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三崎&石田がストライクフォース参戦、揃って快勝!

[photo by Strikeforce]
【写真】スッキリした勝利とはならなかったが、逆境を跳ね返す“らしい”勝ち方でインパクトを残した三崎 [photo by Strikeforce]

9月20日(土・現地時間)、米国カリフォルニア州ロサンゼルス・ビバリーヒルズのプレイボーイ・マンションで行われた『STRIKEFORCE PLAYBOY MANSION』。昨年9月に続き、2度目の開催となった同イベントは、世界有数の男性誌プレイボーイを創刊した億万長者ヒュー・ヘフナー氏が持つ、ビバリーヒルズの豪邸=プレイボーイ・マンションが戦いの舞台となっている。

メインイベントには、日本の三崎和雄が出場。体重オーバーでノンタイトル戦になったが、一度はUFC世界ウェルター級王座挑戦権を獲得、過去にはニック・ディアズ、ケンドール・グローブら現EXC&UFC主力ファイターから勝利を挙げているジョー・リッグスと対戦した。

試合は、慎重に相手の出方をうかがった両者に対し、1ラウンド終了時にはブーイングも聞こえたが、2Rに入ると、リッグスの左ストレートを受けた三崎が後方へバランスを崩し、早くも劣勢に。それでも、ここからが“逆転男”三崎の真骨頂。距離を詰めてきたリッグスにすかさず右ストレートを叩き込み、ダウンを奪うと怒涛のパウンドを連打、最後はレフェリーが試合を止め、TKO勝利を挙げた。

試合後には、「ガードしていたじゃないか」と不満を露わにしたリッグスに、解説を務めたケン・シャムロックも同調。スッキリした勝利とはならなかったが、ストライクフォース・デビュー戦を白星で飾った。

[photo by Strikeforce]
【写真】アナウンサーも“フライングアームバー”と間違えた華麗な腕十字で米デビューを果たした石田 [photo by Strikeforce]

さらに、同イベントには、ストライクフォース世界ライト級王者ジョシュ・トムソンに加え、日本ライト級の雄・石田光洋も参戦。ノンタイトル戦に出場したトムソンは、アッシュ・ボウマンをパンチの連打で一気に押し倒し、パウンドで快勝、わずか74秒でのTKO劇となった。また、TUFシーズン5に出場したジャスティン・ウィルコックスと対戦した石田は、軽快なステップから左右のローを叩き込み、ウィルコックスの片足タックルをアームロックで切り返すと、ガードをとった相手に下から腕十字。思わずアナウンサーも、“フライングアームバー”と間違うほどの華麗な一本勝ちで米デビュー戦を飾った。

■STRIKEFORCE全試合結果【主要試合レポートへ

ミドル級/5分3R
○三崎和雄
(日本)
2R2分29秒
TKO
ジョー・リッグス×
(米国)
ライト級/5分3R
○ジョシュ・トムソン
(米国)
1R1分14秒
TKO
アッシュ・ボウマン×
(米国)
ミドル級/5分3R
○テリー・マーティン
(米国)
3R2分8秒
TKO
コーリー・デベラ×
(米国)
ライト級/5分3R
○石田光洋
(日本)
1R1分21秒
腕ひしぎ十字固め
ジャスティン・ウィルコックス×
(米国)
ライトヘビー級/5分3R
○トレバー・プラングレー
(米国)
3R終了
判定
アンソニー・ルイス×
(米国)
ウェルター級/5分3R
○ルーク・スチュアート
(米国)
1R4分55秒
腕ひしぎ十字固め
ジェシー・フアレス×
(米国)


ウェルター級/5分3R
ルーク・スチュアート(米国)
Def.腕ひしぎ十字固め/1R4分55秒
ジェシー・フアレス

スチュアートは、ローからハイを2発、対するフアレスもハイキックからストレート。さらに、フアレスは組みついてケージにスチュアートを押しこんでいくと、投げでテイクダウンを狙ったスチュアートからトップを奪ってパウンドを落としていく。

これに対し、ヒールを狙ったスチュアートだが、フアレスは体をひねりながら立ち上がると、フアレスは距離をつめてパウンドを狙うが、ここでスチュアートが再びヒールを仕掛け、フアレスの回転に合わせてトップを奪う。

