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【Pancrase】コロナのあるJ-MMA界、パンクラス酒井正和代表に訊く─01─「やる意思を見せ続ける」

【写真】 それぞれのプロモーションが今を乗り切り、これからを生きるために試行錯誤している(C)MMAPLANET

新型コロナウィルス感染拡大を受け、J-MMA界老舗3団体で大会延期という判断を真っ先にしたのがパンクラスだった。

その後4月12日のダブルヘッダー開催→延期、5月31日大会開催→延期という発表が続いている。と同時に出場予定だった選手に一律3万円の経済的補填を行った。

コロナ時代に入り、コロナがある今とMMAイベントの有り方に関して、パンクラス酒井正和代表に話を聞いた。


──3月からパンクラスは大会の延期発表が続いている状態です。

「そうですね。まず3月8日の大会を4月12日に延期し、ダブルヘッダーとして開催することを発表させていただきました」

──今からすれば、3月8日だとその後に修斗やK-1が大会を開いたことを考えれば、かなり早めに延期の決断を下されました。

「正直、あの時点で4月に延期という発表をさせてもらったように、このような事態になることは予測できていなかったです。私自身、ラスベガスに行き、上海を訪問して2020年にやるべきことを進めていた状態だったので。

でも3月8日大会の時点で、ドクターとも相談させてもらい安全を確保できないと判断しました。やはり考えるべきは万が一です。選手達は試合に向けて調整をしてきました。きっと戦いたい選手が多かったと思います。

選手は戦うのが仕事で、プロモーターは大会を開くことが仕事です。でも、コロナ自体がどういうものが分からなかったですし、選手の間で感染者が出て感染することを避けないといけない。そこが最初に思ったことでした」

──まだパンデミックぐらいで、オーバーシュートやクラスターという言葉も一般的でなかったです。

「それが瞬く間に世界の情勢も変わり、4月、5月と大会が開けなくなりました。今からすると状況を読めていなかったですね」

──いえ、日本政府自体がオリンピックを開こうとしていましたし、私も実は3月の終わりに家族で台湾旅行をする予定で2月の終盤まで『行けないかなぁ』なんて気持ちでいました。

「高島さんの考えが普通だったと思いますよ。だから、まさか──ですよね。3月の大会を延期した時は、4月は行けると踏んでいました。ここまで広まるというのは、私のなかでは想定できていなかったです。それが、もうこれはただ事じゃないという風になってきたときに、やらないのであれば早めに決断をして選手に伝えないといけないと考えるようになりましたね。

選手の安全と同時に我々が考えないといけないのは、団体経営です。イベントを打てないと収入がない。興行を開きたいのに打てない状況など、過去に経験したことがなかったですからね。安全を確保してイベントを開く、その日がいつやってくるのか。コロナと団体経営に関して保全を図ること、そこをずっと考えている日々ですね」

──そのなかでメインカードに出場予定だった選手に3万円の補填をされました。パンクラスとして収入がない時期にも係わらず。

「パンクラスとしては、今回の件はリセットの時期が来たんだという捉え方をしました。それでも昨年の収支なども考えると経営的に昇り調子でしたので、現状のウチとしてできることは試合を組むことでなく、あの形だったということです」

──そのなかでRoad to ONE02が4月17日に開催され、プロ修斗もパンクラスが大会延期を再々決定した31日に無観客&ABEMAファイトという形で行われます。

「私自身、格闘技の熱を消さないために大会開催を模索するところがあって然りだと思っています。それにメディアにはメディアの考え方があり、ABEMAさんもコンテンツとして格闘技大会を中継してくれたことに関して、私は良かったと捉えています。

予防対策をしっかりとして、ああいう形で大会が行われるということは一つの結論として異論はなかったです。そしてパンクラスとしてはドクターと相談しながら、興行を打てることができるのか決めていこうということですね」

──現状として7月から再開となっていますが、5月も含め開催→延期という発表が続いているのも事実で、選手も擦り切れてしまうなという想いもあります。

「これはですね……本当に申し訳ないです。やはり大会を開きたいという想いが強かったです。年間で押さえているスケジュールで試合を組んでいきたい気持ちが強く、こういう形が続いてしまいました。

もともとウチは試合の発表が早いので、その流れを崩さずにやってきたことになります。そして現実的に無理になると、リスケジュールする。こういう形を取らざるを得ないというのが正直なところで。今も7月はやりたいということで大会開催を発表させてもらっています。やる意思を見せ続ける。それが私たちの考えでもあります」

<この項、続く>

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