【Challengers】7/23大会出場、ヘビーな大器デルロサリオ
ストライクフォースでは皇帝エメリヤーエンコ・ヒョードルがファブリシオ・ベルドゥムに敗れ、ブロック・レスナーはシェーン・カーウィンを破りUFC世界ヘビー級王座を統一。かつてないほどヘビー級のタレントが揃っているMMAワールドにおいて、23日(金・現地時間)、Strikeforce Challengersに出場し、ロロヘア・マヘと対戦するシェーン・デルロサリオは、ヘビー級新世代の中でも際立つ存在感を放っている。
【写真】チーム・オーヤマとロータス・クラブのロゴが入ったTシャルを着るシェーン・デルロサリオ。ロータスはサンパウロに拠点をおく柔術アカデミデー、ジヴァニウド・サンタナがチーム・オーヤマのブラップリングのメインコーチを務めている (C) MMAPLANET
MMA戦績9戦9勝、7つのKO勝ちと2つのサブミッションとパーフェクト・レコードを誇るヘビー級ファイターを、所属するチーム・オーヤマでインタビュー。WBCムエタイ世界ヘビー級王座を保持する特異なキャリア、そして将来について語ってもらった。
――チーム・オーヤマがノーリミッツにあった頃、キックボクサーとして、練習をしていた記憶があるシェーン・デルロサリオ選手ですが、いつからプロのファイターになろうと思っていたのですか。
「格闘技に関しては17歳のとき、趣味でマルコ・フアスのところで練習するようになった。でも、最初の4年はカレッジに通うことのほうが大切だったし、マルコのところでプロになろうと思ったことはなかったんだ。
ファイターになるために専念するようになったのは、カレッジを卒業した2006年に、コリン・オーヤマの下で練習するようになってから。コリンから『チャンピオンになれる』って言ってもらえたのも大きいし、この業界が上向きだったことも関係あるね。今、チーム・オーヤマでのコーチ以外、他の仕事はしていない。凄くラッキーで、もの凄くハッピーさ」
――プロのファイターになろうと決意したとき、MMAファイター、それともキックボクサーどちらを目指していたのですか。
「最初はK-1が目標だった。K-1は偉大なファイターが揃っていたし、素晴らしいプロモーションだったから、いつも試合をチェックするのが楽しみでしょうがなかった。今でも、いつかK-1に出場することができればって思っているよ。
もちろん、もっと強くなる必要はあるし、立ち技の経験を増やすことも必要だ。立ち技格闘技も、MMAも両方とも好きだし、今でもムエタイが大好きだ。ただし、MMAのファイトマネーの方が高額だということも考慮しないといけないからね」
――立ち技だけだと、WBCムエタイ世界ヘビー級王座にロッキー・ロサリオの名で今も就いていますね。
【写真】EXC時代08年9月にセヌマウタファン戦で、鋭いローキックを見せ、首相撲からのヒザも見るべきモノがあるシェーン・デルロサリオの立ち技だ (C) EXC
「2007年9月にチャンピオンになった。あのときの対戦相手は40戦して30勝ぐらい挙げているファイターで、僕はアマで2試合戦っただけだった。急に決まった初めてのプロの試合が世界戦だったんだ(笑)。
勝てるなんて思っていなかったけど、KO勝ちできた。ただ最初の防衛戦でKOばかり狙っていて頭に蹴りを喰らってベルトを失ったんだ。その次の試合でベルトを取り返したんだけど、一度負けたことで、ずっとスマートなファイターになれたと思う」
――ヘビー級ファイターとして、デルロサリオ選手は決して大きな方ではないですよね。
「減量してライトヘビー級に落とすことも考えたこともあったけど、レスリングの経験もないし、減量をしたこともなかったから、ウェイトトレーニングの量を増やして、体を大きくする選択をしたんだ。今、260ポンドあるし、リミットまで5ポンドというところまで体重は増えているよ。試合になると動きやすい体にするために、230ポンドぐらいに落とすことになると思う」
