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【名古屋国際オープンBJJ】世界へ、ラストチャンスを賭けた熱戦繰り広げられる

Koyama vs Kagiyama【写真】ラストチャンスに賭ける者、そうでない者──揃って熱戦を繰り広げた (C)HIROYUKI KATO

ブラジリアン柔術家世界一を決める大会、IBJJF「世界柔術選手権。今年度から黒帯カテゴリーは過去の優勝者、またはIBJJFが定めたポイント指定大会(世界柔術、ヨーロッパ選手権、パン選手権、ブラジル選手権、アジアオープン、アメリカ選手権、南米選手権、その他の国際オープン)で、合計50ポイント以上を獲得した競技者のみ出場を許される。
Text by Hiroyuki Kato

世界柔術出場を目指す黒帯日本人選手にとっては、昨年名古屋で行われた「アジアオープン」が階級別優勝で54ポイントを得ることができることもあり、国際大会で表彰台常連のクラウジオ・カラザンス、イザッキ・パイヴァらが来日し、圧倒的な強さで優勝している。つまり、海外強豪選手にとってアジアは絶好のポイント稼ぎの“狩り場”になっているわけだ。

日本勢にとって、世界大会出場が遠くなる一方という絶望的な状況のなかで、今年2月にIBJJFが新たに日本で国際大会を行うと発表。それが4月25~26日に愛知県名古屋武道館で行われた『名古屋国際オープン柔術選手権2015』である。本大会は“その他の国際オープン”枠であり、階級別で優勝すれば27ポイントが得られ、日本人黒帯にとっては、世界柔術出場のため絶対に落とせぬラストチャンスとなり、当確ラインギリギリの選手がこぞって出場した。

まず注目は日本人最年少黒帯の山田秀之(デラヒーバジャパン)が出場したライトフェザー級。山田は大会前35ポイントで、階級別、または無差別優勝は絶対条件だった。しかし、1回戦で世界柔術ベスト8の経歴を持つベテラン小山貴之(福住柔術)の老獪なガードワークに苦戦し、スイープを2度決められ敗退。小山はそのまま決勝戦でも鍵山士門(デラヒーバジャパン)を絡みつくようなガードでコントロールをし続ける。終盤、鍵山のスイープが決まり2-2(AD2-2)の同点になるが、レフリー判定は三者揃って 小山を支持、ベテランが試合巧者ぶりを見せ優勝した。

ライト級では昨年、世界柔術で一回戦勝利し、杉江アマゾン大輔を破るなど日本のトップ柔術家の一人である岩崎正寛(CARPE DIEM)が登場。ワンマッチ決勝でパラエストラの金子竜也と対戦した。試合は引き込んだ岩崎がラペラガードからディープハーフに流れ、得意のスイープで2ポイント先制。そこから互いに攻めあうも、ポイント動かずタイムアップとなり、岩崎が接戦を制した。ヨーロピアンで不可解な判定負け、そしてパン柔術を負傷欠場した岩崎は、この優勝で27Pを得たが、世界大会出場権は得られず。対して、金子は階級別2位、無差別級でも3位入賞を果たし、合計55Pとし世界柔術の出場資格を手に入れている。

アダルト黒帯ミディアムヘビー級もワンマッチ決勝。川添晃史(グレイシーバッハ JAPAN)とレアンドロ草野(草野道場)の一戦になり、体格に勝る川添が序盤に引き込みからスイープを決め先制。ガードを固め盤石で攻めていたが、終盤にスタミナが切れたのか立ち再開から草野の肩車でアドバン、タックルでテイクダウンを許す。草野がアドバン一つの僅差で逆転優勝、獲得ポイントも54を越え世界柔術の出場の切符を手に入れた。

なお、既に世界柔術出場ポイントを獲得している芝本浩司(トライフォース柔術アカデミー)は、ルースター級ワンマッチ決勝で永島賢史を送り襟絞めで破り、貫禄の優勝を話している。フェザー級はチャールズ・ガスパー(Impacto Japan BJJ)がアドバン3‐1で塚田市太郎に勝利し頂点に。また、スーパーヘビー級はノ・ヨングァン(Jiu-Jitsu Lab)がジャコモ・ラップ・ザニーニ(ヒベイロ柔術インターナショナル)を倒し、オープンクラスはジョン・ロバート・ジョーダンJr(BJJ レボリューリョン)がチェ・ウォンチェを下し、それぞれ優勝している。

以上のように、ある意味世界へ向け救済大会となった名古屋オープン。全体の参加人数は延べ200人程度と若干寂しさは感じたが、絶対に負けられない意地を感じさせる熱戦が続出していた。今後も日本人黒帯出場枠を確保のために、継続開催が望まれる一方で、当然、この大会も世界を目指す海外の柔術家にとっても、ポイント獲得のチャンス、新たな狩場になる可能性もある。要は世界大会に出場するには個々が力をつけるしかないという競技、スポーツしてシンプルな構図が、ブラジリアン柔術界にも用いられることになったということだ。

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