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【2014-2015】扇久保博正「元谷戦のアピールは中途半端なモノになってしまいました」

Hiromasa Ogikubo【写真】VTJフライ級トーナメントを制した扇久保。次につながる優勝であったことを信じたい (C)TAKUMI NAKAMURA

2014年が終わり、2015年が始まった。2014年を振り返り、2015年に臨む──MMAPLANET縁のファイター達の声を年末年始特集としてお送りしたい。

第8 弾はVTJフライ級トーナメントで優勝を果たした扇久保博正。2013年に堀口恭司に敗れて修斗世界フェザー級(60キロ以下)王座から陥落した後、階級を下げてケージ&ユニファイドルールにチャレンジし、一つの結果を残した。新たなフィールドでMMAファイターとしての可能性を見出した扇久保にトーナメントでの戦いと今後について訊いた。

――VTJフライ級トーナメントで優勝を果たした扇久保選手です。扇久保選手にとって2014年はどのような1年でしたか。

「2013年に堀口(恭司)選手に負けて修斗の世界王座から陥落して、次どうしようかなと考えているところにVTJからオファーが来て、VTJのトーナメントで優勝することにかけていたので、新しいスタートを切ることが出来た1年でした」

――堀口選手に負けてから自分の進路について悩んでいたのですか。

「はい。辞めるという考えはなかったですが、次は何を目標にやっていこう?とは思いました。また修斗で一から世界タイトルを目指すのか、階級そのものを落とすのか…次に向けて色んなことを考えていましたね。ちょうど堀口戦が終わった後に(手首を)手術して、そろそろスパーリングを再開できるというタイミングでVTJからオファーが来たので、本当にベストタイミングだったと思います」

――少しでもオファーの時期がずれていたら出ていなかったかもしれないですか。

「そうですね。もし半年オファーが早かったら出ていなかったと思います」

――トーナメント1回戦は春日井健士選手に判定勝利、1・2Rはテイクダウン& バックコントロールで圧倒していたものの、3Rに失速してしまうという試合展開でした。やはり初めての階級、ケージ&ユニファイドルールに戸惑いがありましたか。

「僕としては完璧に仕上がったと思って金網に入って、どちらかと言えば戦い方が悪かったな、と。試合も久しぶりだったので、それも影響したように思います。1、2Rに攻めすぎて、3Rは酸欠状態で何とか必死に凌いでいたら、解説で『動きが止まって逃げ切るのはよくない』みたいに言われたんですよ(苦笑)。あれを糧に頑張ろうと思いました」

――タフな春日井戦から一転、準決勝のカナ・ハヤット戦は蹴りで距離をコントロールしてリアネイキッドチョークで秒殺一本勝ちという試合でした。

「あの試合は蹴りで試合を組み立てて早い時間に一本勝ち出来たのですが、あんな展開になるとは予想していなかったです。もっと僕が殴られて、何とか上を取って…みたいな、しんどい展開を想定していました。流れの中でフィニッシュ出来たらいいなとは思っていましたが、秒殺はイメージしていなかったです」

――決勝のシーザー・スクラヴォス戦は5分5Rフルに戦い、終始スクラヴォスをコントロールし続けての勝利でした。フィニッシュは出来なかったものの、扇久保選手にとっては満足度の高い試合だったのではないですか。

「すべて満足できる試合ではなかったですが、試合が終わって『ダメだったな…』と落ち込む試合ではなかったです。でもやっぱり一本を取れそうな場面もあったので、そこで極めきれなかったことは反省点ですね。それに実際にシーザー選手と戦ってみて、そんなに強いとは思わなかったんですよ。だから自分がどこまでの実力なのかはまだ分からないです」

――そう思えるのは扇久保選手が戦いたいように戦えたからではないでしょうか。

「どうですかね…。試合中に慌てることはなかったですけど」

――改めてトーナメントで優勝できたことをどう捉えていますか。

「いやぁ、もう本当に良かったなと思います。2013年はベルトを失って『俺ってもうダメなのかな?』と思ったけど、2014年にトーナメントで優勝できたことで少し自信を取り戻せました」

――結果的にトーナメントという形で、約8カ月間で3試合を戦うことになりましたが、ハードではなかったですか。

「むしろ自分にとってはそれが良かったです。僕は試合間隔が空くとダメなタイプなんで、短いスパンで試合をコンスタントにやった方が身も心も充実します。だから今、最悪なんですよ。10月に試合が終わって、次の試合が決まらないまま、年末を迎えちゃって…。

2014年は試合が終わっても試合前みたいな状況だったので、ずっと気持ちを張って練習を続けられていたのですが、それが一段落して気持ちも落ち着いちゃったんですかね、そろそろ体重も気にしないとやばいです」

――決勝のスクラヴォス戦で右の三日月蹴りを蹴った際に右足を骨折していたと聞いています。

「ああ…それも大きいですね。僕的にはすぐに練習したかったんですけど、試合中に右足の指を骨折しちゃって。だから本当はもっと元谷(友貴)戦をマイクで煽るつもりだったんです。でもあの時点で足が折れていて、しばらく試合出来ないのが分かっていたんで、中途半端な感じのマイクになっちゃいました(苦笑)」

――試合終了のブザーがなって自陣に戻る時にも足を引きずっていたと記憶しています。

「試合中にシーザーのヒジを蹴った時点で『これは折れたな』と思いました。あの場面で色々と言うだけ言って、いざ大晦日に試合が出来ないとなったらグズグズじゃないですか。だから本当はもっと言いたかったんですけど、言えなかったですね」

――そういう裏話があったわけですね。元谷選手は大晦日に試合が組まれていますが、今は元谷選手に対してどんな想いがありますか。(※取材日は12月23日)

「……そう…ですね。でも元谷選手に思い入れがあるわけじゃないんですよ。あのトーナメントで優勝して、次に日本人で誰か相手がいるかなと考えた時に、いなくないですか?」

<この項、続く>

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