【TUF China Finale】日沖発 「感謝の気持ちしかありません」
【写真】額の右上部、たんこぶともにカットもあり5針も縫った日沖だが、安堵感に包まれていた試合後の様子だった (C)MMAPLANET
1日(土・現地時間)、TUF China Finaleでアイヴァン・メンジヴァーを判定で破り、2年振りの勝利を手にした日沖発。
エルボーを受け、かなりの流血に見舞われた日沖がマカオを離れる前に、現在の心境を訊いた。
――とにもかくにも、おめでとうございます。
「ありがとうございます。ホッとしています」
――しかし、UFCという戦場は易しい場はないと改めて思わされる試合でした。
「ハイ」
――作戦はどのようなものだったのですか。
「スタンドで距離をキープしながら、タイミングを見て四つで組んでテイクダウン。ポジションを取ってフィニッシュを狙っていく。フィニッシュできなくても、そうやって攻めることでラウンドを取っていくという作戦でした」
――距離から組みに関しては、最初のバックを取ったところ以外は、なかなか日沖選手の間合いで戦えていないという風に見えました。
「そういう場面が多かったですね。組みも虚を突くという風ではなかったというのもあります」
――1RのRNC、2Rの腕十字。メンジヴァーは上手く対処していました。
「フィニッシュを狙うと力を使い過ぎる嫌いがあるので、チョークの時はそこで迷いました。多少力も使ってしまいましたし、中途半端でした。以前、取りにいってエネルギーを消耗してしまったこともあり、最近は取り切れていないので迷いが出てしまったのかもしれないです」
――腕十字はバック・フックから凄く綺麗な流れに見えましたが……。
「アレはもう少し早く反対の足を掛けることができれば、極めることはできたかと思います。でも、逃げるのも上手かったです」
――極めを狙ったことで、3Rに影響が出たことはなかったですか。
「疲れて何もできないということはなかったので、それは想定内ではありました。右フックを貰ったのも、そこまで効いてはいなかったですけど……、3Rは動きが悪かったです」
――ただし、動いた最初の2Rがあって逃げ切ることができました。
「試合全体で反省点はまた見えました。しょうがないです、相手があってのことなので。言い訳じゃないですけど、かなり研究もされていました。四つの逃げ方とか、離れ際のヒジも狙っていたみたいですし、寝技でも極めをディフェンスするという意識が相当ありました。相手もタフでしたし、反省点は当然あります」
――逆に上手くいったと思えた部分は、どこですか。
「上手くいったと言えるのかどうか分からないですけど、使い過ぎずに冷静に戦えたところですね」
――前蹴りとかに全く客の反応がなく、メンジヴァーの大きなハイキックが盛り上がる。ジャッジに影響がでないか、嫌な雰囲気もありました。試合が終わった時、判定は取れたと思いましたか。
「行けたんじゃないかと思いましたけど、それは分からないことなので不安もありました。でも、自分のなかでは勝ったんじゃないかという気持ちでした。観客のことは、気にせずに、自分のペースで戦うことに集中していましたね」
――2年振りの勝利、日沖選手が勝ち名乗りを受けることを待ちわびていたファンに一言お願いします。
「負けが続いて、もう日沖は終りだと思った人達もいると思います。そんな状況でも、期待し続けてくれた人達には本当に感謝の想いしかありません。仲間も……、手伝ってくれたチームの皆にも本当に感謝です。また、これからも『期待したい』とか、『試合が見たい』と思われる選手でいられるように精進していきます」