この星の格闘技を追いかける

【Bellator115】4Rのスタミナ温存が効き、ミナコフが王座防衛

<Bellator世界ヘビー級選手権試合/5分5R>
ヴィタリー・ミナコフ(ロシア)
Def.3-0:48-46, 48-46,48-46
シーク・コンゴ(フランス)

サンボ世界選手権4連覇、MMA13連勝でベラトール世界ヘビー級の頂点を究めたミナコフが、元UFCファイターのコンゴを相手に初防衛戦に臨む。ラ・マルセイエーズを入場曲にケージに足を踏み入れたコンゴ、王者ミナコフもRUSSIAという大きなロゴが入ったスポーツウェアを纏って入場した。

右ストレートから左ミドルをミナコフが見せると、これが急所に当たり試合はすぐに中断する。いきない冷や水を浴びせられたような展開に観客席からはブーイングが起こる。再開後、ケージ際を回るコンゴに右を伸ばしたミナコフ、挑戦者も右を返す。間合いを取り直したミナコフがケージ中央から組みついて、大内刈りでテイクダウンを奪う。右足を抜いたミナコフに対し、右腕を差し上げたコンゴがヒザをついて立ち上がる。

直後にミナコフが放った左ヒザが再び、今後の急所へ。腰を落して、今度はリカバリーに時間を掛けるコンゴ。ミナコフにペナルティ、マイナス1Pが与えられる。残り2分30秒、右から左を伸ばしたコンゴが前に出るが、ミナコフの右ストレートでダウン。と、王者はここでアキレス腱固めへ。殴られそうになりながらも、ヒールに移行した王者は、すぐに極めにはいかず、コンゴの対応を見る。そのまま極めでなく、トップを選択したミナコフがハーフからパンチを落していく。潜ろうとするコンゴの顔を殺したミナコフが、左のパウンドを顔面に落す。ここで初回が終了となり、マイナス分を入れて9-9のイーブンのラウンドとなったか。

2R、テイクダウンのフェイントを混ぜてプレッシャーを与えるミナコフ。ミアコフが右ストレートから組みつくも、コンゴがケージに押し込んでボディロックからテイクダウンに成功する。シッティングガードから柔術立ちでスタンドに戻った王者、コンゴはケージを背にしてヒザを突き上げる。続くミナコフのヒザ蹴りがボディに入ったように見えるが、コンゴは急所に当たったような気配を見せる。

自己判断で試合を止めたミナコフは、コンゴが臨戦状態に入ってから戦闘再開へ。コンゴは右ミドルを放つが、左ミドルから右ストレートを被弾し組みつく。離れたミナコフは、コンゴの左に右を伸ばすと、クリーンヒットはしなかったにも関わらずコンゴが下がる。誘いか、不可解な動きが目立つコンゴは、右ストレート受けて組みつくも、すぐにテイクダウンを許す。マウントから背中を見せたコンゴのバックを制したミナコフ、シングルレッグで前方に落され、両者が立ち上ったところで、2Rがタイムアップに。

3R、コンゴの右ストレートをヒットしラッシュを掛けるが、ミナコフが組んでテイクダウンへ。ハーフからケージを背にして立ち上がろうとする挑戦者、尻餅をついた状態が続き細かいパンチを受ける。レフェリーが積極的に攻めろと指導すると、正座状態で足を一本挟んだミナコフが左右のフックを振り回す。先に起き上がったミナコフがヒザを入れるも、コンゴはダブルレッグからトップを取り返す。王者のボディにヒザを入れるコンゴは、ショーツを掴んで注意を与えられる。

残り90秒、スタンドに戻った両者、再びダブルレッグでコンゴがテイクダウンを狙うも、ミナコフも腰と股間の下に手を回してクラッチ、横回転でトップを取る。サイドから左ボディにパウンドを落す王者、コンゴは下からヒザを見せ、ケージを蹴るが抑え込まれたまま、このラウンドを戦い終えた。4R、先にコンゴがテイクダウンに成功する。起き上がった両者、コンゴはダブルレッグで再度テイクダウンを奪う。王者は立ち上がろうとするが、両足を束ねられており、スタンドに戻ることができない。この状態でショーツを掴んだとして、またもコンゴに注意が与えられる。キムラロック、スイッチで起き上がろうとするミナコフだが、ここでも足を抱えられてグラウンドに釘付けにされる。

同じ攻防を続ける両者、ミナコフの疲労が目立ってくる。背中を預けないで立ち上がろうとするミナコフだが、ここは背中を譲ってすぐに胸を合せていくなど工夫が欲しい。ばかりかついに背中をマットにつかされたミナコフ、ここでブレイクが命じられる。残り15秒のスタンド戦、ヒザを受けたミナコフがテイクダウンを奪ったところで4Rが終了した。

前のラウンドでミナコフはスタミナをロスしたのか、それとも温存していたのか。最終回、両者の汗がタオルでふき取られてスタートする。シングルレッグからいきなりテイクダウンしたミナコフ、ハーフから細かい左のパンチを落す。トップコントロールに重点を置いたミナコフ、4Rはスタミナのロスを自覚し、その温存に徹して切っていたようだ。

場内にブーイングの嵐が吹き荒れるなか、ハーフでトップを守るミナコフ。コンゴも抱えに掛かり、ブレイク待ちか。残り2分でマウントへ移行したミナコフが、右の重いパンチを連打する。足を戻したコンゴは、強引なギロチンも効果はない。再度マウントを取ったミナコフが、左右のパンチを落す。さらにエルボーに繋げた王者は、そのままマウントを取った状態で試合終了を迎えた。結果、裁定は3-0で王者に。「最強の相手に勝てた。僕が真の世界王者だ」と初防衛に成功したミナコフは語った。

PR
PR

関連記事

Movie