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【PFL2022#10】制空権を守り通した大穴サディオウ・シが、ウェルター級を制し100万ドル獲得

<ウェルター級決勝/5分5R>
サディボウ・シ(スウェーデン)
Def.3-0:49-46.49-46.49-46
ディラノ・テイラー(米国)

長身&リーチで上回るサウスポーのシがダ左ミドルハイ、テイラーは前に出て右を伸ばす。シが鋭い左ミドルを決め、左ハイへ。テイラーのステップインにカウンターを狙うシは、磨き上げた難攻不落スタイルを貫く。蹴りで突き放し、前に出させてカウンターというシに対し、テイターは左ミドルを再び蹴られる。シはロー、ハイ、ミドルと蹴り分け、距離を維持。テイラーは迂闊に前に出ることができない。ケージに詰まる位置になると、サイドにすっと回るシはオーソに構えを変えてローを入れ、スイッチして左ミドルハイ──予習で初回をリードした。

2R、テイラーが飛び込んで右ストレート。下がってかわしたシは、右カーフを蹴られる。シは左ミドル、テイラーは蹴り終わりを詰めたいところだ。左ミドルで前進を阻まれるテイラーは前足への蹴りはチェックしたい。インローを蹴られたテイター、さらに左ミドルを受ける。ワンツーで飛び込んでも、シは背中を見せて走り間合いを取り直す。と、テイラーが右を見せて組み、ケージへ。リズムを変える良い攻撃だ。

ケージ中央までクリンチ合戦は続き、離れたシが左ローとミドルを蹴る。とはいえ、一度組まれたことでシの距離の取り方も初回ほどクリアでなくなってきた。テイラーは左ミドルを足を上げてカットし、右ストレートから右ハイで前に出る。手を下げ、サイドステップで回ったシだが、初回ほど余裕はなくなっていた。

3R、左ミドルハイにもシングルに出たテイラー。反転して足を抜いたシは、右ハイを狙う。左ミドルに前に出る姿勢を見せたテイラーは、左ハイから左ローを蹴っていく。テイラーは敢えてツーステップを踏むなど、リズムを変えていく。シは左ミドルを捌かれ、前蹴りをボディに受ける。テイラーはワンツーから組んでヒザ蹴り、離れて左ミドルを蹴られる。ジャブをヘッドスリップでかわしたテイラーが左を伸ばし、右を振るってクリンチへ。相四つでのヒザの蹴り合いから離れると、シが右フックを空振りする。残り10秒で、テイラーはローシングルをかわされた。

4R、素早いジャブからテイラーが前に出て右を伸ばす。ローを見せ、左に回るシが自らシングルレッグに出る。ここも相四つのクリンチ合戦となり、両者同時に離れる。右を伸ばし、左フックを見せたテイラーが左ジャブを届かせる。さらにステップからスイッチして、拳が届く距離に入ったテイラーだが、右を空振りしシが足を使って回る。

テイラーはシの蹴りに突き放されることなく、距離を詰める。続くクリンチでヒザを腹に入れて離れたテイラーが右を振るって組む。間合い取り直し、シが左ミドル。左ローにはテイラーが左を合わせていく。リードフックを当てたテイラーが、足を使うシを追いかけてジャブを伸ばす。そして左ミドルを入れるなど、この流れはジャッジがテイラーに入れることも十分にあり得る。最後は両者が胸を合わせて、ボディを打ち合うなどシの距離では完全になくなっていた。

最終回、右を伸ばしスイッチしたテイラーが前に出る。さらに右を伸ばし、サークリングのシが左ハイを2度見せる。シールドの役目を果たせなくなってきたシの蹴りだが、ミドルは決まる。とはいえ拳の攻撃がなく、回るシをジャッジは支持するのか。テイラーも明確なポイントが欲しいなか、シがテイクダウンを狙って組みつく。両者譲らず、クリンチから離れるとシがここも左ミドルを蹴る。飛び込んで右を打つテイラー、ダブルでジャブを繰り出し、シも右ジャブをタッチさせる。テイクダウン狙いでつり、左ハイを狙ったシだが当たらず、テイラーが蹴りから前に出る。シは左ミドルを決め、サークリング。最後に左ミドルを2発見せ、時間とともに大きく手を挙げて勝利をアピールした。

結果、ジャッジ3者とも49-46でシを支持し、レイ・クーパーやローリー・マクドナルド、マゴメド・マゴメドケリモフがいるウェルター級で大穴が頂点に立った。


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