【Challengers】シャオリン、成す術なく落日の判定負け
■ライト級/5分3R
ジャスティン・ウィルコックス(米国)
Def.3R終了/判定
ヴィトー・シャオリン・ヒベイロ(ブラジル)
ショートのワンツーを見せたウィルコックスに、シャオリンは距離を取って足を使う。シャオリンが左ジャブを見せるが、距離は遠い。テイクダウン狙いから、引き込んだシャオリン。ウィルコックスは慎重にローを見せ、寝技には付き合わない。
試合がスタンドへ戻ると、右ストレートを打ちながらウィルコックスが前に距離を詰める。シャオリンのテイクダウン狙いを冷静に切り、ウィルコックスがジャブを打ち込む。再びパンチで前に出たウィルコックスにシングルを合わせたシャオリンだったが、ウィルコックスは背中を見せて、足を引抜く。
ウィルコックスのフックをブロッキングで受けるシャオリンだが、ジャッジの印象は悪いか。ラウンド終了まで1分を切り、ウィルコックスは右フックをヒットさせる。シャオリンのテイクダウン狙いを跳ね返しスタンドをキープ。時折りパンチをヒットさせるウィルコックスが初回を取った。
2Rは、単発のパンチの交換から。ウィルコックスがシャオリンに組みつかせないという展開が続く。シャオリンはパンチでプレッシャーを与えらないところで、テイクダウンを仕掛けても、ウィルコックスに対処される展開が続く。と、ウィルコックスの右フックがヒットし、シャオリンの姿勢が乱れる。
テイクダウンを仕掛けては避けられる展開が続くシャオリン。ハッキリと前に出ているウィルコックスの左足にローキックぐらいは打ち込んで、相手の動きを止める攻撃が必要だが、工夫が見られない。
最終回、必死の踏み込みからシングルを仕掛けたシャオリン。これを切ったウィルコックスはスタンドをキープし、引き込んだシャオリンの寝技に付き合うはずもない。右をヒットさせたシャオリンも、ウィルコックスが前に出てくるときに、ステップバックでなくテイクダウンを合わせたいところだ。
引き続き右を伸ばしたシャオリン。右フックは空振りに終わり、試合は残り2分へ。正面からダブルレッグを仕掛け、切られたシャオリンは、ガードを取っても、レフェリーにブレイクを命じられスタンドへ戻るしかない。テイクダウン狙いを切って、フックを見せる――、いわばそれだけのウィルコックスが15分間ペースを守って戦い、試合はタイムアップへ。
やるべきことをやったウィルコックスに対し、レスラー相手に得意の展開に持ち込むことができなかったシャオリンは、落日のフルマーク判定負けとなった。柔術界の大物、そして柔術の強さをMMAで見せていたシャオリンだが、ジャブを当ててくるだけのレスラー、テイクダウンを狙わないレスラーを相手に、成す術なく敗れた。ウィルコックスのようなタイプのファイターが多くなる一方のMMAにあって、シャオリンはKOはできなくとも、崩す打撃を身につけないと、このままでは手の合う相手からでないと、勝利を手にすることは難しくなる。
MMAで戦い続けるなら、大規模なアジャストが必要になる。