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【Interview】Gloryでの水野&白井の敗北を受けて。長南亮に訊く(01)

2012.10.20

Ryo Chonan

【写真】TTMでは所属選手以外に週に2度、プロ練習が行われトップファイターが集う (C) MMAPLANET

6日にベルギーのブリュッセル、フォーストナショナル・アリーナで行われたGLORY02。日本からMMAルールの試合に出場したTRIBE.TOKYO.MMA(TTM)の白井祐矢と水野竜也はいずれも判定負けに終わった。

ライトヘビー級戦で来日経験もあるジェイソン・ジョーンズに判定負けした水野、そしてGLORY MMA World Seriesウェルター級準優勝のトミー・デュプレに敗れた白井。

国内では同階級で圧倒的な強さを見せる両者だが、今回の結果を含めて海外遠征では思うような結果を残せていない。セコンドとして帯同した長南亮に2人の敗戦、そしてウェルター級以上の日本の重量級ファイターたちがいかにして世界を相手に戦っていくべきかを尋ねた。
text by Takumi Nakamura

――TTMからGLORYベルギー大会に出場した白井祐矢&水野竜也の両選手ですが、どちらも判定負けという結果に終わりました。セコンドとして帯同していた長南選手に試合のことを伺いたいと思います。ベルギーでの試合がどうだったのかを聞かせてもらえますか。

「まず試合前の段階で選手の調整不足がありました。イベントとのコミュニケーションが上手くいかずにスケジュールがギリギリだったんですよ。今回の試合に限ってはそこに課題があったと思います」

――試合発表も直前でしたが、そういった部分も影響があったのでしょうか。

「こちらからリクエストして対応してもらってはいたのですが、結果的にそうなってしまいましたね。当初は選手が先にベルギーに入って、自分が後から追いかける予定だったのが、結局、自分も選手も滞在2日で試合することになって、予定よりもタイトなスケジュールでの試合でした」

――現地に入ってからは円滑に試合までの準備はできたのですか。

「そこも色々とありましたね(苦笑)。新しいイベントなので仕方ない部分もあるかなと思います。でも会場とホテルがすぐ近くだったり、助かることもあったので、これから整備されていくでしょう」

――では第1試合に出場した水野選手の試合から聞かせてください。

Jones vs Mizuno【写真】オランダ人には珍しいレスリングで勝負を掛けてくるジェイソン・ジョーンズに敗れた水野竜也(C)BEN PONTIER/GLORY

「水野はモロにスケジュールの影響を受けてしまって、バックステージでアップが終わったら、スタッフから『入場してくれ』と言われたんですよ。そのくらいバタバタした中での試合で、1Rで息が上がってしまいました。展開としては水野が押し込まれてバックを取られたり、お互いに決定打はないんだけど、要所要所で水野の印象が悪かったという試合です」

――続いて第2試合の白井選手についてはどうだったのでしょうか。

「白井は水野よりもアップの後に休む時間があったので、いい状態で試合に臨めたんですけど、正直、実力差がありました。デュプレは戦績的にもジュカオンやビエルクヘイデンに勝っているし、試合を見ていても強さを感じました。

白井は序盤からのデュプレの打撃をもらって顔をカットして、反撃しようとしても動きが雑で逆にやられてしまった。最初に打撃をもらってズルズル下がる白井の悪い癖が出た試合でした。今回の試合で気付いたのは、白井は相手にパワーで圧倒されると、それに対処できずに慌てちゃうんですよ。だから自分よりパワーがある相手=外国人と戦うと、自分が持っている実力を出せない。そこを痛感しましたね」

――例えば白井選手はDEEPで日本人相手に勝ち続けていて、国内では相手がいないような状況です。その白井選手がベルギーのMMAファイターに敗れたという結果には考えさせられるものがあります。

Depret vs Shirai【写真】トミー・デュプレの個人的な能力の高さは別にして、ベルギー人ファイターに日本のウェルター級トップの白井が完敗を喫するのはショッキングな結果だった(C)BEN PONTIER/GLORY

「白井はうちの練習でも他のウェルター級の日本人を圧倒するんですよ。でもそれが試合になると、あそこまでやられてしまう。国内の70キロ以上の重量級は選手層が薄くて競争率が低いですよね。ましてや海外で戦う上で、UFCくらい組織がしっかりしていれば日本と変わらないコンディションで戦えますけど、他の海外プロモーションはそうはいかない。そういった諸々のことを踏まえて、ちょっと日本の重量級の現実を思い知らされました。

ライト級以上の階級で外国人選手に勝っていくのは本当に難しくなっていくでしょう。世界的にレベルが上がる一方で、日本の選手層が薄くなっている。競争率が落ちた中で勝ち残った選手が世界に挑まなきゃいけないし、ライト級以上の階級は重くなればなるほど体格的な差も大きくなる。

パワーコンタクトのスポーツでその現状は認めなきゃいけないと思います。だからと言って諦めるわけではないですけど、今回の遠征ではすごく考えさせられました。逆に言えばこれから海外に打って出ていく上で分かったことも多くて、いい経験が出来たと捉えています」

(この項続く)

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