――ヘビー級は今、多くの有望選手が揃っています。
「まだ9試合しかしていないから慌てず、これからの2年でキャリアを20戦ぐらいまで伸ばしたい。そこでタイトルに挑戦できる機会が巡ってくればいいと思っている。とにかく今、僕が成すべきことは可能な限りたくさん練習し、目の前にある試合を一つずつ勝っていくことだ。
エリートXCが活動を停止したあと、契約をストライクフォースに買い取ってもらい試合の機会を与えられただけでなく、TV中継される場で戦うことができている。凄く幸運だよ。ストライクフォースはUFCに近い活動を行なってきているしね。戦っている選手のレベルもとても高くなっている。あと3勝ぐらい重ねて、ベルトを狙う集団に加わればいいね」
――ストライクフォースでは、ボビー・ラシュリーが試合が組まれるたびに、デルロサリオ選手が対戦相手にピックアップされるのに実現に至っていません。
【写真】ストライクフォース・チャレンジャーズでは、昨年11月にブランドン・キャッシュにスタンドでパンチを受けたが、ガードからのオモプラッタで肩を極め逆転一本勝ちしている (C) STRIKEFORCE
「どういう状況で契約が結ばれ、対戦相手が決まるのかを把握していない。可能性があるならいつだって戦う相手だよ。彼のチームの判断なのか、ストライクフォースの判断なのか、ここまで戦う機会はなかったけど、実現するならチャンスだよね。ボビー・ラシュリーのように経験はなくて、ビッグネームと戦うのは、僕のようなファイターには重要な機会になってくる。その後のステップアップやスポンサーの獲得にはもってこいだよ。
いずれにしても、今はロロヘ・マヘ戦に集中している。タフな対戦相手だからね。その後にボビー・ラシュリー戦が実現するのか、違う道が待っているのか、とにかく必死にトレーニングに努めるだけだよ(笑)」
――現在のヘビー級でデルロサリオ選手は自分自身がトップ10にランクされるファイターだと思いますか。
「誰がトップ10かなんて分からない。ただ、経験っていう要素はトップを目指すのに欠かせないものだ。僕には経験が足りない。だけども、1試合ずつ成長している」
――UFCではケイン・ベラスケスのように、デルロサリオ選手と変わらぬキャリアの持ち主に世界戦が回ってきていますが。
「ケイン・ベラスケスは本当に強いファイターだ。未来のUFCチャンピオンだよ。僕には僕のキャリアの重ね方があって、彼とは同じじゃない。今はとにかく試合を重ねて、経験を積んでいきたい。そして、一度トップになれば、ずっと君臨していられるようになりたいと思っている。そうすれば、ケインと戦う日もいつか訪れるだろう(笑)。
一つ一つキャリアを重ねていくのは、コリンの考えでもあるし、大きな舞台に飛びついて結果を残せない例もたくさん見てきた。『契約をしました』、でも1、2試合で解除されるなんてことになりたくないから、今は全く焦っていることはない。
しっかり練習し、一つひとつの試合に臨むつもりさ。26歳でそんなに若くないし、僕より年下で力をつけているファイターはいくらでもいる。28、29歳になった頃にトッププロモーションのメインカードで戦う。そして、ベルトを賭けた試合に挑むことができれば、言うことないね」
■Strikeforce Challengers 主な対戦決定カードは下記の通り
<ヘビー級/5分3R>
シェーン・デルロサリオ(米国)
ロロヘア・マヘ(米国)
<女子世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
サラ・カウフマン(カナダ)
ロクサン・モダフェリ(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
アボンゴ・ハンフリー(米国)
マイク・カイル(米国)
<ウェルター級/5分3R>
コーリー・ダベラ(米国)
ボビー・ヴォルカー(米国)
<ライト級/5分3R>
カーロス・フォードー(米国)
オスマン・トーマス・ジャーニュ(フランス)