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【Bu et Sports de combat】武術で勝つ。型の分解、サンチン編─13─虎口、分解組手で知る型が伝えること

【写真】虎口の動作は、やはり空手と中国武術がつながっていると思わざるを得ない(C)MMAPLANET

武術でMMAを勝つ。空手でMMAに勝利する──型を重視する剛毅會の武術空手だが、岩﨑達也宗師は「型を使って戦うということではない」と断言する。型稽古とは自身の状態を知り、相手との関係を知るために欠かせないモノであって、その形で戦うことではない。

サンチン、ナイファンチ、セイサン、パッサイ、クーサンクーの型稽古を行う剛毅會では、まずサンチンから指導する。5種類の型稽古にあって、唯一サンチンのみが息を吸いて吐くという意味での呼吸を学ぶことができる。

全ての根幹となる武術の呼吸を学ぶことができる──サンチンの解析、第13回は虎口の理解を深めるために、その分解空手を説明していきたい。

<サンチン解析第12回はコチラから>


相手が


右上段突きを打ってきたときに、


左腕で、掛けて防御しつつ


右手の


掌底で顔面を突く

※受けと攻撃が分断すると、攻防一体の意味を成さなくなる

虎口が難しい点は、左手で掛けて


突きを防御し


右手で掌底を顔面にいれる間に呼吸を止めないこと


呼吸が止まると、「掛けて=受けて」、「突く=返す」という風に遮断された動きになる


遮断された動きをすると、相手の2発目の攻撃を受けてしまう。つまり連続攻撃を遮断できない

遮断されない動きをするには──左手を掛けているときに、すでに右手の掌底の準備に入ること。車のハンドルを回す動きをイメージすると理解しやすい。「掛けて・突く」のではなく「掛けて突く」こと。「掛けて」と「突く」を分断しない。掛けているときには、突きが始まっている。逆をいえば、突きが始まる動作で掛けを行っているともいえる。つまり動きが途切れることがない、攻防一体の動作となる

この動作を連続写真で分解しても「掛けて・突く」と「掛けて突く」と違いの再現はほぼ無理だが、相手と距離が全く違ってくるのは明白だ。「掛けて・突く」では、相手の連続攻撃に入られるが、「掛けて突く」だと攻撃を受けず攻撃できる

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