【UFC85】ヒューズに挑むチアゴ・アウベス インタビュー
6月7日(土・現地時間)、ロンドンのO2アリーナで行われるUFC85。メインイベントはウェルター級新旧トップコンテンダー対決。元世界王者マット・ヒューズに挑む、チアゴ・ビッチブゥ・アウベスは、2005年のUFCデビュー以後、4戦で2勝2敗という中堅に位置するファイターだった。
【写真】5連勝中、ここ4試合は連続KO勝利を続けているチアゴ・ピッチブゥ。マット・ヒューズ超えにも自信満々 (C) MMAPLANET
「ヒューズは過去のチャンピオン。時代が変わったことを証明する」
Interview by Manabu Takashima
しかし、ATTにアンドレ・ヴィニシウスというフィジカルトレーナー、そして打撃コーチのモハメッド・オワリが正式加入すると、持ちえたポテンシャルを100パーセント発揮するように。2006年10月から5連勝中と波に乗る。
強豪揃いのUFCウェルター級戦線で、着実に結果を残し、キャリア最大のビッグファイトに挑むことになったチアゴ。その言葉の端々から、ヒューズ超えへの自信が感じられた。
――いよいよ、キャリア最大のビッグファイトであるマット・ヒューズ戦が近づいてきました。現在のコンディションはいかがですか。
「最高だよ。これまでで一番調子がいい。トレーナーのベンケイ(アンドレ・ヴィニシウス)が、とことん苛め抜いてくれたから、これ以上の仕上がりはないよ。ヒューズとの試合のような大舞台をずっと待っていたんだ。だから、一刻も早くオクタゴンに上がりたいよ。準備は万全だ」
――4月にカロ・パリシャンを破りました。あの試合、日本ではチアゴが不利だと思われていたのですが、一方的な展開で勝利することができました。
「カロは本当にタフな対戦相手だった。だけど、カロに勝つために彼を研究し、勝つためのハードトレーニングをこなしてきた。マット・ヒューズ戦も同じだよ。カロは柔道が得意だけど、マットはもちろんレスリングが最大の武器だ。彼のレスリングを研究し、自分の打撃、柔術のスキルを磨いて試合に備えている。マット・ヒューズのことは1~10まで理解できた。トップを奪い、殴りまくりKOするよ」
――ヒューズは足かけ6年に渡りウェルター級で世界王者に君臨していました。しかし、一昨年の11月にGSPに敗れて以来、どこか精彩を欠いているようにも伺えます。以前のようなオーラが感じられません。
「彼は世界チャンピオンだった。このスポーツの王者に長く君臨していた。そう、過去形だ。過去の話だ。MMAはこの1~2年で劇的に進歩している。若くて才能のあるファイター、つまりマット・ヒューズより強い人間が多く生まれているんだよ。
彼よりレスリングができ、柔術ができて、打撃できる。より完成されたファイターだらけになっている。彼は過去のチャンピオンで時代は変わったんだ。それを証明するために、彼をKOする。もちろん、それでもマット・ヒューズは強豪の一人だよ。ただし、彼の時代は終わったんだ。いくら彼がトップをキープできる力を今も持っているとしても、そこからの戦い方は以前のようにはいかない。戦い方を変える必要があると思うよ。前のままなら、即KOだ」
――マット・ヒューズの弱点はどこだと思いますか。
「良いレスラーで、柔術も知っている。特にトップからの攻めはなかなかのものだ。ただし、スタンドの打撃に難があることは明らかだよ。前足に体重を掛け過ぎている。僕がローキックを得意としていることは、彼も知っているだろう。でも、正しいタイミングで蹴ることができれば、彼の足は破壊され、もちろん僕の蹴り足を掴むことなんて不可能だよ。
そのうえフィジカル面でも今や、彼より僕の方にアドバンテージがある。きっと、僕の力強さにマット・ヒューズは度肝を抜かれると思うよ」
――この試合に勝てば、世界挑戦がグンと近づきますね。
「その通りだよ。マット・ヒューズを下して、世界に挑戦するよ。GSPは8月にジョン・フィッチと戦う。とにかく僕は次の試合でKO勝ちし、8月の勝者のチャレンジするんだ」
――GSPとフィッチ戦、どちらが勝つと思いますか。
「それは凄く難しい質問だよ。フィッチは物凄く強い。彼の強さは、僕は身をもって知っている。なんせ、僕は彼に敗れているんだから。GSPは、もうその強さについて僕がいちいち言及する必要はない。世界最強の王者だ。
どっちが勝つかは分からないけど、一人を選べというなら、ジョン・フィッチだ。
その理由は、彼がGSPより優れているからということではなく、僕が彼に負けているから。世界王者挑戦が、僕にとってリベンジ戦になるなら、これほど都合の良い話はないってわけさ。理由はそれだけ。もちろん、GSPのような完璧なファイターに勝つ魅力も十分にある。
でも、どっちと戦いたいかといえば、フィッチとやりたいんだ。だからこそ、マット・ヒューズに躓くわけにはいかないよ」
――ところで、そのマット・ヒューズ戦はロンドンで行われますが、ここフロリダからだと4時間の時差があります。体調管理で問題はありませんか。
「ロンドンで戦うのは初めてだし、ヨーロッパに行くのも初めて。でも、時差のある試合は、ラスベガスで経験している。こことベガスでは3時間の差があるからね、それは問題じゃない。ロンドンに着いて、すぐに汗をかけば時差なんて解消できるよ」
――それにしても、英語がものすごく上達しましたね。
「ハハハハ。アメリカン・ガールズたちが、僕の英語の先生さ。それと、子供用のムービーを見ているんだ(笑)」
■UFC85 BEDLAM 全対戦カード
・ウェルター級/5分3R
マット・ヒューズ(アメリカ)
vs チアゴ・アウベス(ブラジル)
・ミドル級/5分3R
マイケル・ビスピン(イングランド)
vs ジェイソン・デイ(カナダ)
・ウェルター級/5分3R
マーカス・デイビス(アメリカ)
vs マイク・スウィック(アメリカ)
・ミドル級/5分3R
ネイト・マーコート(アメリカ)
vs ターレス・レイチ(ブラジル)
・ヘビー級/5分3R
ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル)
vs ブランドン・ベラ(アメリカ)
・ミドル級/5分3R
ジョルジ・リベラ(アメリカ)
vs マルティン・カンプマン(デンマーク)
・ライト級/5分3R
マット・ワイマン(アメリカ)
vs チアゴ・タバレス(ブラジル)
・ウェルター級/5分3R
ホアン・ジュカォン・カルネイロ(ブラジル)
vs ケビン・バーンズ(アメリカ)
・ライトヘビー級/5分3R
ルイス・カーン(アメリカ)
vs ジェイソン・ランバート(アメリカ)
・ウェルター級/5分3R
ポール・テイラー(イングランド)
vs ジェス・リアウディン(フランス)
・ヘビー級/5分3R
アントニー・ハードンク(オランダ)
vs エディ・サンチェズ