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【KOTC】マモル王座防衛戦、一転ノンタイトルマッチに

2010.08.05

Mamoru vs Guzman
【写真】計量後に向かい合うマモルとグレッグ・グスマン。この時点で、計量をパスしていない対戦相手に対し、マモルはあくまでも体重を落とすものと考えていた (C) MMAPLANET

5日(木・現地時間)にカリフォルニア州ハイランドのサンマニュエル・カジノで開かれるKING OF THE CAGE「SNIPER」。日本から二人のプロシューター、マモルと田村ヒビキが出場する同大会の公開計量が4日(水・同)に行なわれた。

シューティングジム横浜所属、元プロ修斗二冠王、ムエタイとMMAの融合の最先端を見せるマモル。現地に赴き、2月のKOTC沖縄大会で獲得したKOTC世界ジュニアフライ級の初防衛戦で、グレッグ・グスマンを迎え撃つ――予定だった。

しかし、125ポンドの同階級で、グスマンは128ポンドと3ポンドもリミットをオーバー、5分5Rの世界戦は5分3Rのノンタイトル戦に変更された。グスマンの肌の張りを見る限り、到底ギリギリまで体重を落としたようには見えず、計量のステージでマモルに詫びこそすれ、直後に水分を補給するという態度には、さすがにマモル陣営もカチンときた。


Mamoru【写真】マモル自身はリミット丁度で計量パス。飛行機での移動、慣れない異国での最終調整を考えると、釈然のしないものが残って当然だ (C) MMAPLANET

ソウル・インチョン経由で現地入りの予定が、機体の問題で関西国際空港に一時寄港し、24時間も掛けての現地入りになるなど、海外戦の洗礼を受けていたマモルは、「1ポンドでも落とせよ」とグスマンに要求。

しかし、コミッションによるこれ以上の減量は危険という鶴の一声で、マモルは契約体重のノンタイトル戦、もしくは試合をしないという二者択一を迫られた。こうなると、試合を断るという選択はほぼファイターには無理というもの。特に今回の防衛戦は、SAMURAI TVで中継されるということもあり、日本人スタッフも現地入りしており、マモルにしても断るというわけにはいかなった。

結局、ノンタイトルの契約体重を飲むことになったマモル。試合当日に体格差が生じることは明らかだが、この不条理さをパワーに変えて勝利することを願うしかない。

マモル
「5Rか、3Rか選んでくれって言われて、チャンピオンシップじゃないのに5R戦う必要はないなって。罰則して、向こうのファイトマネーの10パーセントを貰えるらしいけど、そんなの対した額じゃないんだろうけど……、もう気持ち的には怒りのみって感じですね。

でも、冷静さを欠いてもしょうがないんで。まぁ、もう体で払ってもらいますよ。そうするしかないじゃないですか。この大会に出るために助力してくれた方や、通訳など協力してくれた方がいて、『やらない』なんて言えないですよ。そんな顔を潰すことはできない。TVだって来てくれているのに……。

何よりも、自分が一番望んでこの日のために練習してきて、会場の周囲に大きなポスターや看板で宣伝してもらっているのに、『俺、やらない』って言えないというか、言わないですよ。コミッションが管理しているというのも、守られているっていう感じで開き直って、ヘラヘラしている感じで。

それが明日にどう影響するか分からないですけど、いずれにせよ、骨格や筋量、リカバリーなんか含めて、外国人は大きいことは分かっているので。でも、もうファイトで見せるしかないです。戦って分からせるだけです。こういう怒りもコントロールして、クレバーに戦う。それが自分のスタイルだと思っています」

また、パラエストラ大阪から出場する田村は、昨年のVTJで五味隆典を追い込み、KOTC沖縄大会で朴光哲と対戦している変形打撃ファイターのトニー・ハービーと対戦する。混迷修斗ウェルター級戦線のランキングにこそ関係はないが、存在感を見せつけるためにも、上位ファイターが勝利したバービーを相手に完封勝ちを狙いたいところだ。

田村ヒビキTamura
「ハービー選手と向かい合った感じでは、思ったほど大きくはなかったです。握手した感じでも、目に威圧感はなかったですし。ただ、明日になってリカバリーしたときに、どう感じるかですね。

ハービー選手にとって、ここはホームでの戦いなので、日本で戦った2試合とは雰囲気とか感じも変わってくるとは思います。五味選手にしろ、朴選手にしろタイプはストライカーなので、僕はそうじゃないし、試合自体は噛み合うんじゃないかと。

【写真】激戦区の修斗ウェルター級で戦ってきた田村ヒビキ。修斗戦績は4勝3敗2分も、非常に内容の濃いキャリアを積んでいる。シュートボクシングでも勝ち星を挙げている(C) MMAPLANET

最終的に僕が極めて勝つというイメージは、試合が決まった時点から常に持っています。ケージやヒジ打ちに関しては、試合決定から期間がそれほどなかったので、しっかりとした対策はできていないです。壁を使った練習、ヒジの対策はずっと意識してやってきたことなんで、練習でやってきた感覚で、実戦で出せれば、なんとかなると思います」

■KOTC「SPINERS」主な対戦カード

<128ポンド契約/5分3R>
マモル(日本)
グレッグ・グスマン(米国)

<ライト級/5分3R>
田村ヒビキ(日本)
トニー・ハービー(米国)

<バンタム級/5分3R>
ルーベン・デュラン(米国)
カナ・ハイアット(米国)

<ライト級/5分3R>
サッド・アワッド(米国)
ブライソン・カマカ(米国)

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