【Road to ONE02】ケージグラップリングマッチに挑む田中路教─01─「テイクダウンできないとダメです」
【写真】取材のためにLFAとの契約書を持参してくれた田中。ここがスタートだ (C)MMAPLANET
4月12日(日)に東京都港区のニューピアホールで開催されるRoad to ONE02で、田中路教が宮田和幸とグラップリングマッチを戦う。
先ごろ北米ナンバーワン・フィーダーショーのLFAとの契約がなった田中は、今回のグラップリングマッチに関してどのような想いを持っているのか。
ロータス世田谷のプロMMAグラップリング練習後に、話を聞いた。
──わざわざLFAとの契約書を持ってきていただきありがとうございました。長かったですね。
「ここに向うのマッチメイカーがサインしてくれて完了しています。やっと、ですね(笑)」
──『田中はLFAと契約できないだろう』……そんな声も聞こえていました。
「まぁ、これだけ時間が掛かってしまったので、そう思われてもしょうがないです。でも、あとはビザを取るだけで。それが取れないと、試合もできないですからね」
──LFAという北米一のフィーダーショーが田中選手を認め、契約がなったということで一つの区切りにはなったのではないでしょうか。
「ハイ。それは僕よりも、回りで動いてくれた人のおかげです」
──ついに、そういうことが言えるようになったのですね(笑)。
「アハハハ、徐々に大人になりました」
──しかし、さきほど言われたビザですけど……新型コロナウィルスの影響で足踏み状態なのではないですか。
「そうですね。それは僕だけの話でなくて、地球上全ての問題なので。それにビザの申請前にこの事態になってしまっていますし。ここでビザを取れてもLFAが大会を開けていないですし、僕も米国に行けないですからね」
──ではこのタイミングでグラップリングの試合で戦うことは田中選手にとって都合が良かった?
「本当に良いタイミングでオファーを頂けました。LFAと契約を交わしたのでMMAの試合は他ではできないですし、こういうタイミングでグラップリングの試合をさせてもらえることはありがたいです」
──グラップリングだろうが、実戦を戦うことは大切だったと。
「ハイ。去年の3月にパンクラスで試合をした時に、自分の状態が試合をして良い状態ではないと感じました。試合ができる状態に戻さないといけない、その取り組みをしてきたのでそろそろ実戦で試してみたかったです。だから本当にタイミング的に良かったです。意味のある試合になると思っています」
──対戦相手が宮田選手ということは?
「グラップリングの試合ですが、僕はMMAファイターなので柔術家と完全なグラップリングマッチを戦うのは抵抗があります。MMA選手の観点から、柔術家と組み技の試合をしても自分のためにならない。その点でも宮田選手はテイクダウンが強くて、上の取り合いができるので良い経験ができると思っています」
──五輪レスラーの打撃なし、組みに専念するとえげつないほど強くないでしょうか。
「当然強いです。まぁ、僕としても下から攻める選手ではなにので、テイクダウンを取れないと勝ち目がないです。そこは自分でも楽しみです」
──グラップリングと言う名のレスリングをやらせると、守りの強さも抜群に強いかと。
「それはもう相当なモノだと思います。でも僕自身、ずっと大学でレスリングの練習を積ませてもらっていますし、自信があります。というか、テイクダウンができないとダメです。相手が宮田さんといえど、取れないとダメだというのはあります」
──MMAでも打撃で勝つ選手ではない。だからグラップリングといえども、五輪レスラーをテイクダウンしないといけないということですね。
「極端な話をいえば、この試合はレスリングではないです。ケージの中のグラップリングなので。別にマットの上でシューズを履いて戦うわけではないので、そこはやりようがあります」
──勝つには一本しかないルールですが、田中選手には極めという印象はありません……。
「そうなんですよ(笑)。そこは乗り越えないといけない部分です、MMAファイターとして。MMAの練習だと、MMAグラップリングに逃げてしまう。パウンド有りのグラップリングをしてしまうので、それができない試合は──そこを踏まえた練習を積むことができて、練習自体が凄く良い経験になっています」
<この項、続く>