【ONE156】Must Watch !! ボカンと対戦、ジャレッド・ブルックス「グランビーロールからスクランブル」
【写真】終盤部分など、インタビュー中に涙がこぼれそうになってしまった…。好漢としか表現ができないようになったジャレッド・ブルックス (C)MMAPLANET
22日(金・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE156「Reloaded」でジャレッド・ブルックスがボカン・マスンヤネと対戦する。
ストロー級王者ジョシュア・パシオへの挑戦権を賭けた戦うストロー級トップ対決だが、ブルックスはマスンヤネの運動神経の良さを認めても、MMAで自分と渡り合えることはないと絶対の自信を持っている。
その自信の源は彼のベースが、フォークスタイルレスリングであることだった。
──ボカン・マスンヤネ戦が決まったジャレッドですが、その前に前回の箕輪ひろば戦を振り返ってもらえますか(※取材は4月6日に行われた)。
「とにかくミノワにとって、厳しい状態を強いること。そういう状況に置き続けようと戦った。ミノワは3Rを戦い抜くファイターだ。僕も3Rはハードにフィニッシュしようとしたけど、ならなかったし勉強になったよ。ミノワとの試合は、ボカン戦に役立つだろう」
──階級、ルールセットと北米MMAよりONEはジャレッドに適している。そう確信できた2試合目でした。
「絶対的に、ね。僕は通常体重が120ポンド程度で減量なしに戦っている。だから、破壊力のある戦いができる。そうしたらすぐに『ステロイドパワーだ』なんて揶揄されるんだ。僕はジューサーじゃない、ただ減量の必要がないだけなんだ。
6歳からレスリングをやってきた。その力が十分に出し切れる階級で戦っている。グリップが特別強いんだよね。父もそうだし、ファミリーの特徴でもあるんだ。レスリングで養ったグリップの強さは、グラップリングに生きてくる。それがMMAにおける僕の強さになっているんだ」
──北米MMAとONEでは実質的に1階級上のクラスですし、もう同じ階級でない。ルールも違う。厳密にいえば違う競技です、既に。
「でもね、ONEだけでなく北米もジューサーだらけだよ。僕は自分がクリーンであることに誇りを持っている。でも、ジョシュア・パシオも僕がステロイドを使っているって言っていたんだよ」
──えぇ、ジョシュアがですか!!
「インスタグラムで、注射器の写真をアップしやがった(笑)」
──OMG!! ジョシュアが、そんなことをしたのですか。そんなことをすると、カウンターアタックが待っていますよ……。
「彼がどうだか僕は知らないけど、そういうことを言うならお前らはどうなんだって、言われるのがオチだよ──このスポーツは。誰だって疑われるんだから。だってジョシュは、125ポンドで戦うのに普段は何キロなんだよってね(笑)。どうせ、140ポンドぐらいから落としてきてんだろ(笑)。例えハイドレーションがあったってね。僕は今、体重計に乗って122ポンドだった。血もサラサラしているよ(笑)。
でもジョシュア・パシオが僕と戦うなら、ステロイドを使うべきだ。そうでないと相手にならないよ(笑)」
──……。とにかく、次の対戦相手はボカンです。この試合は世界タイトル戦ではないですが、ストロー級最強決定戦という声もあります。
「そうは思わないよ。ボカンはそう言われるだけのことをやり遂げていない。彼のキャリアをけなしているんじゃないよ。信じられないぐらい運動神経もが良いし。でも、ボカンが勝って来た相手は誰なんだって話だよ。サワダに勝って、次はレネ・カタラン。43歳とかだよね。その年齢まで戦っていることは素晴らしいよ。でも、彼に勝ったことで最強云々と言われるのは早い。
運動神経だけで勝ってきたのは凄いことだけど、個人的にONEストロー級のトップ3は僕、パシオ、そしてセンゾー・イケダ、もしくはジャレミー・ミアドだと思う。ボカンのレスリング力は認めるけど、最高にハードでエンターテイメントな試合をするのは僕ら4人さ」
──ただし、強さは認めているということですね。では両者がファイトの軸となるレスリング能力でボカンが上回ると、ジャレットはいつものように打撃と柔術を使えない可能性があるかと。
「ボカンはね、グッドなフリースタイルレスラーでありグレコローマンレスラーだよ。僕は中西部のカーニバルレスリング、フォークスタイルレスリングを続けてきた。フォークスタイルは柔術とスクランブリングに強く関係している。きっとボカンは僕を他の選手に決めたように投げることはできない。組みついてきた時、どれだけ僕がパワフルなのか気付くよ。
彼ができることはバックをとること。そして、そのままキープすることだけだよ。でもグランビーロールを続けて、スクランブルに持ち込む。その攻防でボカンは疲れる。そうだね、約束するよ──仮に1Rで僕がKO勝ちできなくても、ボカンは2Rと3Rにはもうテイクダウンを仕掛けてくることはできない。エルボー、ニーの餌食になる。ホント、もうボカン対策は出来上がっているんだ」
──ボカンにバックは譲っても、パンチもサブミッションもないと?
