【LFA96】草原のゾンビ=ダグワドルジ、前進を続けるがメンドンサの打撃を被弾しベルトを巻けず
<LFAウェルター級王座決定戦/5分5R>
マイコン・メンドンサ(ブラジル)
Def.3-0:50-45.49-46.49-46
バットスムベレル・ダグワドルジ(モンゴル)
勢いよくメンドンサが右ロー、続いて右ハイを蹴っていく。サウスポーのダグワドルジは、ローをキャッチし損ねて離れるが、メンドンサの右ローとハイが続く。3発目の右ハイを受けて、離れるダグワドルジだがヒザ蹴りから、左右のフック、さらにヒジと攻撃を集中される。
腹だけでなく顔面にもヒザを受けて、ダメージが残るダグワドルジは背中を向けるように距離を取り直す。メンドンサも一旦、息を整えると右を伸ばし、ヒザを入れる。しかし、踏み込んだダグワドルジの左フック一発でダウンし、必死にクローズドガードへ。
ダグワドルジがガードの中からパウンドを落とし、腕十字には反応して立ち上がる。ローを蹴るダグワドルジ、メンドンサは立ち上がるとすぐにダグワドルジがシングルからテイクダウン、立ち上がったところで得意のダーティーボクシングへ。メンドンサもヒザ、ヒジを返し、最後に後ろ回し蹴りを放ったところで激闘の5分が終了、ジャッジは2人がメンドサ、1人がダグワドルジに10-9とつけた。
2R、手札としては有利なメンドンサが、どれだけダメージが抜けているか。左を振るって組みいったダグワドルジにヒザを入れ、右をヒットさせたメンドンサ。一度はテイクダウンを許すが、立ち上がって首相撲からヒザを顔面に連続で入れる。エルボーも受けたダグワドルジが、根性のシングルレッグでテイクダウン。そのままサイドを取ると、マウントを狙いにいく。
この動きが大きく、メンドンサは足を入れてクローズドガードに。ダグワドルジが上からパンチ、メンドンサが下からエルボーを打つ。ダグワドルジもエルボーに切り替え、トップを続けると、スクランブルに持ち込んだメンドンサの左ワキを差し左のパンチを打っていく。離れたメンドンサが右アッパーを決め、下がったダグワドルジはマウスピースを吐き出している。
再開後、左フックを振るったダグワドルジはダーティーボクシングをヒザで阻まれる。残り10秒、ダグワドルジの左フックに対し、下がってヒザ、さらに跳びヒザを繰り出したメンドンサだが、ジャッジは20-18、19-19、19-19と追いつかれるラウンドとなった。
3R、ダグワドルジが左フック、メンドンサは右ミドルを蹴る。左フックを見せて、右ストレートをモロに打ち込んだメンドンサだが、ダグワドルジは左フックを入れてクリンチへ。ヒザを受けながら、ケージに押し込みシングルで持ち上げてテイクダウンを決めたダグワドルジがトップを取り切る。蹴り上げから立ち上がったメンドンサは左フックを受けるが、エルボーを返す。
疲れが見える両者が、足を止めて殴り合う。右を被弾して下がったダグワドルジが、すぐに前に出てテイクダウンを決める。草原のゾンビ、ダグワドルジは左フックを当てて離れると、メンドンサのスピニングバックキックを腹に受け、ここでもマウスピースを吐き出してしまう。
再開後、厳しい状態のダグワドルジがボディロックでメンドンサをケージに押し込む。メンドンサも余裕はなく、ここで動きが止まる。最後の10秒で離れたメンドンサは、スピニングバックフィストを空振りし、そのままケージに突っ込むような形となった。
3Rを終えて30-27 、29-28、 29-28でメンドンサがリードした状態で、チャンピオンシップラウンドへ。互いにインローを蹴り、ダグワドルジのフックにメンドンサがアッパーをカウンターで入れる。さらにヒザを見せるメンドンサだが、そこにダグワドルジが左フックをヒット。メンドンサが左フックで前へ。ダグワドルジは左フックにアッパーを合わされながら組みつくが、テイクダウンは奪えない。
離れたメンドンサが右アッパーから左フック、そして右ローを入れる。右フックに続き、首相撲&右ヒザを被弾したダグワドルジが後退──と思いきや、カウンターでジャブ、右ミドルを受けながら前に出る。それでも手数、精度ともに優るメンドンサがワンツー。ダグワドルジが左フックを返すも、前蹴りとハイを繰り出したメンドンサが、40-36、 39-37、 39-37とリードを広げた。
最終回、左当てて組んだダグワドルジ、ケージを背負って倒れないメンドンサは左腕を制してダーティーボクシングを許さない。ここから首相撲に取り、ヒザ蹴り、エルボーを放つメンドンサに対し、ひたすらダグワドルジは組みに行くも引き出しの少なさが響き、展開を打開できない。
結果、自ら離れたダグワドルジは左フックに、右をカウンターで受ける。ここでもダグワドルジは前に出て左を振るうが、ミドルを蹴られると──またもマウスピースを吐き出す。再開後、フックで前に出るダグワドルジに対し、メンドンサは回って右ロー。真っ赤に染まったダグワドルジの顔面に縦ヒジを入れたメンドンサは、ケージに押し込まれても時間の経過を待てる展開になっている。
それでも大外刈り気味の投げでテイクダウンを奪ったダグワドルジは、ボディロックから左のパンチを打ち込む。メンドンサは立ち上がり、最後の打撃の交換を終えてタイムアップに。結果は当然メンドンサの判定勝ちだ──が、誰もが敗者をも讃える熱闘だった。