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【WJJC2016 No-Gi】トノン&ドゥリーニョ欠場。ライト級はマーシオ・アンドレ、ミドル級はマフラが優勝

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5、6日(土、日・現地時間)、米国カリフォルニア州ダリーシティのカウ・パレスにて、IBJJF(世界ブラジリアン柔術連盟)主催の世界ノーギ柔術選手権が行われた。ADCC世界大会に次ぐノーギ・グラップリングの最高峰の舞台であり、今年も注目すべき強豪が多数出場したこの大会。レビュー第2回は、アダルト男子黒帯における最激戦区=ライト級とミドル級の模様をお届けしたい。


【ライト級】

最注目株のゲイリー・トノン(グレイシー・エリート・チーム)が、7日のEBI9に専念するために欠場となったこの階級。トーナメント早々に、優勝候補のタンキーニョことアウグスト・メンデス(ソウルファイターズ)が、ホドリゴ・フレイタス(ホドリゴ・フレイタスBJJ)の巧みなオープンガードに苦戦、最後までパスできずにレフェリー判定で敗れる波乱が起きた。勢いに乗ったフレイタスは昨年の準優勝のマンシャー・ケラ(アリアンシ)も準決勝でアドバンテージ差で下し、決勝進出を果たした。

もう一つのブロックでは、マーシオ・アンドレ(ノヴァウニオン)とジャンニ・グリッポ(アリアンシ)という優勝候補同士の対戦が序盤で実現。先に引き込んだアンドレが、下からグリッポの足を肩に抱えて立ち上がるスイープや、下からトーホールドに入りそのまま足を持って立ち上がって倒す動きでアドバンテージを得て快勝した。

さらにアンドレは準決勝でAJアガザーム(グレイシー・バッハ)と対戦。引き込んだアンドレがアームドラッグから上を取りかければ、AJもパスを仕掛けて来るアンドレの足を掴んでシングルレッグに移行する形で上になりかける等、激しい攻防を展開した末、6-4で競り勝ってみせた。

ただこの試合の終盤、AJが両足担ぎからアンドレを強引に持ち上げて後転させようとするのに対し、アンドレが両足のつま先と後頭部を床に付けた不自然な状態で耐え続ける場面があった。途中何度も後頭部を床に打ち付けつつ、(後転すると自動的にアドバンテージを取られることを回避するために)ポイントゲームの勝利のためにこの状態を貫いたアンドレ。こういうことが続くと首へのダメージが蓄積してゆくのでは、と懸念させられ、ポイント競技ならではの怖さが垣間見えたシーンだった。

<ライト級決勝/10分1R>
マーシオ・アンドレ(ブラジル)
Def. by アドバンテージ2-0
ホドリゴ・フレイタス(ブラジル)

得意のオープンガードをパスさせずにここまで勝ち上がってきた伏兵フレイタスは、この決勝でもすぐに引き込んでみせると、すぐに足を搦めての内回りで仕掛けてゆく。

対するアンドレも当代随一のパスガードの使い手。フレイタスの足を掴んで前にプレッシャーをかけつつ、ときに凄まじいスピードで左右に動いてのパス狙い。フレイタスもすかさず反応して足を入れてガードに戻すものの、サイドに付きかけたということでアンドレがアドバンテージを二つ獲得した。

リードされたフレイタスは、足を絡めての横回転での揺さぶりを狙うが、アンドレはその度にすぐに下がり巧みにフレイタスの攻撃を遮断。次の瞬間には前に出て左右のフェイントを仕掛けてのパス狙いに移る試合巧者振りを見せる。

残り時間が少なくなると、局面を打開したいフレイタスは立ってスタンドレスリングの攻防を挑む。終盤フレイタスがタックルに入ったところでアンドレが引き込み。見方によってはあわや2点獲得で逆転かと思われたが、レフェリーは反応せず。結局そのままアンドレがアドバンテージ差を守り切った。

グリッポ、アガザーム、フレイタスというタイプの違う強豪相手にトップゲームとボトムゲーム、両方の強さを見せつけたアンドレの見事な優勝。対してタンキーニョ、ケラ、アンドレという世界最高峰のグラップラーたちからパスを許さなかったフレイタスのガードワークも天晴れ。ギありでは彼らにだいぶ戦績の劣る伏兵が今回、掴むズボンの無いノーギ・グラップリングの面白さを見せてくれた。

【ミドル級】

ドゥリーニョことジルベルト・バーンズ(ズィニス)は、何と体重超過で試合に出られず。優勝候補筆頭が戦わずして消えた中、昨年準優勝のジョナサン・サタヴァ(アリアンシ)が準決勝、シニストロことフランシスコ・イトゥラーデ(アリアンシ・インターナショナル)に2-0で勝利して決勝に進出した。もう一方の準決勝では、マルセロ・マフラ(チェッキマット)がマルコス・ティノコと立ち技の攻防を展開、足払いで崩す等優位に立ち、アドバンテージ差で勝利した。

<ミドル級決勝/10分1R>
マルセロ・マフラ(ブラジル)
Def. by ギロチンチョーク
ジョナサン・サタヴァ(米国)

神童マルセロ・ガウッシアの最強弟子軍団の一人サタヴァは、師承譲りのシッティングガードから前に出てゆく。そのままスライディングするように両足を開いて内側からマフラの両足に引っ掛けて崩したサタヴァは、素早くシングルレッグに移行して場外まで押してゆき、アドバンテージを獲得した。

さらにシッティングから仕掛けようとるサタヴァに対し、マフラは強引に上半身でのしかかるように圧力をかけ、上からギロチンの要領でサタヴァの首に回すと、掌でサタヴァのアゴを掴むチンカップで捕らえる。そのままギロチンチョークを取られることを恐れたサタヴァが反応して仰向けになると、サタヴァはそれに乗じてサイドにパス! まだ掌のカップはアゴをとらえたままだ。

ここでパスを奪われまいとサタヴァがスクランブルを試みて両膝を付くと、すかさずマフラは飛びついてアームインギロチン! そのまま締め上げてタップを奪ってみせた。チンカップ→ギロチンを嫌がったところでパス→パスを嫌がったところでギロチンという流れ。相手を動かしそこに乗ずる形で畳み掛けたマフラの、あまりに見事なフィニッシュによる戴冠だった。

■リザルト

【ライト級】
優勝 マーシオ・アンドレ(ブラジル)
準優勝 ホドリゴ・フレイタス(ブラジル)
3位 AJアガザーム(米国)
3位 マンシャー・ケラ(米国)

【ミドル級】
優勝 マルセロ・マフラ(ブラジル)
準優勝 ジョナサン・サタヴァ(米国)
3位 フランシスコ・イトゥラーデ(ブラジル)
3位 マルセロ・ティノコ(ブラジル)

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