【K-1 MAX】ドクターのミステイク
■第10試合 FINAL16/3分3R
ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)
Def.3R終了/判定3-0
ヴィタリ・ウルコフ(ベラルーシ)
【写真】前に出て戦うのがK-1ルールだが、前後のステップから有効な攻めを見せられるのがザ・ドクター=ジョルジオ・ペトロシアン、最大の強味 (C) WORLDKICKs
アンディ・サワーの欠場が決まり、今年のK-1MAX世界大会は、ジョルジオ・ペトロシアンの2連覇で決まりとの声が高まっている。一つだけ心配されるのは、拳の骨折がどこまで戻っているどうか。3月のケム戦を見る限りでは、心配なさそうだが……。
ペトロシアンと対するのは、ヴィタリ・ウルコフ。ベラルーシ出身のファイターで、東ヨーロッパ予選を制している。ハッキリ言って、ザ・ドクターの相手ではないだろう。
1R、ウルコフは素早い攻撃でペトロシアンをかく乱した。右ローキック、ミドルキック、素早い蹴りで、ペトロシアンを揺さぶる。少し戸惑っていたペトロシアンは、左ローキックを返し、冷静に動きを確認しているようだ。そんなことは関係ないとばかりに、ウルコフは、フィジカルを活かして前へ出る。決定打はないが、手数があるのはウルコフだ。
2R、ウルコフは左フックでペトロシアンを倒しに行く。ペトロシアンは、距離を詰めてかわすと、離れた距離から淡々とローキックをヒットさせた。ペトロシアンのパンチが飛ぶと、クリンチで逃げるウルコフ。このクリンチ攻撃こそ、ウルコフの最大の攻略法だったのもかもしれない。ペトロシアンは、相手の攻撃を見切る能力は世界一。だが、攻撃をしてこない相手の攻撃を見切ることはできない。結局、このクリンチにイライラしているみたいだ。
3R、ついにペトロシアンの怒りが爆発した。強烈な左ローキック、明らかに倒しに行く力強い右、左とストレートが飛ぶ。だが、ウルコフは頑丈のようで、ペトロシアンの攻撃を食らっても崩れない。有効な攻撃を与えないかわりに、自らももらわないのが特徴なのだろう。ザンビディスVSシャヒッドで名勝負が飛び出すなか、主役になるべき男は、中身の薄い判定勝ちで終わった。