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【RTU ASIA2022】宇佐美正パトリックの対戦相手アンシュル・ジュビリが語るインドMMAの強さ「精神力」

【写真】プロキャリは5勝0敗。アマで13勝0敗のレコードを持つ(C)MMAPLANET

10日(金・現地時間)、シンガポールはカレンのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるRoad to UFC ASIA Episode03で宇佐美正パトリックと戦う、アンシュル・ジュビリと対戦する。

今や人口が14億に達しようかというインドで、国境警備隊の父を持つジュビリは祖国の急激なMMAの成長の陰に強い精神力があると語った。現状、日本、韓国、中国の争いになるというのが大方の予想のRoad to UFCでインドネシア勢と並びアンダードッグと目されているインドのMMAファイターが、UFCとの契約に向けての自信のほどを語ってくれた。


──Road to UFCでの宇佐美正パトリック選手との試合が1週間後に迫ってきました(※取材は6月3日に行われた)。今の調子はいかがですか。

「とても幸せで、喜びに満ちているよ。インド人ファイターが、こんな機会を手にデキたこと自体がとても嬉しい」

──そんなアンシュルがMMAを始めたきっかけは何だったのでしょうか。

「MMAを始めたのは4年前だよ。MMAのファンで、自分でもやってみたくなったから始めたのさ。ただ、僕のホームタウンにはMMAの練習ができる環境が整っていなかったから、ボクシングジムで練習をするようになった。でも友人とMMAの勉強をして、柔術も習うようになった。その後プロとしてやってきたかったのでジムを移り、フルタイムでトレーニングできる環境でMMAの試合に臨むようになったんだ」

──それ以前に何か格闘技の経験はあったのですか。

「僕が言えるのは、ストリートファイトの経験だけかな(笑)。僕のバックグラウンドは喧嘩だよ。中学、高校といつも怒りを内包しているような感じだったけど、MMAと出会って落ち着くことができたんだ。そしてストリートで喧嘩するなんてあほくさいと思うようになった。僕はプロのファイターだからね」

──もう10年前にチャンディーガルでSuper Fight Leagueの取材をしたことがあります。

「ホントなの? 凄いねぇ」

──あの時は正直、まだまだインドでMMAは普及していなかったです。現状はどれぐらいポピュラーになっているのですか。

「凄く成長しているよ。3、4年後にはUFCや他のMMAプロモーションでもチャンピオンが生まれるだろう。インドはレスリングとボクシングが普及していて、レスラーやボクサーがMMAに転向するケースが増えてきている。だから、チャンピオン誕生までそれほど時を必要としないとはずさ」

──現状、インド系ファイターが国際的な舞台で戦う場合はカナダや米国籍、あるいは中東やシンガポールに住む選手が多いです。インドで生まれ育ったファイターとなると、あのリトゥ・フォーガットがONE、モハメッド・ファハッドがBRAVE CFで戦っているぐらいかと。

ジュビリのマネージャーのスメシュ・カムラ。インドのUFC中継で解説をしているそうだ

スメシュ・カムラ(ジュビリのマネージャー) 確かに今はそういう感じだよ。

しかし、まだ始まりに過ぎない。アンシュルやパワン・マーン・シン(※同じRoad to UFC出場)はもっと良くなる。彼らが活躍することで、MMAがインド国内でより普及するだろう。ほんの少し前まで、誰もインド人ファイターがUFCで戦えるなんて思ってもいなかった。でも、2017年にインド生まれのファイターとして初めてバハラット・カンダールがUFCと契約した(※巌流島出場。UFCでは1敗でリリース)。アンシュルやパワンはもっと活躍できる。

今、若くて情熱のあるファイターにその扉が開かれようとしているんだ。アンシュルが言ったように、ここから3、4年でインドで生まれたファイターが世界の舞台に進出していくようになる。

──その大切な一歩となりますが、アンシュルはRoad to UFCを勝ち抜く自信はどれだけありますか。

「200パーセントだよ。今回の試合もそう。今はパトリックとの戦いに集中しているけど、この試合をドミネイトして勝ち、トーナメントで一気にUFCと契約できるまで駆け上がるよ。自分の力の全てを出し切るつもりさ」

──まだインドではMMAは新しいスポーツですが、日本のMMAについてアンシュルはどのような印象を持っていますか。

「日本のMMAは歴史が長い。だから選手も強い。UFC前は日本のPRIDEが一番の大会だったというのは知っているよ」

カムラ PRIDEはUFCにダン・ヘンダーソンやランペイジ・ジャクソン、ヴァンダレイ・シウバ、アントニオ・ホドリゴ・ミノタウロなどベストファイターを送り出した。ヒョードルはサインしなかったけどね。そう、ミルコ・クロコップもいたね。