しかし、右手でフアレスの足をフックした状態なので、向きあうことができないスチュアートに、バックを奪ったフアレス。それでも、スチュアートは向きあいテイクダウンを奪って、そのままマウントへ移行すると、ケージを蹴って逃げようとするフアレスの体をコントロールしながら、スチュアートは腕十字へ。ハウフ・グレイシー柔術の黒帯スチュアートが一本勝ちを収めた。


■ライトヘビー級/5分3R
トレバー・プラングレー(米国)
Def.3R終了/判定
アンソニー・ルイス(米国)

左ジャブを素早く2度放ったプラングレーに対し、ルイスは組みついてケージに押し込む。ここでプラングレーが放ったヒザ蹴りが、ルイスの急所を直撃しブレイクが入る。ケージ中央で試合が再開すると、パンチを振るルイスの頭が下がったところにプラングレーの左ニーが直撃。よろめきながら右ストレートをヒットさせたルイスだったが、直後にヒップトスで投げられ、バックマウントを奪われてしまう。

チョークを狙うプラングレーは、パンチを打ち込むが、ケージを背にして座った状態となり首は絞め辛い態勢に。両足をばたつかせるように暴れ、背中をずらしたルイスは、向きあうことに成功。両者が思い切り拳を振り合ったところで1Rが終了した。

2R開始早々にテイクダウンを奪ったプラングレーは、そのままサイドマウントへ。両足で左足を挟み、パウンドを狙ったところでルイスは亀の態勢に。そのままバックコントロールしたプラングレーは、ヒザ蹴りを織り交ぜながら左右のパウンドを叩き込む。片足タックルでトップをうかがうルイスだったが、プラングレーは強烈なパウンドを放ち、再びバックを奪った。

立ち上がり、向き合ったルイスだが、かまわずプラングレーはテイクダウンからマウントを奪う。ローリングでエスケープを放ったルイスに強引な腕十字を仕掛け、失敗したプラングレーだったが、組みついてきたルイスにアームロック。これも決まらず両者の間に距離ができたところで、ラウンド終了のホーンが鳴った。

最終ラウンドもプレングレーのテイクダウンから試合がスタート。まるで2Rのリプレイを見ているようにサイドからバックへ回りこみ、パウンドを落としていく。左目の上をカットし流血したルイスが必死の形相で立ち上がるが、またも直後にテイクダウンを奪われる。

テイクダウンから時折り見せる強烈なパウンド、試合を決めきれないプラングレーにとっては、いつもの展開となり、両者ともスタミナを消耗していく。こうなると、下になっているルイスは厳しい。サイドを奪われ、バックを見せて逃げる展開に終始。試合は、立ち上がれば、両足タックルで倒されるというパターンが続いたままタイムアップ。いかにもプラングレーらしい、なぶり殺し状態の判定勝利となった。


■ライト級/5分3R
石田光洋(日本)
Def.腕ひしぎ十字固め/1R1分21秒
ジャスティン・ウィルコックス(米国)

“チュジュバ・ジャパンからやってきた”(つくば市)とコールされた石田。TUFシーズン5ファイターのウィルコックスと対戦。ウィルコックスの肉厚は、あきらかい石田を上回る。

サウスポーから左ハイを放った石田。強烈な左右のローを叩き込む。ウィルコックスの右ストレートに、左ジャブを伸ばし、しっかりと距離を取っていく。また、右をカウンター気味に入れた石田は、ウィルコックスの片足タックルをアームロックで切り返す。

自らジャンプしアームロックをかわしたウィルコックスだが、ガードをとるやその刹那、石田は腕十字へ。思わずアナウンサーも、フライングアームバーと間違うほどの華麗な腕十字で一本勝ちを収めた。


■ミドル級/5分3R
テリー・マーティン(米国)
Def.3R2分8秒/TKO
コーリー・デベラ(米国)

両者素早いジャブを繰り出す中、マーティンがテイクダウンに成功するが、デベラも直後に立ち上がることに成功。前へ出るマーティン、距離を取りながらカウンターを狙うデベラ。マーティンが再び胴タックルからデベラを抱えあげてテイクダウンを奪う。

