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【Special】月刊、青木真也のこの一番:8月─番外編─✖江藤公洋戦へ「一番しんどいことをやる」

【写真】写真は昨日の記者会見から。格闘技愛、不純物が少ない(C) MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

ここでは番外編として、いよいよ明日に迫ったRoad to ONE03の江藤公洋戦について、試合を10日後に控えていた時点の青木の言葉を届けたい。


──試合が成立した時には、色々と納得できない部分もあったようですが、今の心境はどうですか。

「もう消化しています。とにかく試合を戦うコンディションを創ることにフォーカスできています」

(C)ABEMA

──電流爆破マッチをして、コンディションを整えることができるのでしょうか。

「まぁ、そんなに関係ないッスよね」

──疲弊しないですか。

「あぁ、そうやって言われることはあるんですけど、プロレスとか人前で話す仕事って、逆にストレス発散の方が強いです(笑)」

──それでもケガをする可能性があります。

「それは練習だってあることだし。コロナみたいな話になってしまいますよ(笑)。ずっと家に居続けるのかっていうことになるし。まぁ、そこまで同じではないのですが」

──試合前に練習でケガをするのと、プロレスでケガをするのは話は違ってきませんか。

「プロレスをやるにしても、格闘技をやるしにしても単純に2つとも楽しいから。僕はMMAもプロレスも大好きだし、しっかりと準備はしていますしね。一生懸命やっていますよ。

皆、格闘技を一生懸命やっている、好きっていう話をするけど、好きっていってもその純度が人それぞれある。そう思うことは増えてきましたね。

僕は自分の気持ちが普通だと思っていたら、相対的に見ると違う。本当に好きな方なんだなって」

──好きならそっちじゃないだろうってことは、ありますよね。

「ハイ、ハイ、ハイ。そうなんですよ。お前ら、そこまでじゃないなってなりますよね」

──メディアと選手は同じだと思わないですが、生きるためにやっているんだから、自分が書いていることと違う意見をプライベートで口にするなよって。そこまで思って、書こうぜとは感じることはあります。忖度した言い訳は無しで行こうよって。

「格闘技が好きっていうのは、『どこまで好きやねん』って思うことにはなりますよ。格闘技が好きなんだっていうのは、選手でもメディアでも、関係者でも伝わってきますから」

──好きだからこそ、しっかりとやらないといけない。

「ハイ、それは勿論です。打撃も組み技も、日々取り組んできたことをケージの中で出す、ワクワクと不安ってありますね」

──1カ月前に次の試合が決まりそうだという話を伺った時と、青木選手の声の張りが違いますね。

「本当ですか? 格闘技をして、試合のために歩いてというか、この道程を積んでいくっていうのが好きなんでしょうね。試合だから、絶対はないですしね」

──江藤選手と戦ううえで、最も警戒する点はどこですか。

「なんか、一番辛いことを僕はやらないといけないなって思っています。僕にとって。楽に勝ってやろうとか、イージーに勝とうとするのは逃げだと思うので。一番辛いことで、一番シビアなことをとことんやってやりたいなって気持ちですね」

──それが可能になる練習を積むことはできていますか。

「練習はいつもと全く変わらないです。もし何かが変わったとすれば、土曜日にTRIBEで選手練習を見させてもらっていて、打ち込みをやっています。それが僕にとっても、ちょっと良い方向に向いているような気がします。

この時はこっちに立つ、この時は逆。こういう状況では、こんな風にアクションを起こす──みたいなことが、教えて受け返してやることで、より考えるようになり整理ができています」

──それを選手練習で行うことが、セミナーなどで一般の人を相手に指導するのと違ってくるということですか。

「そうですね、コンペティションクラスということなので。それが週に1度あると、全然違ってくると思います。立ち位置、距離、一つ一つの動作を気にしますし。また教わる方の反応も1人ひとり違っていて、より理解が進みます。本当は自分だけで完結しないといけないことかもしれないですが、僕はこのやり方で凄く意識できるようになっています」

──この試合後にシンガポールでONEが通常イベントを復活させるという話は青木選手にも届いているかと思います。

「そこは……まだ確定した話が入ってこない限り、気にしないで次の試合に集中します。ご時世がご時世ですし、当てにはできないので。と同時に、プロレスの予定が入っていますが、MMAの試合が決まった場合はキャンセルできることで約束しています。まぁ余り気にしないでやっていきます。

9月の東京、10月のシンガポール。どっちだろうって考える人は多いかと思います。でも僕は確定要素が多い方を選びます。これからのことは決まって、正式に声が掛ったら考えます」

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