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【ONE90】オンラ・ンサンとのリベンジ戦へNY修行敢行、長谷川賢─02─「何周しても、最後は基本が大切」

Nsang vs Haseken【写真】オンラ・ンサン✖長谷川賢の一戦は午後8時45分ぐらいからだ(C)MMAPLANET

いよいよオープンイングまで4時間となったONE90「A NEW ERA」。今大会でONE世界ミドル級王者オンラ・ンサンに挑戦する長谷川賢をAmeba TVが制作するドキュメンタリー番組= ONE DAY が追った。

インタビュー後編は、NYで長谷川が身につけたモノと、常に行き着く基本の大切さについて話してくれた。

<長谷川賢インタビューPart.01はコチラから>


──柔道の組みに持ち込むのも簡単ではないということですね。

「片方を差しても、なかなか柔道の技は使わせくれないですね。ヴィランテとスパーリングをしていても、そういう形になると足を引いて技を仕掛けられなくしてきますし。そういう面で引き出しが多いですよね」

──だからこそNYで、その部分が伸びるということですね。

「ハイ、それでもテイクダウンをちょいちょい取れますからね。こっちに来た時より成長しているんじゃないかと思っています。米国の選手はリーチが長いけど、距離が近い。そしてテイクダウンを切るのが上手いので」

──ヴィランテとスパーをやっていることを考えると、ンサンのリーチはそれほどでもないですし。

「距離、角度は戦って僕がどう感じるのか。ただ、1Rは用心深くなってしまうかもしれないですね。自分が行ける距離になれば……です」

──その行けるという部分は、ボクシングを基礎からやり直してきた今だからこそ以前とは違うかと思います。

「そこは全然違います。だから日本でやってきたことが間違っていなかったと確認ができたし、微妙な違いも修正できつつありますし、そこを積んでから帰国できると思います」

──日本大会、MMA人気を上げるためにという気持ちがあり、イベント自体を成功させようとか、日本の格闘技界のためにという想いで戦うことは、これまでの長谷川選手にはなかったかと思うのですが。

「その通りですね。今回はその気持ちになっています。良いか悪いかは分からないですが、あの日……ミャンマーで試合をしたことはプラスに働くような気がします。ンサンがミャンマーで、そういう気持ちで戦っている。アレを見たので。これまでの僕だったら、あの応援で踏ん張ることができるだとか思わなかったはずです。

5Rの彼の息を吹き返しようを見たら、あの応援が力になるし……実際に僕にとってはアウェイだったけど、試合前に来てくれた人が激励してくれて、そのことで頑張ろうという気になれましたし、絶対に引かないで戦おうと思えたんです。

ンサンを見た経験と、自分が思った経験でそれが大きいか小さいか分からないけど、全部を力にできればと。そのうえで日本大会を成功させたいという気持ちをプラスにできるような精神状態に持っていけそうな気はしています」

──しんどい時は自分のためだけでなく、皆と頑張ろうと思える選手は頑張れるかと思います。

「そう言ってもらえるなら、思い込みも大切なのでそう思って戦います。僕も心を動かされたんです。自分ができることは本気で協力しようと。周りで応援してくれる人たちの気持ちに応えたいって。それに……いつだって選手は勝つしかないですから」

──その通りですね。ここから帰国まで、どのように仕上げていきたいですか。

「トータルで伸ばしたいのは勿論なんですが、5Rになってもドロドロにならないスタミナと冷静な判断力をもってスマートに戦いたいです。毎回言っているのですが、基礎に戻ってしっかりと……NYではンサン対策というより、オーソドックス対策のように練習を積んできました。

左手前の選手の試合映像を見て、そこでの戦い方を指摘してもらうこともありました。で、結局のところ何周しようが最後は基本が大切だということに行き着くんですよね」

──確かに。長谷川選手のインタビューで、毎度のように出てくる結論ですよね。

「そうなんです(笑)。学んだことをスパーリングに取り入れ、そして気付きがある。その気付きが、基礎は大切だってことなんです。こうしたら上手くいくって気付くと、それは基礎に返っている。基礎を続けていたら、精度が上がる。ならパンチも当たるじゃんって」

──ロンゴ・ワイドマンの練習相手はユニファイドルールで試合をする選手たちで、長谷川選手はONEルールで戦います。そのあたりのすり合わせは?

「ルールを全く無視するわけでもないし、自分で考えてやっています。ここだとヒザ蹴りを入れることができるなとか考えながら。自分が手にしてきたモノを、自分で考えて組み立てる。そこにレイ・ロンゴがアドバイス、作戦、そして練習相手を見つけてくれるなど、MMAジムにおける総監督振りを発揮してくれて。ここが日本との違いだとは本当に思います。憂流迦もそう言っていますしね。

そうやって見つけた……磨いてきたモノを自分の形というわけじゃないけど、一番有効である正しい基礎的な動きを静かに続ける。

結局、そこの練度が高いか低いかが、強いか弱いかということになると思うので。NYでは技術練習が多いし、週に1度のスパーリングで精度を高めたいです」

■ONE90対戦カード

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
[挑戦者]青木真也(日本)

<ONE世界女子ストロー級(※56・7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィォン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]アンジェラ・リー(米国)

<ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]長谷川賢(日本)

<ONE世界バンタム級(※65.8キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]ケビン・ベリンゴン(フィリピン)
[挑戦者]ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)

<ONEフライ級(※61.2キロ)ワールドGP準々決勝/5分3R>
デメトリウス・ジョンソン(米国)
若松佑弥(日本)

<ONEライト級(※77.1キロ)ワールドGP準々決勝/5分3R>
エディ・アルバレス(米国)
ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)

<キック72キロ契約/3分3R>
ヨーセングライ・IWE・フェアテックス(タイ)
アンディ・サワー(オランダ)

<ONEフライ級(※61.2キロ)ワールドGP準々決勝/5分3R>
ダニー・キンガド(フィリピン)
仙三(日本)

<ONEフライ級(※61.2キロ)ワールドGP準々決勝/5分3R>
カイラット・アクメトフ(カザフスタン)
リース・マクラーレン(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
V.V Mei(日本)
クセニア・ラチコワ(ロシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
アンソニー・アンゲレン(オランダ)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ロッタン・ジットムアンノン(タイ)
ハキーム・ハメック(フランス)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
パニコス・ユーサフ(キプロス)
モハマド・ビン・マフムード(マレーシア)

<キック・フライ級/3分3R>
秋元皓貴(日本)
ヨゼフ・ラシリ(イタリア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ユン・チャンミン(韓国)
バラ・シェッティー(インド)

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