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【RFC27】TUF Chinaウィナーに挑む、テコンドー戦士ホン・ヨンギ「どの格闘技、武道より速いは蹴り」

Hong Yung Gi【写真】テコンドーのエッセンスが入った蹴りが注目のホン・ホンギ。TUF CHINA優勝者とどのような戦いを繰り広げるか(C)MMAPLANET

26日(土・現地時間)にROAD FC初の中国・上海大会となるROAD FC27 in Chinaが上海オリエンタル・スポーツセンターで開催される。

同大会にはTUF Chinaを制したジャン・リーポンが参戦。キャリア3勝1敗のホン・ヨンギと対戦する。テコンドーの国、韓国にあって、特にその蹴り技に拘りを持つ──そんなテコンドー・ベースのホン・ヨンギにジョン・リーポン戦、そしてMMAにおけるテコンドーについて尋ねた。

──ROAD FCにとって初の上海大会が迫ってきました。この大会についての意気込みをきかせてください。

「中国で最も強いファイターと戦う機会が訪れましたので、その分、熱心に練習し、良い準備が出来ています。必ず勝ちに行きます。出来れば、キックで勝ちに行きます。中国、そして日本のファンのみなさんへも良い姿を見せられるよう頑張ります」

──対戦相手のジャン・リーポンはTUF China Winnerで、国際的な舞台でも戦ってきました。彼の印象を教えてください。

「彼の経歴、キャリア的な部分でプレッシャーに感じる部分は全くありません。ただ実力は確かな選手だと思います」

──どのような点に気を付けて戦いますか。

「本人も言っている通り、オールラウンド。全ての面で穴がないようです。ただ穴がないですが、全ての部分がトップクラスのレベルでは無く、ある程度、平均的なレベルだと思いますので、十分に勝てる相手だと思います」

──では、ウィークポイントはどこでしょうか。

「ウィークポイントを把握するよりは、彼の武器を試合で活かさせないように対策を練っています」

──中国人MMAファイター全体のレベルをどのように捉えていますか。

「中国のMMAファイターは人口も多い分、当然選手人口も多くなってきており、いろいろなスタイルの選手がいるようです。

まだレスリング、グラウンドの部分では後れを取っているとイメージを持たれていますが、中国国内のMMA市場が活発に成長していく分、それに伴い、中国人ファイターのレベルも国際的なレベルまで急進的に成長するポテンシャルを持っていると思います」

──ホン・ヨンギ選手のテコンドーの技はジャン・リーポンに有効でしょうか。

「もちろんです。ジャン・リーポンだけでなく、世界中どの選手へも自分の蹴りが当てれば、KO出来ると思っています」

──テコンドー歴、大会実績などを教えてください。

「カナダでの国際大会、コリアオープンで優勝し、国内では30以上のメダルを獲りました」

──MMAにおけるテコンドーの技の利点はどこにあるでしょうか。

「キック、蹴りという技は多くの格闘技にも存在していますが、テコンドーは足だけで戦うスポーツです。だから何よりも速く、強く蹴りを打つことに特化されたスポーツだと考えています。そのため、キックの部分ではどの格闘技、武術よりも強く、速いでしょう。

ただし、重心が高いので、レスリングやそのようなスキルへの対応に時間が掛かります。また当然ながらテコンドーにはグラウンドが全くないので、十分に補完しなければなりません」

──韓国ではテコンドーを経験しているMMAファイターは決して少なくないですが、ホン・ヨンギ選手のように全面に打ち出している選手は多くありません。なぜ、組み技のあるMMAであれだけ思い切ってテコンドーの蹴りを使うことができるのでしょうか。

「テコンドーは私が初めて出会ったスポーツであり、MMAを練習するまで20年以上、テコンドー一本で歩んできました。それから他の格闘技を経ずにMMAに転向しましたので、テコンドーの誇りを背負っている自負が大きくあります」

──テコンドー本来の試合に出ていた時と、MMAで戦う時、重心、スタンス、間合いなどどのようなアジャストが必要でしょうか。

「テコンドーは姿勢がやや横に立つ形になります。そしてMMAは少し前に足を出す形です。この2つの姿勢をベストの形でアジャストしなければなりません。蹴りという部分では強いですが、MMAは総合格闘技ですのでカバーしなければいけない部分が多いですね。ただ蹴りを打つ際はテコンドー時代のままの蹴りになります」

──四角い試合場と、円に近いケージではステップは変わってきますか。どのような変化が必要になってきますか。

「空間の違いだけで、大きな違いは無いと思います」

──では本来、パンチのないテコンドーではそれほど顔面へのガードを意識せず、よりリラックスした構えだと思いますが、顔面のへのパンチがあるMMAだとガードも必要になり、その分、どうしても上体は固くなりがちかと思われます。手を使ったガードについてどのような考えを持っていますか。

「私の場合は、まだ対応中ですが、無理なく適応できていると思います。20数年テコンドーだけをしてきましたが、逆に今となって、拳を使い、レスリング、グラウンドと新しい学びが多くあり、楽しいですね」

──これまでキャリア3勝1敗、そして現在は2連勝中。今回の試合を経て、どのような目標を持っていますか。

「MMAの舞台で戦いながら、勝ち負けの部分を越えて……もちろん勝てば嬉しいですが、十分に毎試合、己の実力を出し切れれば気分は悪くはありません。

とにかく毎試合、試合に向けて一生懸命練習をし、その結果として成長、発展した姿をしっかり出し切ることが目標ですね」

──ではジャン・リーポン戦ではどのような試合を見せたいか、アピールお願いします。

「私はまだデビューしたての新人ファイターです。今回の試合を通じて、『今まで戦ってきた相手は弱い』と言われてしまっているので、今回の試合は『ホン・ヨンギは強い相手と戦っても勝つ』と言わしめる絶好の機会です。必ず勝って、それを証明したいと思います」

■Road FC27 第2部対戦カード

<無差別級トーナメント/5分3R>
ロオヘンチャオ(中国)
チェ・ホンマン(韓国)

<ライト級/5分3R>
ジャン・リーポン(中国)
ホン・ヨンギ(韓国)

<無差別級トーナメント/5分3R>
アオルコロ(中国)
キム・ジェフン(韓国)

<ライトヘビー級/5分2R>
ヂャオ・ツーロン(中国)
ミノワマン(日本)

<バンタム級/5分2R>
チャオ・ジカン(中国)
チェ・ムソン(韓国)

<ライト級/5分3R>
バオ・インカン(中国)
ムングントスズ・ナンディンエルデン(モンゴル)

■第1部対戦カード
<ヘビー級/5分3R>
マイティ・モー(米国)
チェ・ムベ(韓国)

<無差別級トーナメント/5分3R>
リャン・リュンギ(中国)
ミョン・ホンマン(韓国)

<フェザー級/5分2R>
ホー・ナンナン(中国)
田中大作(日本)

<女子ストロー級/5分2R>
イェン・シャオナン(中国)
ナム・イェヒョン(韓国)

<フェザー級/5分2R>
イブゲレ(中国)
チェ・ジョンチャン(韓国)

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