──そんな日本のMMA界の新鋭パトリック選手の印象を教えてください。

「いつの試合か分からないけど、1試合はチェックした。コーチ達と対策も練ってきたよ。パンチが強いストライカーだね。テイクダウンディフェンスも上手い。若くてとても良い選手だと思う。

だからこそ僕らの試合は一番エキサイティングなファイトになるだろう。Road to UFCには優れた対戦相手が揃っていて、彼らと戦うことが楽しみでしょうがない。ただし僕の方が打撃、グラップリング、柔術の全てでパトリックを上回っている。全ての居面で僕の方が上だと思っている」

──インドのMMAは日本にその全容が伝わっておらず、そのことでファンもインド人選手のことを軽視しがちかと思います。

「日本のファンが僕でなく、パトリックが勝つと思うのは当然だよ。でも、僕を相手に戦うんだから彼は負けないといけない(笑)」

──ではインド人選手の強さはどこにあると思いますか。

「ハードワーカーなこと。決して勝負を諦めない。僕は山岳部のウッタランチャルで育った。インド人はどこの国の人たちよりハードワーカーだけど、タフな生活を強いられる僕らの地域の人間は精神力が強いと思っている。だからインドのMMAは急激に成長することができた。修得する技術が多いMMAを戦ううえで、一番大切なのが精神力だ。強い気持ちこそ僕らの最大の長所だからインドではキックボクシング、柔術ともにとても成長しているんだ。技術的な成長の陰には、強い気持ちが存在しているんだ」

──インドのMMAの練習やコーチは、映画「ダンガルきっと、つよくなる」に登場したフォーガット姉妹の父マハヴィルのようにスパルタなのでしょうか。

「その傾向はあるよ(笑)。若者が何かスポーツを始めると、ダンガルのような道を乗り越えないといけない。常にトレーニング漬けだ。でもプロでやっていくにはハードなだけでなく、スマートでなくては生き残れない。だから、MMAでは科学的な練習が行われている。でもその前提にダンガルに見られたようなハードトレーニングが存在している」

──アンシュル、今日は我々がまだ知らないインドのMMAについて教えてもらいありがとうございました。最後に日本のファンに一言お願いします。

「僕もパトリックも同じように、この試合でベストを尽くす。君たちの国の選手と、国のプライドをかけて戦う。良い試合になるから、楽しんで欲しい。そして僕らを応援してくれたら嬉しい。サンキュー、ナマステ」

■視聴方法(予定)
6月9日(木・日本時間)
午後3時30分~ABEMA格闘Ch

Episode01
午後3時30分~UFC FIGHT PASS
Episode02
午後6時30分~UFC FIGHT PASS

6月10日(金・日本時間)
午後3時30分~ABEMA格闘Ch

Episode03
午後3時30分~UFC FIGHT PASS
Episode01
午後6時30分~UFC FIGHT PASS

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode01対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
SASUKE(日本)
イー・チャア(中国)

<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
パラチン(中国)
キ・ウォンビン(韓国)

<Road to UFCバンタム級準々決勝/5分3R>
風間敏臣(日本)
クルムアリ・マイマイティトゥハティ(中国)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
チェ・スングク(韓国)
ラマ・スパンディ(インドネシア)

<ライトヘビー級/5分3R>
チャン・ミンヤン(中国)
トゥコ・タクコス(ウクライナ)

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode02対戦カード

<Road to UFCバンタム級T準々決勝/5分3R>
シャオ・ロン(中国)
キム・ミンウ(韓国)

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
松嶋こよみ(日本)
ホン・ジュンヨン(韓国)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
チウ・ルェン(中国)
ウォーレン・デルロサリオ(フィリピン)

<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
アイリヤ・ムラトベク(中国)
パワン・マーン・シン(インド)

<フライ級/5分3R>
ショーン・エチェル(豪州)
内田タケル(日本)

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode03対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
シェ・ビン(中国)
イ・ジョンヨン(韓国)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
堀内佑馬(日本)
トップノイ・キウラム(タイ)

<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
アンシュル・ジュビリ(インド)
宇佐美正パトリック(日本)

<Road to UFCバンタム級準々決勝/5分3R>
中村倫也(日本)
ググン・グスマン(インドネシア)

<女子ストロー級/5分3R>
ソ・イェダム(韓国)
ジョセフィン・クヌトゥソン(スウェーデン)

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode04対戦カード

<Road to UFCバンタム級T準々決勝/5分3R>
野瀬翔平(日本)
ウリジブレン(中国)

<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
キム・ギョンピョ(韓国)
アスクルバイ(中国)

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
ルー・カイ(中国)
アンガ・ハンス(インドネシア)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
パク・ヒョンソン(韓国)
ジェレミア・シレガー(インドネシア)

<ウェルター級/5分3R>
ジョン・アダハー(フィリピン)
キム・ハンソル(韓国)

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