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【WEC44】フェザー級世界最強決定戦、ブラウン×アルド

(C) MMAPLANET14日(土・現地時間)のUFC105、21日(土・同)のUFC106の間隙をぬって開催されるズッファのセカンドブランド=WEC44「BROWN vs ALDO」。18日(水・同)、ラスベガスのパームス・ホテル内ザ・パールで行なわれる同大会では、フェザー級最高峰のメインイベントが用意されている。

【写真】バンタム級の肉体ながら、フェザー級最強チャレンジャーとなったジョゼ・アルド。殺傷能力ナンバーワンファイターだ (C) MMAPLANET

WECの象徴ともいえるユライア・フェイバーを二度に渡って破り、世界フェザー級チャンピオンに君臨するマイク・ブラウン。昨年5月に前王者ユライアを破り、ベルトを巻くと今年の3月にレオナルド・ガルシア、そして7月にユライアを下し、今回が2度目の防衛戦となる。

チャレンジャーはジョゼ・アルド。MMAの母国ブラジルにあって軽量級ナンバーワンの勢力を誇るノヴァウニオン所属の実力者だ。WECデビューは王者ブラウンと同じ、昨年6月のサクラメント大会で、元修斗ライト級王者アレッシャンドリ・ペケーニョを相手にTKO勝ちデビューを飾る。その後は1年で4試合のハイペースで試合をこなし、軽量級世界最高峰のWECオクタゴンで5連勝中だ。


ちなみに過去3試合に要したファイティング・タイムは、僅か6分02秒、1試合平均2分01秒を切る秒殺劇を繰り返している。

とはいっても、この快進撃には少しカラクリがある。WEC世界フェザー級戦線にブラウン政権が発足以来、ことあるごとにチャレンジャー候補に挙がっていたアルドだが、PPV実現を目指すWECは、UFC出身で知名度の高いガルシアや、WEC躍進の役割を担ってきたユライアに、その機会を与えてきた。

その一方で妥協知らずのマッチマイクが売りのズッファにあって、アルドもガルシアの復帰戦の相手などにリストアップされたが、ノヴァウニオン陣営はこれらの対戦を拒否。その理由は、アルドの体格は一階級下でも十分に戦えるもので、ノヴァウニオンにとってフェザー級王者候補の一番手は、IFL世界フェザー級王者からWEC入りを果たしたヴァグネイ・ファビアーノだった。ファビアーノがフェザー級、アルドがバンタム級で頂点に立ち、WEC制覇という設計図を描いていた。

しかし、地味な戦いぶりが災いしたか、ファビアーノの評価が上がらない。そこでアルドにバンタム級転向を匂わせ、フェザー級で戦うなら、世界戦以外では強豪との対戦を避けるという戦略を実施してきた。

とはいっても、08秒で左右のジャンピングニーを決め勝利したカブ・スワンソンなどは、DREAMフェザー級GPに出場したミカ・ミラーや高谷裕之に勝利している実力者。決してヤワな相手ではない。体格的にはハンディがありながら、卓越した当て勘と、動物的なまでの反射神経を誇るアルドだからこそ、フェザー級最強のチャレンジャーに成り得たのだ。

そんなアルドを迎え撃つ王者ブラウンの最大の武器は、フェザー級を超えたフィジカルと、そのフィジカルを使い切ることができる器用さといえるだろう。

Brown(C) ZUFFA【写真】今やWECが世に誇る世界王者となったマイク・ブラウン。その強さは群を抜いている (C) ZUFFA

テイクダウンからパウンドが主武器のようなイメージがあるが、ガルシアに打ち負けない打撃を持ち、常にパンチを落とすことができるポジションニングと、そのキープ力。関節技を交えたグラウンド・コントロールの強さは、他に比肩する者がいないレベルといえるだろう。

何よりも、一瞬の勝機を逃さない勝負強さ。世間ではその知名度のため、UFCファイターがパウンドフォーパウンドに挙げられることがあるが、ブラウンの強さはGSPやアンデウソン・シウバに何ら遅れをとることはない。

ただし、そのブラウンにも他のどのファイターと同じように、アルドのたった一発のヒザでKOされる可能性を持つ一己の人間だ。

強烈な一撃を喰らえば、KO負け必至という危険な戦いとなる。ズバリ勝負の鍵を握っているのは、両者の距離の作り方。ブラウンは速射砲のようなスピードと回転数を誇るアルドのジャブをさけ、あるいは真っ向から受け止め近距離で戦うことができるのか。

対するアルドは、ライト級以上の肉体を持つ王者の突進力をかわし、蜂の一刺しのようなヒザをヒットさせることは可能なのか。スタンドの距離の取り合いが大切になっている一方で、テイクダウンを許したアルドが、ノヴァウニオンの柔術家らしいガードワークをMMAでも披露することができるのかも注目したい。

ブラウンは「疑いようなく世界で最も価値がある」と、誇りを持つベルトを、「誰と戦うということではなく、僕が欲しいのはベルトなんだ」というアルドを相手に守ることができるのか。65キロ世界最強を決める一戦は、UFCとの統合という話も出ているWECにあって、歴史に残る勝負になること間違いない。

■WEC44対戦カードは下記の通り

<WEC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]マイク・ブラウン(米国)
[挑戦者]ジョゼ・アルド(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
マニー・ガンバーリャン(米国)
レオナルド・ガルシア(米国)

<ライト級/5分3R>
ロブ・マッカラー(米国)
ダレン・ダラベドヤン(米国)

<ライト級/5分3R>
ダニー・カスティーリョ(米国)
シェーン・ローラー(米国)

<ライト級/5分3R>
ウィル・カー(米国)
カメル・シャロルス(イラン)

<フェザー級/5分3R>
ディエゴ・ヌン(ブラジル)
LC・デイビス(米国)

<フェザー級/5分3R>
カブ・スワンソン(米国)
ジョン・フランチ(米国)

<バンタム級/5分3R>
大沢ケンジ(日本)
アントニオ・バヌエロス(米国)

<ライト級/5分3R>
リカルド・ラモス(米国)
ジェイムス・クラウス(米国)

<バンタム級/5分3R>
セス・ダイクン(米国)
フランク・ゴメス(米国)

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