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【Invicta FC PS03】SEI☆ZAで戦っていたユリア・ストレアレンコが死闘を制し、新バンタム級世界王者に

Invicta FCPS03【写真】えげつない流血戦だった(C)DAVE MANDEL/INVICTA FC

<Invicta FC世界バンタム級王座決定戦/5分5R>
ユリア・ストレアレンコ(リトアニア)
Def.2-1:49-46.48-46.46-49
リサ・ヴェルゾサ(米国)

飛び込んでパンチ、エルボーを見せるストレアレンコがハイキックを蹴り、前に出る。ヴェルゾサは前に出てきたストレアレンコに右をヒットさせダウンを奪う。すぐに立ち上がり、飛びつきガードに出たストレアレンコは腕十字を狙う。ヴェルゾサが鉄槌を落とて腕を引き抜く。試合がスタンドに戻ると、ストレアレンコは引き続きハイキックから右ストレートを打っていく。

組まれると飛びつきガードを取るストレアレンコは、ケージとの間に挟まれ着地する。打撃戦になっても一撃、一撃を全力気味に放ち、エルボー、右ハイ、右ストレート、さらにダーティボクシングでパンチを連打したストレアレンコは、組んで引き込みながら腕十字を仕掛ける。ヒジを捻った状態から、伸ばしに掛かるストレアレンコだがヴェルゾサは腕をクラッチしヒザで頭を押さえて防御する。自ら十字を解いたストレアレンコはクローズドガードでラウンド終了を迎え、ジャッジ3者が10-9をつけた。

2R、飛び上がるように右ハイを見せたストレアレンコは、同じモーションで右ローを蹴る。ヴェルゾサは右ジャブ、そして右ストレートを前に出てくるストレアレンコに合わせる。初回と比べると、明らかにペースダウンしたストレアレンコのローに、ヴェルゾサが右をカウンターで当てる。ストレアレンコは右を当て、ワンツーへ。さらに前足=左のハイキックを繰り出し、右オーバーハンドへ。ラウンド中盤を過ぎ、手数を増やしてきたストレアレンコだが、ヴェルゾサも足を使ってパンチをかわし、カウンターを狙う。

ストレアレンコのワンツーから左ハイというパターンは、タイミングがずれてきたか。とダブルレッグから引き込んで腕十字を狙ったストレアレンコは、イマナリロールに鉄槌を落とされる。ストレアレンコはスタンドに戻って右ハイ、ヴェルゾサは後半勝負か動きを抑えたような5分でも10-9とした。

オープスコアで19-19となった2Rを終え、王座決定戦は中盤戦へ。左から右をヒットさせたヴェルゾサだが、ストレアレンコも右から左を当てる。ストレアレンコはパンチとともにガードが下がるため、ヒット後に被弾するケースが少なくない。対してローにワンツーを入れるなどヴェルゾサは、無駄打ちの少ない試合を続ける。

ストレアレンコは右ハイをガードの上から蹴り込み、精度を問わないようにパンチを纏める。前に出てもカウンターを打たれるストレアレンコだが、それでも左エルボーを打ち、カットさせると右ストレート、エルボーを続ける。眉間をカットし大量の流血に見舞われたヴェルゾサは、飛び込んで放たれた右ヒジを打ち込まれラウンド終了──この回はストレアレンコに10-8、10-9を付けたジャッジがいたのに対し、ヴェルゾサも10-9で一票を得て──計29-27、29-28、28-29とストレアレンコがリードすることとなった。

4R、額と右目の下をカットしたヴェルゾサは、ストレアレンコと目を合わせて笑顔を浮かべローにパンチを合わせていく。ストレアレンコは右フック、左ストレートを当て左エルボーへ。インターバル中に止血を受けたヴェルゾサだが、その顔面は既に真っ赤になっている。手数を増やすヴェルゾサが右ストレートを当て、左ジャブにつなげる。ストレアレンコも右エルボーから左ストレートを届かせ、ジャンピングエルボーを決める。

キャンバスの色も変わるほどの流血戦、パンチを受けたストレアレンコがマウスピースを吐き出すと、レフェリーがブレイクを命じる前に拾おうとして無防備の状態に。ここで攻撃を踏み止まったヴェルゾサは、もう一度同じシチュエーションになると、今度は右を狙って前に出る。

ブレイクを掛けないレフェリーには首を傾げるばかりだが、試合は続き拳が届く位置で両者のパンチが交錯する。エルボーに左フックを合わされ、バランスを乱したストレアレンコ──39-36、39-37、37-39とスコア的には優位性を保ち、最終回へ。

5R、ストレアレンコは左右のローを蹴り、ヴェルゾサは右ストレートを打ちこむ。距離を保って逃げ切るのは出なく、同じように前に出て殴って、殴られる試合を続けるストレアレンコも、顔が真っ赤に染まっている。ストレアレンコが力を入れて一発を振るうと、ワンツーとコンビネーションを返すヴェルゾサが、手数&精度で優る。

しかし、この回をビッグラウンドにして初めてドローに持ち込めるヴェルゾサは一方的なラウンドにする必要がある。かなりペースが落ちたストレアレンコも必死にエルボー、ジャブを繰り出す。既に死力を尽くしてという言葉以上の状況で戦う両者、ストレアレンコは左ミドルを2発、ヴェルゾサは左ストレート、前に出て右を伸ばす。最後の10秒も、互いに腕を伸ばし続け、タイムアップとともにハグ。

ファイターズ・ハイ状態といっても過言でない殴り合いを演じた25分間、ウィナーコールを待つまでの間、ヴェルゾサはコーナーマンとの会話で声を挙げて笑っている……。

そして自らのエルボーを叩いて誇示するストレアレンコが、新インヴィクタFC世界バンタム級王座に就き「米国では名前もないのに、この機会を与えてくれたインヴィクタに感謝している」と話した。2年前には日本でSEI☆ZAで戦っていたファイターが、北米のメジャータイトル獲得──オープンスコアリングについて「私はフィニッシュできなかったことが残念。スコアは気にしていない」と空気を読まない発言までも好感が持てた。


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