アームロックの態勢にパスを許さず、デベラはここも容易く立ち上がる。飛び込むように左フックを放つマーティンに、今度はデベラが片足タックルからテイクダウンを狙う。両脇を差し返し、ケージ中央に戻ったマーティンだが、デベラの切れのあるパンチが1、2度マーティンの顔面を直撃する。

フライングニーを見せ勢いにのるかと思われたデベラだったが、直後にガラ空きになった顔面にマーティンのフックがヒット。小気味いい打撃の交換が続き、ほぼ互角の序盤が終わった。

2R、いきなりパンチのラッシュを見せたデベラだが、マーティンは片足タックルでテイクダウンを奪う。腰をコントロールし、デベラのアームロック、そしてリバーサルを耐えるマーティン。そのままデベラをケージに押し込むが、ここで立ち上がることを許してしまう。

態勢を入れ替え、マーティンをケージに押し込むデベラ。両者の動きがやや落ちていくる。前にでてくるマーティンに左ハイを放つデベラだが、パンチの打ち合いになると低いガードが危なっかしい。リーチの差を埋めるように、勢いよく踏み込むマーティン。急所に後ろ回し蹴りを受け、一旦試合がストップすると、そのままラウンドが終了した。

3R、フライングニーからショートフック、テイクダウン狙いのフェイントから前蹴りとペースを握ったかに見えたデベラ。しかし、マーティンはダメージを感じさせずパンチを返していく。踏み込んでも踏み込んでもクリーンヒットに至らないマーティンだったが、デベラがローを出しステップバックした直後に左フックを振りぬく。この一発で腰から崩れたデベラの顔面に、右パウンドを一発見舞いマーティンがTKO勝ちを収めた。


■ライト級/5分3R
ジョシュ・トムソン(米国)
Def.1R1分14秒/TKO
アッシュ・ボウマン(米国)

ストライクフォース世界ライト級王者ジョシュ・トムソンが、ノンタイトル戦に出場。ボウマンを相手にまずは左ローを見舞っていく。左ジャブから、右ヒザのフェイント。ステップバックしたと思えば一気に距離をつめてハイキックを放つトムソンは、変幻自在の動きで距離をコントロールしていく。

踏み込んで右ストレートを放つボウマンに対し、右ストレートから左右の連打。後方に倒れ込んだボウマンにパウンドを連打し、わずか74秒でTKO勝ちを収めた。


■ミドル級/5分3R
三崎和雄(日本)
Def.2R2分29秒/TKO
ジョー・リッグス(米国)

ブーイングの入り混じった歓声を受ける三崎。勢いよくリッグスの目前まで足を運んだ三崎は、そこからは慎重に相手の出方を窺う。スイッチを織り交ぜ、変則の構えを見せる三崎に対し、リッグスは距離を詰めるまでには至らない。

リッグスの右1発に、左右3つのパンチを放つ三崎は続いてローキックを見せる。残り時間2分となり、三崎は右ボディから左の返しを放ち。サウスポーのリッグスが踏み込むと右ボディ、さらにはローを前足にヒットさせ、ペースを握ったかのように見えたが、リッグスは右ジャブを振ってからの左ストレートをヒット。それでも、両者とも単発な攻撃だったため、ラウンド終了時にはブーイングが聞かれた。

2R、手を出す合間が短くなったリッグス。三崎のカウンター狙いの機会も増えてくる。解説のケン・シャムロックがリッグスのパンチ力を買い、リッグス優勢と述べるなか、前に出たてきたリッグスのボディに三崎はヒザ蹴りを突き上げていく。

しかし、直後にリッグスの左を受け、三崎が後方へとバランスを崩す。一気呵成に前に出てきたリッグスだったが、ここで逆転男・三崎の右ストレートが、見事にリッグスの顔面を打ち抜くと、リッグスは後方へ倒れ、三崎がパウンドを連打。ここでレフェリーが試合をストップした。

リッグスは「ガードしていたじゃないか」と不満を露わに。ここでも解説のケン・シャムは「MMAにダウンは関係ない。倒れて、ディフェンスができていないと試合はストップされるんだ。両腕でガードしていたのに、このストップは理解できない」と話し、最後まで三崎に辛口だった。

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