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【ACA112】超スリリングは接近戦から、離れてヒザをボディへ。オリヴェイラがドゥダエフ倒し、王座防衛

【写真】王座防衛に成功したオリヴェイラは、神に感謝を述べた(C)ACA

<ACAバンタム級選手権試合/5分5R>
ダニエル・オリヴェイラ(ブラジル)
Def.3R3分33秒by KO
アブドゥルラクマン・ドゥダエフ(ロシア)

オリヴェイラの初防衛戦。右オーバーハンドをいきなり当てたオリベイラに対し、右を打ち返したドゥダエフは組まれても内股で投げる。投げられた勢いで上を取り返したオリヴェイラがバックへ。落とされないように着地したオリヴェイラはドゥダエフをケージに詰めてヒザをボディに入れる。

ドゥダエフは払い腰でオリヴェイラを投げるも、抑え込みには至らない。立ち上がった両者、オリヴェイラはスーパーマンパンチを空振りし、ドゥダエフの右をかわすが後ろ回し蹴りを顔に受けそうになる。続いて左フックを当てたドゥダエフのスピニングエルボーは空を切る。間合いを外し、ワンツーに右を合わせようとしたチャンピオンだがドゥダエフはハイキックを狙う。さらにワンツーからスピニングバックフィストを見せるなど、チャレンジャーの手数が多い。ドゥダエフは左オーバーハンドをバックステップでかわし、右を当てるなど、組まれると柔道、離れるとボクシングで優勢に立つ。

残り20秒を切り、スピニングバックキック、跳びヒザを見せたドゥダエフが走り込んでヒザを見せたオリヴェイラの動きも余裕をもってかわし初回を取った。

2R、ドゥダエフの右アッパーに組みついたオリヴェイラ。ヒザをドゥダエフがボディに入れると、両者が同時に思い切り右フックを振るう。共に空振りになるが、直後にオリヴェイラはバックハンドブローでドゥダエフの頭部を殴ると、背中を向けている状態のチャレンジャーがそのまま後ろ回し蹴りを見せる。後方に飛びのくようにかわしたオリヴェイラは、後方にバランスを崩したがすぐに立ち上がる。

間合いを図り、詰めるドゥダエフがスイッチして左ハイ。後方に姿勢を崩したオリヴェイラはケージを利して跳ね返るように起き上り、ドゥダエフの左ミドルに右オーバーハンドを当て、逆にダウンを奪う。体が固まったように倒れたドゥダエフに左のパウンドを落とし、バックに回ったチャンピオンは両足をフックしRNCへ。ドゥダエフは手首やグローブを掴むように絞めを防ぐが、オリヴェイラは慌てずパンチを打ちつつ、腕を入れ替え絞めの機会を伺っている。

正座した状態でオリヴェイラを背負うドゥダエフはついには腰を上げて、前方に振り落とすことに成功する。すぐに立ち上がった王者は、ドゥダエフのジャンピングスピニングバックキックをダッキングでかわす。疲れが目立つのはオリヴェイラだ。足を使って息を整えるオリヴェイラは、思い切り走り込んで右フックもドゥダエフが苦もなくかわす。ここから軽い蹴りを連続で放ったドゥダエフは、後ろ回し蹴りや右オーバーハンドを遠い位置から狙う。両者の攻撃は踏み込みを伴わず、早く精神戦の様相を呈してきた。

3R、ドゥダエフが左ジャブを伸ばし、オリヴェイラの右オーバーハンドをかわして、ヒザを顔面に突き上げる。ジャブを貰いながらチャンピオンは右ローを蹴って左に回る。スイッチしつつ右の関節蹴りをサイド気味に入れたドゥダエフは、左ジャブでオリヴェイラに前進を許さない。ドゥダエフはジャブにヒザのタイミングを計る動きを見せて、自らの左ジャブ当てていく。さらに右ローを蹴られたオリヴェイラの姿勢が大きく乱れる。

笑顔を浮かべるオリヴェイラは、攻撃が右オーバーハンド頼りで単調になってきた。と、飛び込むように左オーバーハンドを放ったチャンピオン。ドゥダエフは冷静に右を返す。右ボディフックを打ちながら前に出てきたチャレンジャーに対し、オリヴェイラはシングルレッグを狙う。このまま左足をすくって、大きくスラムへ。背中から落ちるのを拒んだドゥダエフは、強かに頭をキャンバスに打ちつけてしまったか。それでもすぐに立ち上がったドゥダエフだが、背中に乗ったオリヴェイラは右足をフックし、続いて左足も差し入れる。無理をせず、自ら着地したドゥダエフをボディロックに取られたドゥダエフは、態勢を入れ替えられケージを背負う形に。

オリヴェイラが右で殴ろうとし、ドゥダエフがヒザを狙う。残り2分、打撃の間合いになりドゥダエフは右ローを蹴るがスリップして尻もちをつく。即スタンドに戻ったチャレンジャーは左ジャブを伸ばす。変わらず遠い距離からの右オーバーハンドは届かなったオリヴェイラだが、続く踏み込みで左ヒザをボディに突き刺す。これが効き、しゃがみ込んでしまったドゥダエフ。追い打ちのパウンドを落とす前にレフェリーが割って入り、オリヴェイラのKO防衛が決まった。

勝敗が決まっても立ち上がることができないドゥダエフをよそに、オリヴェイラは神への感謝の言葉を続ける。そして勝利者インタビューでポルトガル語を話し続けるオリヴェイラにグロズヌイのファンはブーイングを送った。攻勢だったのはドゥダエフだが、消耗戦のなかでオリヴェイラの思い切りの良さが勝利を引き寄せた──そんな戦いだった。


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