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【UFC】PRツアーで来日、アリスター・オーフレイム<03>「2年以内に再び世界王座に挑戦する」

overeem【写真】気を悪くするような質問にも、いやな顔一つせず返答してくれたアリスター (C)MMAPLANET

UFCのアジア・プロモーションツアーの一環として、東京を訪れていたアリスター・オーフレイム・インタビュー最終回。

オランダMMA界が復興の第一歩を示したロッテルダム大会のメインで勝利しタイトル挑戦権を手にしたアリスターだったが、9月の世界戦ではスタイプ・ミオシッチにパウンドの連打でTKO負けを喫した。その前にノックダウンを奪いながら、アリスターの次なる手はギロチンだった。

武術、そしてオランダ格闘技界暗黒の時を雄弁に語ってくれたアリスターに、世界戦の敗北、スタイルチェンジについて尋ねた。

<アリスター・オーフレイム インタビューPart.01はコチラから>
<アリスター・オーフレイム インタビューPart.02はコチラから>


――オランダでUFCやMMAを見る一般社会の目も変わってきていると感じられますか。

「そうだね。今もオランダの人々はキックボクシングやK-1が大好きだよ。でも、その人気をMMAが上回る日が来ることを予想していた。ホントにアホイのメインイベントで満員の観客を前にしての勝利は、特別な勝利になった」

――その結果、タイトル挑戦も実現させました。しかし、ベルトを巻くことはできませんでした。これは結果論です。しかし、ダウンを奪った直後にギロチンではなくパウンドに行っていればと試合を振り返ることはないですか。

「ホント、多くの人々から同じ指摘をされたよ(笑)。あそこでパウンドアウトを狙うべきだったってね。ダウンを奪ってから次の動きまで1秒もない。僕の頭の中もパンチだった。と同時にミオシッチは立ち上がってきた。だからギロチンを狙ったんだ。あの仕掛けは僕にとっては論理的な選択だったんだよ」

――2003年のADCC欧州予選からアリスターはギロチンは裏・得意技の一つでした。

「ギロチンでたくさん勝ってきた。まぁ、あの試合から凄く多くのことを学んだ。そして、練習にフィードバックできている」

――ミオシッチ戦もそうでしたが、アリスターは攻勢の時は非常に強いのですが劣勢なると、急に動きが固くなります。あれはダメージなのですか、それともメンタルの問題なのでしょうか。

「この前の試合でいえば、ミオシッチは強いっていうことだ。ただし、僕にとって大きな問題じゃない。ヘビー級なんだよ。一つのミス、一発をもらって試合は終わる。運が悪かったんだ」

――つまり心が折れたわけではないと。

「人々は勝てば称賛してくれるけど、負けると本当にいろんなことを言われる(苦笑)。もちろん、負けたままで放っておくことはない。なぜ、あの試合でああいう風に負けたのか、自己分析している。これからの試合にも関係してくるから、それが何かをここでいうことはできないけど、原因は解明しているよ」

――なるほど。ところで最近のアリスターはスイッチを入れたり、距離をコントロールするなど、戦いへのアプローチを変えてきように思えます。これはブラックジリアンからジャクソン・ウィンクルジョンMMAに籍を移したことが影響しているのでしょうか。

「グレッグ・ジャクソンのところでは本当にたくさんのことを教わってきたし、今も学習中だよ。だから、今も自分を成長させるために色んな面から自分のファイトを彼らと見つめなおしている」

――ロッテルダムの試合では左ハイから左ストレートという新しい技の流れも見せていました。

「新しいコンビネーションだね。僕らが戦っているのはMMAなんだ。そして、MMAには選択肢がたくさんあって、多くの練習が必要になる。結果、そのすべてを試合で使っているわけじゃない。オルロフスキー戦ではその一つが当たった。そして、ミオシッチ戦では勝利に結びつかなかったといういことだよ」

――左ミドルは以前より、効果的になったようにも感じます。

「前から効果的じゃないか(笑)」

――『より効果的に』ということです(笑)。

「練習し続けているからね。左ミドルが有効だからどんどん使おうという意見と、キャッチされる恐れがあるから控えようという意見もあった。だから、相手にもよるよね。

多くの試合で僕は対戦相手を倒し、フィニッシュしてきた。完璧な試合があれば、こないだの世界戦のようなこともあるってことだよ。

大切なことは練習をし続けて、次の勝利に向かうこと。そしてチームが存在し、後押ししてくれる。ジャクソンの下には多くのタレントが揃っているだけでなく、彼らのエネルギーが充満しているんだ。それが他のジムとの違いだよ」

――そのなかで再びタイトル挑戦を目指すわけですね。

「すぐにまた実現させるよ。最長でも4連勝だ。2年以内にまた挑戦することになるだろう」

――次の挑戦者と目されているのはケイン・ヴェラスケスとファブリシオ・ヴェウドゥムの勝者です。

「ヴェウドゥムの方がメンタルでアドバンテージがある。前に勝っているからね。でも、どうなるか予想はできないな」

――タイトル挑戦のために誰を倒さないといけないと思っていますか。

「対戦相手が決まるまで、そういうことは一切頭にないんだ。でも、すぐにUFCが次の対戦相手を決めるだろう。タイトル挑戦に向けて倒さないといけないのは、当てられた相手全員だよ」

――そしてアホイで語ったように、その時をアムステルダム・アレナで迎えることができれば最高ですね。

「UFCがアムステルダム・アレナでイベントを開くかどうか、僕は判断できることじゃない。ないけど、僕がUFC世界ヘビー級チャンピオンになれば、その時を迎えるだろう。そのためにもチャンピオンになり、オランダでのUFC人気を一段階上に持っていきたい。UFCがオランダで、素晴らしい仕事をしてくれていることは確かだからね」

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