「さっきも言ったけど、グランビーロールや普通にスイッチして、ボカンはバックコントロールを続けることができない。組むにしても、僕のほうがリーチが長くてテイクダウンの前の攻防の際に打撃でリードできるしね。良い試合がしたいけど、そういうことで彼にはハードな試合になるだろう」
──自信満々ですね。
「めちゃくちゃ自信はあるよ。もう2カ月、練習してきた。ジャスティン・スコッギンスと練習してきて、打撃も精度が上がっているんだ。ボカンは打撃で僕より劣る。レスリングも僕の方が上だ。彼が僕を上回っている点は……スピードかな。そこだけだよ。ただ僕が遅いわけじゃい。まぁ、どんな試合になるのか見てのお楽しみだよ」
──ジャレッド、今日も楽しい話をありがとうございました。最後に日本のファンに一言お願いします。
「僕は日本の皆を愛してやまない。WSOF GCで初めて日本に行った時から、一度として日本の皆から変な扱いを受けたことがないんだ。全てが良い思い出になっている。僕がパンクラスに行った時なんて、逆に酷い態度をとっていたよ。それでも日本のファンの皆は、僕を好意的に見てくれた。まだ尻の青いガキだったんだ。それなのに皆は僕に優しい目を向けてくれて、RIZINで日本に戻った時も声援を送ってくれた。日本で初めてインタビューをしてもらった。日本での全ての出来事に感謝している」
──ジャレッド、日本のファンも「あの悪ガキがそんな風に言ってくれるようになったか」と嬉しくて仕方ないはずですよ。
「そう言ってもらえると、本当に嬉しいよ。ところでケント・カンベはどうしているんだ? 試合をしている様子がないんだけど」
──神部選手は2015年の12月以来、負傷してから復帰を目指して練習を再開するとまた負傷するという状態が続き試合に出ていないです。ただ、今も戦うことを視野に入れて練習を続けています。
「そうなのか……カンベがそんな、状況だったとは知らなかった。もし、良かったらこのインタビューを通して彼にメッセージを伝えてくれないか」
──もちろんです。
「ケント・カンベ、ジャレッド・ブルックスだよ。たくさんケガをしても、まだ諦めないで前向きでいると聞いたよ。また……その戦いを克服して、ケージに戻れるから。そう、ケージで少しでも早く会おうじゃないか。個人的にもお前とはケージで再開したい。いいかい? 俺たちのパンクラスでの因縁はまだ終わっていないぜ。とにかくケージで会おう。そうならなくても、ブラザー──君がハッピーでヘルシーであることを願っている」
■放送予定
4月22日(金・日本時間)
午後5時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後6時~ONE Supper App
■ONE156対戦カード
<ONEキックボクシング世界ライト級選手権試合/3分5R>
[王者]レギン・アーセル(オランダ)
[挑戦者] アリアン・サディコビッチ(ボスニアヘルツェゴビナ)
<ONEムエタイ世界女子ストロー級王座決定戦/3分5R>
スミラ・サンデル(スウェーデン)
ジャッキー・ブンタン(米国)
<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ボカン・マスンヤネ(南アフリカ)
ジャレッド・ブルックス(米国)
<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
リアム・ハリソン(英国)
ムアンタイ・PK・センチャイ(豪州)
<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
チェン・ルイ(中国)
ソン・ミンジョン(韓国)
<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
川原波輝(日本)
ダニエル・ウィリアムス(豪州)
<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
猿田洋祐(日本)
グスタボ・バラルト(キューバ)
<キック・ライトヘビー級/3分3R>
アンドレイ・ストイカ(ルーマニア)
ヤンニス・ストフォリディス(ギリシャ)
<ムエタイ・女子ストロー級/3分3R>
アニッサ・メクセン(フランス)
マリー・ルーメット(エストニア)
<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ウインジソン・ハモス(ブラジル)
ウ・ソンフン(韓国)
<女子ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
三浦彩佳(日本)
ダヤニ・ソウザ(ブラジル)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
アブラォン・アモリン(ブラジル)
パク・デソン(韓国)
<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
アギラン・タニ(マレーシア)
ジン・テホ(韓国)
<グラップリング・143ポンド(64.86キロ)契約/15分1R>
マイキー・ムスメシ(米国)
今成正和(日本)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ケアヌ・スッバ(マレーシア)
ジェームス・ヤン(米国)