【PFL2024#09】底知れぬ強さ。ムサエフがラマザノフに何もさせず、最終回は流して判定勝ちで決勝進出
【写真】圧倒的な実力差がないと難しいゲームメイクを見せたムサエフ(C)PFL
<ウェルター級準決勝/5分3R>
シャミル・ムサエフ(ロシア)
Def.3-0:30-27.29-28.29-28.
ブラッド・ラマザノフ(ロシア)
ラマザノフがプレスを掛ける。サークリングするムサエフに対し、フェイントをかけるも手は出ない。ムサエフが左インローで先制する。さらにムサエフが左ジャブを突いた。ムサエフも右ストレートを伸ばす。ラマザノフがダブルレッグで組みつき、リフトアップの後シングルレッグに切り替える。ムサエフはケージ中央に運び、足を抜こうとするも再びケージに押し込まれてしまう。しかしケージから離れ、ラマザノフのクラッチを切った。ケージ中央に戻ると、ムサエフが下がりながら左プレスをかける。ラマザノフのダブルレッグをスプロールし、パンチを振ってから右スピニングバックキックを見せた。
ラマザノフはヒザを着きながら低空のダブルレッグを仕掛け、ケージ際でバックに回った。立ち上がるムサエフをシングルバックからバックコントロールで制するラマザノフ。ムサエフは正対して、ボディに右ヒザを突き刺した。またもシングルレッグで飛び込むラマザノフだが、ムサエフが片足でバランスを保つ。ムサエフの右スピニングバックキックをかわしたラマザノフだが、シングルレッグはかわされた。ムサエフはヒザ&パンチのボディ攻撃でラマザノフを削って初回を終えた。
2R、ムサエフがワンツーを伸ばす。さらに右ストレート、左アッパーと攻め込むが、右スピニングバックキックをかわされた。すぐに組んだラマザノフがムサエフをケージに押し込む。しかし上下左右にフルもムサエフは倒れない。しつこく食らいつくラマザノフを、ムサエフが投げで切り返してテイクダウンを奪った。亀になってムサエフの手首を抱えるラマザノフ。ムサエフはバックコントロール&パンチで削り続ける。
正対したラマザノフをボディロックから倒したムサエフは、再びバックからパンチで削っていく。ラマザノフは右スピニングバックフィストで回転するが、その瞬間にラマザノフが足をすくってグラウンドに引き戻す。スクランブルに持ち込めないラマザノフは、ひたすら削られてしまう。残り10秒のシングルレッグもスプロールされ、ボディパンチを受けた。
最終回、ラマザノフが前に出る。ここまでのラウンドを取っているであろうムサエフは、ラマザノフのシングルレッグを切っても深追いはしない。ワンツーでラマザノフを下がらせ、再び距離を取る。完全にアウトボクシング体制のムサエフに対し、ラマザノフもボディにパンチを受けるなど前進を止められてしまう。組んでもラマザノフに力が感じられない。
組まれても突き放すムサエフ。細かくパンチをまとめてサークリングする。残り1分30秒でシングルレッグから尻もちを着かせたムサエフだが、ケージ中央に戻るとラマザノフの足払いを受けた。それでもテイクダウンを許さないムサエフは、細かいパンチの連打で優勢を印象づけ、そのまま試合終了のホーンを聞いた。
6月の初戦でKO勝ちしているムサエフは、この再戦で前回以上の実力差を見せつけるコントロールぶり。最終回は流したためにラマザノフのラウンドとなったかもしれないが、ムサエフにとっては完勝といえる判定勝ちを収めた。