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【Shooto2021#01】ダメージ優先? それでも終盤のスクランブルで優れるのか。小野島が野尻とドロー

【写真】残り10秒、ダブルレッグからスラム気味のテイクダウンをしっかりと奪った小野島だが、三者三様のドローに(C)MMAPLANET

<インフィニティリーグ2020バンタム級(65.8キロ契約)/5分2R>
小野島恒太(日本)
Def.1-1:20-18.19-19.18-20
野尻定由(日本)

サウスポーの野尻、1年以上のコロナ・ブランクの間に随分と体が出来上がっている。左ロー、右ミドルを見せた野尻に対し、小野島は右オーバーハンドから前に出る。

圧力の掛け合い、外し合いのなかで野尻は右ミドルをキャッチされ、右フックを被弾する。そのままケージに詰めた小野島は、体を入れ替えられヒザをボディにもらう。

右を当てながら距離を取りなおした野尻が左ミドル、右ローを蹴る。右フックで前に出た小野島は頭から突っ込むようにケージ際でクリンチへ。レベルチェンジからダブルレッグ、シングルに移行した小野島はダブルに移行し、肩で押しこみ尻もちをつかせる。

スクランブルでバックに回った小野島は前方への崩し、アンフックで右フックを連打する。スイッチをも潰して、トップを取り切った小野島が組みと同時にパンチを入れる。最後に立ち上がって胸を合わせた野尻はヒザを見せたが、初回は小野島がすべきことをした5分となった。

2R、右カーフの野尻、小野島は右オーバーハンドからクリンチへ。体を入れ替えた野尻は、押し返されると離れて左の蹴りを放つ。左の蹴り、右オーバーハンドを当て左右のフックを放った野尻が首相撲かヒザへ。

小野島はケージに押し込んで、尻もちをつかせると右足を腿の上に、置いて野尻を立たせない。バックに回られると、前転からスクランブルに持ち込んだ野尻が蹴りか、ボディを連打する。さらにヒザ&ヒジを見せた野尻が、ダーティボクシング、小野島も組んでヒザを入れる。

ケージ際のクリンチから離れた野尻の打撃にも、小野島が左右のフックで前に出て右を打ち込む。

直後に組んでバックに回った小野島がワンフックでRNCへ。胸を合わせた野尻だったが、シングルレッグで尻もちをつかされギロチン。頭を抜いた小野島は、ダブルで大きく抱えてテイクダウンを決める。サイドバックから、正面回った小野島が再び野尻に尻もつかせタイムアップに。

しっかりとやるべきことをやり、打撃でも下がることがなかった小野島がまず20-18で1票獲得も、続くジャッジは18-20で野尻、3人目は19-19でドローに。

野尻の打と、小野島の組みのコントロール。後者にダメージがあれば、終盤にスクランブルを制することはできただろうか。

打撃を放った数、あるいは当てた数は、決してダメージとイコールではないが、今のMMAでは打撃を使うことがアドバンテージであることを組み中心の選手は承知の上で戦うしかないのかもしれない……。

野尻がドローという結果を得られたのは、倒されたままでなかったこと。ただし、しっかりとリーグ戦制覇を勝ち上がるには、勝利が必要。そのためには倒されないこともそうだが、倒された直後の対応力を身につける必要がある。


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