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【Bellator279】世界に立ち向かうJ-MMAファイター(03)堀口恭司「ミックスは戦い辛い相手ではあります」

【写真】少し伸びかけのレアな髪形──無頓着ではない泰然自若な堀口だ (C)MMAPLANET

23日(土・現地時間)、ハワイ州ホノルルのニール・S・ブレイズデール・アリーナで開催されるBLLATOR279で堀口恭司がパッチー・ミックスとフェザー級ワールドGP準々決勝を戦う。

昨年12月のまさかの逆転KO負けをセルジオ・ペティスに喫してから4カ月。そのペティスの負傷欠場で、ワールドGPは暫定バンタム級王座を争う場となった。ペティス欠場も対戦相手の決定が後手後手だったことも、全てをポジティブに捉える肯定脳──こそ、堀口の強味だ。

ハワイ2Daysで開幕するBellatorフェザー級ワールドGPは堀口恭司×パッチー・ミックス、もう1試合は世界バンタム級のベルトが賭けられた王者セルジオ・ペティス×挑戦者ラフェオン・スタッツが組まれていた。

2022年、春~世界に立ち向かうJ-MMAファイター特集~。第3弾は、BELLATORバンタム級ワールドGP制覇と、世界バンタム級王座返り咲きを狙う堀口恭司に話を訊いた。


──堀口選手、バンタム級ワールドGPの初戦パッチー・ミックス戦があと2週間強と迫ってきました。「!」、 少し髪の毛が伸びていませんか。

「ハイ。もう、全然気にしていなかったので。ちょっと伸びてしまって(笑)」

──でも米国で髪の毛を切ると、角刈りみたいにならないですか。

「ハイ、なんかカクってなりますよね(笑)」

──いやぁ、でもこういうとアレですがヘルメットを被っているみたいになっていますね(笑)。

「ホントですか、アハハハハ。本当に全然気にしていなかったので」

──ところでハワイでのGP初戦、相手はミックスというのはいつ頃に聞かされていたのでしょうか。

「オファーがあったのは……2カ月前ぐらいですかね。でも、対戦相手はなんか、米国のサイトで発表されて、そこでパッチー・ミックスになるんだって。で、その翌日にBellatorから正式に連絡が来た感じでした。なんか、どういう順番なのかも分からない感じで」

──でも気にしない……と。

「そうですね、全く気にならなかったです(笑)」

──やはり。ところでハワイのニールブレイズ・センターは2003年に山本KID徳郁選手が、ジェフ・カーランを相手に戦った場所です。

「へぇ、そうだったんですか」

──それを聞いても、特に響くモノはないですか。

「う~ん、どこで誰が戦ったから何かあるかってのはないです。それをいうなら、さいたまスーパーアリーナでもKIDさんは戦っていたし」

──確かに、そうですね。ではハワイという場所で戦うことにも何も感じるモノはない?

「ないですね。でもハワイは……」

──ハイ、ハワイは?

「初めて行った海外なんです。高校の時の修学旅行で」

──……。しかし、高校の修学旅行がハワイですか!!

「ヨーロッパとか5つぐらい候補があって。その中の一つを選んでいくんですけど」

──作新学院、どんなお坊ちゃん学校なのですか!!

「お坊ちゃん、アハハハハ。そんなことはなかったですよ。自分はただ、どんなところだろうって思ったのがハワイだったんです」

──何かハワイでの思い出はありますか。

「あのファイヤーダンスってあるじゃないですか、アレを見に行った時に、ろくすっぽ見ていなくて友達と喋って笑っていたら、踊っている人が『バカにしてんのか?』みたいなに怒ってきて、銛か槍みたいなのを向けられました(笑)。他のヤツも笑っていたのに、なんか自分にだけにやってきて。ショーの一環かなって思っていたら、ガチ切れしてきて」

──アハハハハ。ふてぶてしい笑顔だったのですよ。

「言葉も分からないし、もう何も反応もできないスよ。何をあんなに怒っていたのか、今も分からないです」

──微妙なハワイの思い出はともかく、パッチー・ミックスと戦うことが決まった時はどういう風に思いましたか。

「まぁ寝技の強い選手ですよね。柔術系っていう感じで」

──打撃が苦手な風もあるかと思いますが。

「ただ、こっちに打撃をさせないリーチの長さや背の高さがあるので……パッチー・ミックスは、戦い辛い相手ではあります」

──極めの強さにも警戒は必要です。

「手足の長い選手は、やはりバックコントロールが巧いです。そこは対策を練っていく必要がありますね」

──長身のグラップラー、アドリアーノ・ミキーニョ・モライシュやダニー・サバテーロという力強い味方がいるのではないですか。

「アドリアーノは試合に勝ってからは、練習に来ていないです。それでも寝技の対策も含めて、ミックスの強い所と弱い所は研究して、そこを頭に入れた練習をしています」

──スタイルは全く違いますが、サブミッションは10秒あれば逆転できるという部分を考えると、今回の試合に向けてペティス戦の逆転負けから生かせることもあったかと。

「そうですね、どの選手が来ても気を抜いたら負けます。だから相手云々でなくしっかりと決められない、自分が決める試合をしたいです」

──トーナメント戦の特徴もあり、相性的にも最初に戦っておきたかった相手などいましたか。

「ないですね。相手を決めるのはベラトールで。自分に決める権利がないので、そういうことを考えても意味がないじゃないですか。意味がないことに時間を使うのは勿体ないです(笑)。だから全然、誰と戦いたいとかは考えなかったです」

<この項、続く

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