレブがどういうファイターが分かってもらえると信じている」

■視聴方法(予定)
11月29日(金)
午後11時15分~U-NEXT

■PFL2024#10対戦カード

<フェザー級決勝/5分5R>
ブレンダン・ラウネーン(英国)
チムール・カイズリエフ(ロシア)

<女子フライ級決勝/5分5R>
ダコタ・ディチェバ(英国)
タイラ・サントス(ブラジル)

<ライトヘビー級決勝/5分5R>
インパ・カサンガネイ(米国)
ドブレジャン・ヤギュシュムラドフ(トルクメニスタン)

<ウェルター級決勝/5分5R>
マゴメド・ウマラトフ(ロシア)
シャミル・ムサエフ(ロシア)

<ライト級決勝/5分5R>
ブレント・プリマス(米国)
ガジ・ラバダノフ(ロシア)

<ヘビー級決勝/5分5R>
デニス・ゴルソフ(ロシア)
オレッグ・ポポフ(ロシア)

<ミドル級/5分3R>
コステリョ・ファン・スティーニス(オランダ)
ジョアォン・ヴィトー・ダンタス(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ガブリエル・ブラガ(ブラジル)
ジェレミー・ケネディ(カナダ)

<フェザー級/5分3R>
アザエル・アジョウジ(フランス)
ホセ・ペレス(米国)

<MENAウェルター級決勝/5分5R>
ムハマド・アラクラー(クウェート)
オマール・エル・ダフラウイ(エジプト)

<アマチュア女子アトム級/3分3R>
ハッタン・アルセイフ(サウジアラビア)
リリア・オスマニ(アルジェリア)

<MENAバンタム級決勝/5分5R>
アリ・タレブ(スウェーデン)
ラシッド・ハズ(スペイン)

<MENAライト級決勝/5分5R>
ムーセン・ムハマドサイファイ(イラン)
ジョージ・エイド(レバノン)

<ライト級/5分3R>
マンスール・ベルナウイ(フランス)
アルフィー・デイビス(英国)

<ライトヘビー級/5分3R>
スリム・トラベルシ(チュニジア)
アブラハム・バブリー(英国)

<MENAフェザー級決勝/5分5R>
アブドゥルラフマン・アリヤサット(ヨルダン)
アブドゥラ・アルカタニ(サウジアラビア)

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